これは俺の大っ嫌いな記憶だ。
???
???
俺は小学生の頃、いじめられていた。
小学生
小学生2
???
お陰で俺は何にでも逃げる癖がついてしまっていたのかもしれない。
小学生2
小学生
???
???
小学生
2人の小学生が尻もちを向いている子に蹴ろうと足を上げた。
???
???
???
小学生
小学生2
???
小学生2人は逃げていった。
これは初めて俺がコイツと出会ったきっかけだった。
???
???
???
???
???
それから、俺と奏多は一緒に過ごすようになってきた。
小学生…中学生…と上がるうちに、俺は大きく縦に伸びていき、昔とは全く別人のようになった。
奏多といるおかげで、俺は自分に自信がついていった。
奏多のことはずっと大好きだった。
でも中学2年生あたりから、それは歪んだ感情になっていってしまった。
その感情を隠そうとした。
でも、高校2年生の春。
ある放課後、俺は無意識に言ってしまった。
青木 朝陽
その直後、俺は咄嗟に思った。
やってしまった。
堀田 奏多
青木 朝陽
どうしよう
堀田 奏多
ヤバい。
奏多、すごく困惑してる
今はとにかく逃げよう
早く、ここから逃げたい!!
青木 朝陽
堀田 奏多
奏多の声を無視し、朝陽はそのまま廊下に出た。
青木 朝陽
どうしよどうしよどうしよ!!
なんであんなこと言ったんだよ俺!!
最悪だ…
俺は奏多とずっと一緒にいたい
でも、このままだと……絶対に一緒にはいられない
その時、クズな俺は考えたんだ。
青木 朝陽
無かったことにしよう
でも、やっぱり罪悪感というものはあった。
青木 朝陽
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
そのときは梓が丁度来て、話すことが出来なかった。
しかし、梓が行った後___
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
堀田 奏多
堀田 奏多
…やば
青木 朝陽
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
奏多は満足のいかなそうな顔をした。
堀田 奏多
堀田 奏多
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
堀田 奏多
堀田 奏多
青木 朝陽
青木 朝陽
青木 朝陽
そうだ。このまま無かったことにするべきなんだ。
これは奏多のためでもあるんだ。
……そう、だよ、な…
青木 朝陽
俺は無かったことにする、という決心がついた。
夏休み。 みんなで海に遊びに来ていた日。
多田 梓
黒井 薫
多田 梓
堀田 奏多
青木 朝陽
薫と梓は海の家へ向かっていった。
青木 朝陽
堀田 奏多
朝陽は奏多の隣に腰を下ろした。
青木 朝陽
すげぇ真剣そう…
なんなんだ?
堀田 奏多
堀田 奏多
堀田 奏多
ドキンッ…。
堀田 奏多
青木 朝陽
覚えてたのかよ…
奏多は真に受けとらないと思ってたのに…
堀田 奏多
…あれは無かったことにした。
無かったんだ、あんなこと
堀田 奏多
青木 朝陽
堀田 奏多
ごめん奏多。
でも忘れてくれ。あの日のことは
無かったことにしたのは、お前のためだってこの前は思ってた。
でも違う
俺はクズなんだ
青木 朝陽
青木 朝陽
俺は自分のためだけに、無かったことにする。
堀田 奏多
堀田 奏多
だって俺は奏多ともっと一緒にいたいんだ。
青木 朝陽
ごめん。許してくれ
堀田 奏多
堀田 奏多
青木 朝陽
青木 朝陽
朝陽はポリポリと頭をかいて首を傾げた。
堀田 奏多
堀田 奏多
…よかった
青木 朝陽
堀田 奏多
え…?
