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ひまり
ゆうま
彼女は彼を目で追っていた。 もう大分日が暮れている。 まもなく辺りは闇に包まれるだろう。 合宿所にもどろうとしているんだよね…? ひまりは不安に思いながらも早足で先を歩く彼のあとを追い続ける。 振り向きもせずに真っ直ぐ歩き続ける彼。 そろそろ闇が深くなってきた。 あれ…? 真っ暗な闇に降りていく道がある。 その向こうは暗い森にとけこんでいる。 何か危ない、この道… 第六感ともいえるものが彼女を動かした。 ゆうくんっ…!! ひまりが駆けつけ、腕をつかんだ。 はじめて彼が足を止めた。 ゆっくりと振り返って、屈託のない笑顔を見せながら 俺、この道に行きたい。 にっこり笑って、彼はさーっと駆け下りるように行ってしまった。 不吉な予感で胸がざわつくひまりだが、 とっぷり暮れた闇の中に消えた彼を追う勇気もなかった。 ただ立ち尽くすだけ…