溺 愛 サ イ ボ ー グ に 要 注 意

マックスが投げた キャラメルが、

私の目の前を通って カートの手にキャッチされる。

2人は袋を開けて 吸引口にキャラメルを挿した。

と、マックスがポケットから ハッキングデバイスを取り出し、

親機の吸盤を机に取り付けた。

婦警さんが話す間に 子機を操作する。

親機の画面の パーセンテージが少し上がる。

婦警さんと私達の間に シャッターが降り出す。

婦警さんが寸前で、

シャッターと机の間に ソフビ人形を挟んだ。

プヒーと間抜けな音が鳴る。

と、婦警さんの言葉を 遮るように、

ソフビ人形が潰れて シャッターは閉じた。

2人に手を引かれて 私はイスから立ち上がった。

小ネタ リリーはカートとマックスが 人に無関心でドライな性格な事を理解している。 理解しつつ「絶対感謝してくれる人はいる」 と考えていて、 2人がそういう人に出会える事を願っている。 対して2人はリリーさえ居れば 他人は何でもいいと思っている。