青木 朝陽
なんで、そんな悲しい顔……
青木 朝陽
堀田 奏多
堀田 奏多
青木 朝陽
『なんでそんな悲しそうな顔をしてるんだ?』
その時の俺は、そう聞きたかった。
堀田 奏多
でも…
青木 朝陽
勇気のない俺に、そんなことは聞けるわけがなかった。
夏休みのある日。
俺は奏多の家に来ていた。
堀田 奏多
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
青木 朝陽
朝陽は自分のコントローラーを置き、奏多の後ろに回って奏多の持つ手に自分の手を上から重ねた。
青木 朝陽
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
ピクリと奏多の体が動いた。
青木 朝陽
堀田 奏多
そう言う奏多の耳はほんのり赤くなっていた。
青木 朝陽
朝陽は奏多の赤い耳に優しく触れた。
堀田 奏多
すると、バッと奏多は朝陽から隠れ、真っ赤な顔で耳を隠した。
青木 朝陽
今の…って
俺と距離が近かったから照れたの?
やば、なんか変な気分になる
青木 朝陽
朝陽は無意識に奏多の方へ近づいて行った。
堀田 奏多
青木 朝陽
ガチャ
その時、梓が現れた。
もし梓が来ていなかったら俺は最低なことをしていたと思う
青木 朝陽
花火大会のとき、俺は嬉しかった。
奏多と2人で行動することになって、とても楽しかった。
青木 朝陽
朝陽は奏多から箸を奪い、焼きそばを奏多の口の中に入れた。
堀田 奏多
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
朝陽はパクッと焼きそばを口の中に入れた。
青木 朝陽
青木 朝陽
朝陽はふと奏多の方を見つめると、奏多の顔は真っ赤になっていた。
青木 朝陽
堀田 奏多
やばい
青木 朝陽
青木 朝陽
『可愛い顔をするのをやめてくれ』
俺、おかしくなる
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
朝陽はスタッとその場に立ち上がった。
青木 朝陽
堀田 奏多
奏多が通話しているところを朝陽はじっと見つめていた。
……やっぱ嫌だ
堀田 奏多
そして朝陽はそのスマホを取り上げ、携帯の電源を切った。
堀田 奏多
青木 朝陽
梓と薫と合流したくなかつた。
このまま、2人の時間を過ごしていたかった。
堀田 奏多
堀田 奏多
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
朝陽は奏多に携帯を戻した。
堀田 奏多
青木 朝陽
その時、ピュ〜っと音を立てて花火が空に上がった。
青木 朝陽
パーンパーンパーン…
堀田 奏多
朝陽は花火を見つめる奏多の横顔を見た。
青木 朝陽
去年はお互いに彼女がいて見れなかったんだよな。
青木 朝陽
堀田 奏多
すると、奏多は朝陽の方を向いて目を丸くさせた。
こっち見てくれた…!
青木 朝陽
無意識にもそう発していた。
堀田 奏多
青木 朝陽
奏多、ごめん
俺、勘違いするわ
朝陽は手を奏多の手に絡めた。
堀田 奏多
奏多はギュッと朝陽の手を握り返した。
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
すると奏多は乱暴に手を振り払った。
青木 朝陽
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
堀田 奏多
マジか
堀田 奏多
こいつ、なんで泣いてんだよ
青木 朝陽
俺が勝手に手を握ったからか?
堀田 奏多
青木 朝陽
どんな理由でも、奏多が泣いているところは見たくない
朝陽は奏多をギュッと抱き寄せた。
堀田 奏多
青木 朝陽
ドクンッドクンッと心臓の音が聞こえる。
俺の音なのか、奏多の音なのかも分からない…。
堀田 奏多
すると、奏多は朝陽の胸に手を当て、互いの体を離した。
堀田 奏多
青木 朝陽
え、いやなんで
どの流れでそうなったの
堀田 奏多
やっぱり俺が手を握ったから?ハグをしたから?
