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3 - 記憶喰いのピエロと観覧車

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2025年05月09日

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カケルが次にたどり着いたのは、朽ちかけた遊園地の片隅。

ひときわ大きな観覧車が、夜の空にきしみを立てていた。

シロ

乗る?

シロが言うと、観覧車のゴンドラの扉が自動で開いた。

乗り込むと、すぐに周囲が暗くなった。

ライトも、音楽も、誰の声もしないーーまるで世界に置き去りにされたような沈黙。

でも、突然。

ピエロ

こんにちは、ようこそ"記憶の車輪"へ

無音を破ったのは、ピエロの声だった。

ゴンドラの向かいに、いつの間にかいたのだ。

顔に貼りついたスマイル。

赤と青の涙のペイント。

ピエロ

あなたの一番大事な記憶、ひとつだけもらうね

カケル

えっ……やめーー

カケルの頭に、ある情景がよぎった。

春の日の放課後。

教室に一人残って、泣いていた女の子に傘を差し出した、あの日。

名前も知らない、けれど確かに誰かを救えたと思った、唯一の記憶。

カケル

それ……ダメだ、それだけは……!

でももう遅かった。

ピエロの手がすっと伸びると、その記憶は光の玉になり、吸い込まれて消えた。

観覧車が止まる。

ゴンドラの扉が開く。

シロ

……どうだった?

と、シロ。

カケルは何も言えなかった。

胸がぽっかり空いていた。

何かを失ったはずなのに、何を失ったか思い出せない。

地面には、また1枚のパンドラカードが落ちていた。

"あなたの「救い」を喪失しました"

その文字を見つめるカケルの目に、初めて迷いが差し込んだ。

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