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理香

私は理香。いたって普通の女子大学生だ。

理香

身長は成人女性の平均ぐらいだし、体格も普通。

理香

県外の大学に通うために今は実家を出て、幼稚園の頃からずっと仲良しな幼馴染とルームシェアをしている。

理香

幼馴染……朱音(あかね)は華奢で可愛くて、いつも私のことを大切に扱ってくれるから、私は朱音が大好きだ。

理香

まあ、ルームシェアをしているっていうのは今の時代珍しいことでもないし。特段私自身について他の人と変わったところはあんまり無いと思う。

理香

……強いて言うなら、今まで付き合った彼氏全員と3ヶ月も経たずに別れているということぐらいか。

理香

言っておくけど、私はいわゆるビッチではないし、すごくモテる美人というわけでもない。

理香

顔立ちはまあ、人並みぐらいだと自分では思う。今まで私を好いてくれた彼氏たちからは、「一緒にいると安心する」「落ち着く」という風に言われたことがある。

理香

これまで付き合った彼氏も皆、どちらかというと真面目な人が多くて、私もそんな彼らに対してきちんと向き合ってきたつもりだった。

理香

しかしまあ、長続きしないのだ。これが。

理香

毎回毎回、「他に好きな人ができた」だの、「運命の愛を見つけた」だの言われて、決まって私がフられる。

理香

普通の人間なら人生がイヤになりそうなものだが、幸い私には朱音というとてもできた幼馴染がいたので、人としての道を踏み外さずにこれまで過ごせている。

理香

私が彼氏に別れ話をされたというと、朱音は私が好きなシフォンケーキを焼いてくれて、お茶をしながら何時間でも私の愚痴に付き合ってくれた。

朱音

理香ちゃんを振るなんて、そいつ見る目ないよね〜
別れて正解だったんじゃない?

朱音

いつまでもクヨクヨしてたってしょうがないしさ、おいしいお菓子とお茶で忘れよ?
シフォンケーキ、好きでしょ!

理香

そういっていつも私を励ましてくれる朱音。この子の存在に、私は何度救われただろう。

理香

朱音は私から見てもかなりの美形だが、今のところ浮いた話は聞かない。何回か告白されたことはあるみたいだけど、全部断っているらしい。

理香

一度理由を聞いたことがあるけれど、あの子は適当にはぐらかすだけで答えてくれなかったので、私も何だかどうでも良くなってしまった。

理香

そんなわけで私は華のキャンパスライフを送っているのだが、今までの経験から恋愛に関してはどうも奥手になってしまって、好意を寄せられてもうまく応えられなくなっていた。

理香

これはそんな私に起きたある出来事の話だ。

I LOVE YOUが言いたくて

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