堀田 奏多
でも、俺は……
青木 朝陽
奏多と離れたくない
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
堀田 奏多
……そっか。
俺は奏多にとって迷惑な存在なんだな
そりゃ、親友同士で手を繋いだり、ハグしたりなんて気持ち悪いよな
なんで気づかなかったんだよ
馬鹿だろ俺
俺、自分のことしか考えてなかった
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
これが奏多のためだ
朝陽は笑ってみたが、上手く笑えているのか分からなかった。
青木 朝陽
青木 朝陽
また出てしまった
俺の逃げる癖。
青木 朝陽
青木 朝陽
朝陽は奏多から背を向け、人混みの中へと歩き出した。
堀田 奏多
後ろから奏多の声が耳に入ったが、朝陽は歩みを止めることはなかった。
青木 朝陽
青木 朝陽
まじ消えてえ…
パーンパーンパーン…
あー。くそうるさい花火
こんな時に、花火なんて聞きたくねーよ…
朝陽はその場にしゃがみこみ、耳を塞いだ。
夏休みが明け、いつもの日常が戻ってきた。
俺と奏多はお互いに関わろうとしていなかった。
薫にも梓にも仲直りしろと説得された。
でも、これは仲直りとかできる問題じゃないんだよなと、奏多と話す機会から逃げ続けた
そして、ある日の昼休み
青木 朝陽
朝陽はクラスメイトからのお昼ご飯の誘いを断り、廊下へ出た。
青木 朝陽
ふと朝陽は窓に視線を移した。
青木 朝陽
中庭にいたのはベンチに座って話をしている奏多と桃山だった。
なんであの二人が……
二人は終わった関係だろ!
青木 朝陽
青木 朝陽
青木 朝陽
『復縁』か?
青木 朝陽
青木 朝陽
青木 朝陽
奏多と桃山が別れた原因は『俺』だって言ってたし…
だから花火大会の時も『ムカつく』って言ったんだな
青木 朝陽
青木 朝陽
それから俺は、奏多と関わらないと心に決めた。
だから……。
奏多は朝陽の腕を掴んだ。
青木 朝陽
堀田 奏多
堀田 奏多
堀田 奏多
青木 朝陽
パシッ…。
堀田 奏多
朝陽は少し乱暴に奏多の手を振り払った。
青木 朝陽
青木 朝陽
こいつは俺じゃなく、桃山が好きなんだろ
だったら、俺に構うなよ…
堀田 奏多
堀田 奏多
青木 朝陽
これでいいんだ
青木 朝陽
堀田 奏多
堀田 奏多
青木 朝陽
奏多が幸せになって欲しい、それは本音だ。
青木 朝陽
堀田 奏多
堀田 奏多
青木 朝陽
俺は奏多から背を向け歩き出した。
俺多分、今すげー顔してる
こんな顔、見られたくない…
黒井 薫
やべ、見られた…
青木 朝陽
黒井 薫
その後、桃山に話しかけられ、『復縁』はしないのだと知った。
桃山 美結
桃山 美結
青木 朝陽
青木 朝陽
桃山 美結
そう言い残し、美結は歩いていってしまった。
青木 朝陽
朝陽の頭の中には薫の顔が浮かび上がった。
青木 朝陽
でも、美結と奏多が復縁しないなら話は別だ
俺は奏多が好きだ
次は、絶対逃げない
俺が逃げることをせず、追いかければ必ず奏多はそこにいる
そう思ってた
廊下の奥で奏多と薫が話している姿が見えた。
青木 朝陽
青木 朝陽
そう呼ぶと、奏多は瞳を揺らして朝陽の方を見た。
青木 朝陽
堀田 奏多
朝陽は奏多の目の前で息を整えた。
今なら、言える…
青木 朝陽
その時、隣にいた薫が奏多の腕を引っ張り、自分の方へと寄せた。
堀田 奏多
青木 朝陽
黒井 薫
黒井 薫
薫はそう言うと奏多の手を引いて廊下を歩いていってしまった。
青木 朝陽
いや、止めろよ俺
俺も奏多の腕を引いて対抗しろよ
マジで俺ってクズの弱虫だ…
追いかければ奏多は待ってくれていると思ってた
