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〇〇
まだ日が落ちていない太陽の下で照らされる 彼女がいた。
爽やかな新緑がとても似合い誰もが見惚れる女性で 自分好みの顔だった。
蘭
特に何の予定もない今日この日、 2人は光が差し込む少し肌暖かい風が吹き汗が滴る気温だった。
生き物が自身を主張して存在を周りに示している。 そんなものが目に入り余計季節を感じた。
〇〇
彼女の一言一言は軽かった。重いのは自分だけ。 声も綺麗で美しい。こんな空気にぴったりで見て、 聴いていて飽きない。
そんな綺麗な音色を奏でる彼女の口元が揺れ 振るえるのを眺める俺。
「何真剣な顔して…まさか別れ話とかじゃないよね?」 そう蘭は言う。 でも冗談で言ったはずだった。
だって何だか今日は顔が違ったから。 いつもより俺好みじゃなかった。
彼女はついさっきまで上げていた口角を下げ 目を細める。
手で目の上に日影をつけながら隙間から差し込む ハイライトは非常に彼女には映えすぐに 自身の腕の中から離れていってしまう気がした。
口角は下がっていたけど大して悲しそうな 顔ではなかった。
だが、只々眩しいはずの日光に目をやり次には 『すんっ』とまた口角が上へ導く。
そしてようやく口を開けたかと思えば彼女の 白く靡くワンピースと共に_____。
〇〇
こう告げられた_____。
彼女はいつも干からびた木と錆びたベンチの上で本 を読んでいた。
たまに髪が前にかかりそれを掬いまた耳にかける姿はまだ15歳とは思えなかった。
自分とは3歳差。学校にはいつも行っているみたい。 でも友達は多くはなかった。 そんな彼女がいつも気になって通う毎日。
毎日毎日彼女の前を通ってみたり彼女の横に 座ってみたり____。 ずーと彼女を見つめていても全然気づかなかった。
そんな時初めて彼女に触れてしまった。 隣に座っても何とも言わない彼女が不思議に 見えてきてしまったから。
〇〇
初めて声をかけられた時全身に電流がかかったように震えてすぐに口を開くことができなかった。
蘭
〇〇
蘭
〇〇
蘭
〇〇
そんな話をしいつもどんな本を読んでいるのかと普段は全然気にしないことが頭をよぎりふと覗くと____。
———彼女は
『盲目だった』
毎日通っていつの間にかそう言う関係になっていた。
初めは警戒していた彼女は俺に笑顔を向けるようになり次第と言葉遣いも変わった。
初めて手を握った時暖かく包み込んでくるような 柔らかい手が離せなかった。
彼女は花が好きらしい。花なんて見れないのに…
蘭
〇〇
蘭
白く美しい”透る白肌”はどこにいても彼女が主役で他の女などただの脇役。 誰も彼女の影でしかなかった。
〇〇
蘭
〇〇
蘭
匂いなんか気にしたことがなかった。そんなん抗争中だと血の匂いがして臭いし。
彼女は俺をみたことがなかった。どうせどっかしらの紳士とでも思っているだろう。
でも実際は人を傷つけて殴って痛めつけて喜んでる 野蛮な人だ。でも伝えてみたらどうなるか気になって聞いてみることにした。
蘭
〇〇
蘭
〇〇
蘭
〇〇
蘭
〇〇
蘭
〇〇
その時から俺は”気をつけるよう”にした
〇〇
蘭
〇〇
いつも笑顔を向ける彼女の顔が好きだった。
暗い顔は似合わない。
自分とは真反対な彼女が少し羨ましかった。 だから欲しかった。 気になってますますその女に心が掴まれた。
蘭と彼女。初めて遊園地へ脚を踏み込んだ。 彼女は遊園地に行ったことがないようだ。
蘭
〇〇
彼女は俺の手を離し両手を自身の顔まで持っていき カメラを撮るような手を作って間越しに 自分を見ていた。
彼女の口を見る。目を見る。それだけの光景がどうしようもなく見たくて…
片目を閉じた。蘭にとっては彼女の片目と目が合い不意に頬が熱くなる。
〇〇
ぼそっと何の意味もなく考えたことが次には声に 出ていたと気づいたのは彼女が話を繋げた時だった。
〇〇
蘭
〇〇
蘭
何だか心が落ち着く。 自然と顔が上がる。 ____そんな気がした。
俺から見た君は光り輝いていて手を離したらすぐに 消えてしまいそうだった。
〇〇
蘭
〇〇
蘭
顔が良かったから…見ていて飽きなかった。ただの遊びのはずだった。
でもいつの間にか俺は彼女に”恋”をしていた。
『何故?そう思いふと前を見返すともうそこに彼女はいなかった』
彼女の姿が見えなくなってから何時間経ったか… 無心に歩き続ける。
蘭
蘭
———愚かだと思った。 こんなに鮮やかな照明に光。 綺麗鮮明に編み込まれた服の繊維に生き物の構造。 自然の成り立ちに人の顔まで彼女は知らない。
竜胆
蘭
竜胆
蘭
竜胆
蘭
『あぁ、思ったより辛くなかった。』そう思う____。
竜胆
蘭
竜胆
弟の指を見ると『ピカッ』と光るシンプルなのに 高そうな指輪をつけていた。 うんと頷くと弟はすぐに答えてくれた。
竜胆
弟とそんな関係のやついたっけと頭を回すが 出てこない。
竜胆
蘭
竜胆
蘭
蘭
最後彼女と言葉を交わした場所へ戻るともう辺りは暗く静まり返っていた。
蘭
スマホの明かりをつけインスタを開こうと した時_____。 間違えて写真ホルダーを開いてしまう。
間違えて開いた奥には彼女との思い出が 詰まっていた。
初めて彼女を知り美しいと思った写真。 初めて彼女と話を交わした時の彼女の写真。 初めてのツーショット。 初めてのデートでの写真。 初めての彼女との遊園地_____。 ———思ったより沢山あった。上へ上へスライドするにつれ記憶が”フラッシュバック”する。
蘭
躊躇う暇もなく他のアプリに切り替え彼女を呼び出す。
蘭
〇〇
〇〇
蘭
〇〇
六本木へ向かう。この時間”車”が多く、人通りが 多かったため、向かうのには時間がかかった。
———走りながら思う。 『まぁ、いっか』と思えるほど軽い思いでは なかった。 いつの間にか俺は彼女に惚れていて恋をしていた。
———心ながらに思う。 彼女だけ、彼女1人だけを愛していれば良かった。 ずっと言わなかった。 彼女は自分に聞かなかったから。 他に女がいるとなど… いつの間にか彼女は遊びじゃなくなっていた。
蘭
———彼女の姿が見えた。 松葉杖を持ち横断歩道を渡ろうとしている。 そんな女性を見るとすぐに声をかけた。 歩道越しに____。
蘭
彼女は声がする方を向く。車は多かったけどそれに 負けないほど大きな声で呼んだ。
少し彼女の足がためらっていたが脚を前に出す。 唾を飲みごくんと頷くと少し微笑む彼女。 そして_____。
蘭
にっこり口角を上げた蘭は彼女の指を見る。 シンプルな彼女らしい指輪がついている。 彼女の白肌に似合う白いワンピースは真っ赤に潰れ彼女の肌をより強調させる。
自分の特攻服の話なんてしたことなんてない。
遊園地、彼女と俺…どちらも初めて行ったはずなのに 観覧車がそこにあるのを知ってるはずがない。
蘭
そして初めて蘭は彼女の口に唇を合わせた_____。