裏切りの人狼

やっぱり俺は見捨てること ができなかった

石化してしまった重い体に鞭を打ち 何とか生き残りをベッドまで移動させた

長野は即死...

福井もおそらくダメだろう

新潟...富山...の二人だけか？

二人も生き残ってたのか...

しかし、二人とも出血量が酷く呼吸が浅い

その言葉と共に新潟の傷口を..護身用に持っていた刃を炙り、当てた

大量出血を止めるには 傷を焼くしかない

恐らく右手は...使い物にならない

焦げた匂いに吐き気がする

悲鳴をあげる新潟を無視し、 続いて、富山の傷を焼く

富山は反応を示さなかった

死んだか...？

いや、違う...

過呼吸だ..

脳に酸素が行き届いていないのか

富山の顔色はだんだんと悪くなっていく

俺はその時...____に言われたことを思い出した..."人工呼吸"

嫌いな奴らに...

裏切った奴らに

初めてを、？

こんなことを考えてる間にも 刻一刻を争う

そして、

富山が息をしていないことに気づいた

その時の俺は本当に頭が真っ白で

ただ、失いたくなかった

必死に..

無我夢中で富山に酸素を送る

少し動いたか？

頼む、間に合え

間に合ってくれ!!

体感１時間...実際はほんの数分だろう

二人に背を向け部屋を出ようとした

嬉しくない

嬉しくなんかない！！っ

泣いてなんか....ないのに

本当俺って....

新潟達を振り向かず部屋から出た。 このぐちゃぐちゃになった顔を見られたくなかったから

大っ嫌いなはずなのに... 生きてて....よかったって安心してるのは

何でだろうな

そう...今回使った記憶操作は京都の願いが込められたもの...彼自身が想う相手ほど効果は強く強烈である

もう二度と大阪が京都を思い出すことはないだろう..もう..二度と..永遠に..

大阪が俺の名前を呼んだ途端胸が締め付けられる様な感覚に襲われた

苦しい

誰か...助けて...

やば、過呼吸っ、こんなところで

死ぬ死ぬ死ぬ

視界が.....

コツコツ....))足音

俺はこの人を...知っている....？