だけど、俺よりもっと奏多のことを追っかけてるやついたんだよな
青木 朝陽
青木 朝陽
いや、そんな弱虫でクズのまま終わりたくない…
朝陽は覚悟を決めて奏多たちの向かっていった方に歩き出した。
青木 朝陽
すると、目の前に梓が飛び出してきた。
青木 朝陽
多田 梓
多田 梓
多田 梓
多田 梓
青木 朝陽
青木 朝陽
桃山 美結
すると、美結がこちらに歩いてきた。
桃山 美結
桃山 美結
青木 朝陽
多田 梓
行こうとする朝陽の腕を梓を掴んだ。
青木 朝陽
多田 梓
青木 朝陽
そんな悲しそうな顔しないでくれよ
桃山 美結
桃山 美結
青木 朝陽
多田 梓
なんだよこれ
俺はどっちを選べばいいんだよ
青木 朝陽
青木 朝陽
青木 朝陽
多田 梓
桃山 美結
青木 朝陽
多田 梓
そういうと梓は教室に戻っていってしまった。
そっか。アイツ今当番の最中なんだ…
梓も良い奴だよ本当に
友達のためにこんな一生懸命になれるとか、すごいよマジで…
桃山 美結
青木 朝陽
青木 朝陽
桃山 美結
桃山 美結
桃山 美結
青木 朝陽
その通りだ。
だからこそ、言い返せない…
桃山 美結
桃山 美結
すると、美結から小さな鍵を渡された。
青木 朝陽
桃山 美結
青木 朝陽
桃山 美結
青木 朝陽
桃山 美結
美結は朝陽の背中をグイグイと強く押した。
青木 朝陽
青木 朝陽
桃山 美結
青木 朝陽
タンタンタン…
朝陽の足音だけが東棟の校舎へと響き渡る。
青木 朝陽
俺ってホント、とことんクズ
桃山の言う通りだ
人のことは簡単に信じて、裏切られたらその人の責任にする
俺はいつも安全地帯にいるんだ
青木 朝陽
奏多ともっといたいからって、告白をなかったことにして奏多を悩ませた
俺はきっと、本当に性格が悪いんだと思う
そう自覚しているけれど、奏多を好きなのは辞められなくて
何も行動を起こしてないのに、奏多が横にいて欲しいと思っている
こんな奴、俺だったらすぐに見放して切り捨てるだろうな
俺は奏多に嫌われているのかな…
カチャリ。
朝陽は準備室のドアの鍵を閉めた。
堀田 奏多
その時、遠くから走ってくる奏多の姿が見えた。
青木 朝陽
なんで…っ!?
堀田 奏多
青木 朝陽
もしかして、探しに来てくれたのか
こんな俺を?
堀田 奏多
堀田 奏多
堀田 奏多
青木 朝陽
でもどうせ俺は……
青木 朝陽
あ、俺また逃げようとした…
青木 朝陽
奏多が俺を探して、俺を追っかけてきてくれた
俺も、自分の気持ちを話したい…
奏多の幸せを願ってる。それは本音だ
でも、本当は『俺が』幸せにしたい
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
え、何をそんなに驚いてんの…
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
青木 朝陽
青木 朝陽
堀田 奏多
青木 朝陽
堀田 奏多
堀田 奏多
堀田 奏多
初めて好きな人に告られた
しかもそれは、同性の親友だった。
⚠️作者からです⚠️
今回長くなってしまって非常に申し訳ないです…! ここまで読み続けるの大変だったと思います🥲 朝陽の視点でひとつの物語にまとめようと思ったら、意外と長くなってしまいました…! ほぼ1話からのストーリーが朝陽視点で描かれていただけなのでそんなに面白くなかったと思いますが笑 コメントなどや、♡などありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです! ぜひこれからも沢山してください🫶 次回完結の予定です! 作者からも一言! 完結はやい!!
コメント
2件
凄い!手大丈夫ですか?いつでも良いのでつづき待ってます!!