赤side
ジェルくんの言葉に息を呑んだ
橙
そりゃあ…驚くでしょう…
突然そんな事言われたら、誰だって驚くでしょうに
でも、そうなるとなんでころちゃんはあんなに怒って…
橙
ジェルくんは俺の心を読み取ったように声を出した
橙side
俺たちはとても仲良しだった
何処へ行っても、何をしていても
『ずっと一緒にいようね』
小さい時に約束した通り、裏切るなんて事はしなかった
あの日までは_…
ある日、突然届いた1通の黒い封筒
毎日のように届く封筒を、その度にそれはゴミ箱へと向かった
だが数週間経っても届き続ける封筒がどうしても気になって開けてみると、その内容は
『1週間以内に仲間にならない限り、お前の親しい奴全員殺してやる』
当時は嘘だと思い、その手紙もゴミ箱の中へと入れられた
その日以来手紙が来る事はなくなり、本当にただの悪戯なんだなと思っていた
1週間後、手紙の存在すら忘れかけていた時だった
家に帰ると両親が殺されていた
部屋中が血まみれになっており、先に帰ってきたころんは床に座り込んでいて全身を震わせながら声も出すことなく大きな目から涙を流していたのを覚えている
2人だけになった俺らはいろんな家を転々としていた
時には暴力もあったが、長居をすれば追いつかれてこの人達も、ころんも殺されるだろう
1週間、3日、下手をすれば1日で家を移る事もあった
半年の時間がかかった
全ての準備が整って俺は親切だった家の人にころんを頼んで、ころんを置いて出て行った
赤side
橙
橙
赤
赤
橙
橙
その時、ジェルくんは苦虫を噛み潰したような表情を見せながら言った
橙
橙
ジェルくんは湧き出てきた怒りを抑えるように拳を強く握っている
橙
橙
赤
橙
赤
こういう時なんて言ったら良いか分からない
ただ1つ思ったのは、本当にころちゃんは怒ってるだけなのか
もっと他に感情があるんじゃないかと思った
だってあんな過去があって怒ってるだけだったら、ころちゃんはとっくに手を出していると思う
赤
その時重く閉ざされたドアが開いた
青
ころちゃんはジェルくんを見るなり眉を顰めて声が低くなったのを感じた
ジェルくんもジェルくんで、罰の悪そうな表情をしている
青
俺の手を掴んで踵を返すころちゃんを後ろに体重をかけて引き止める
赤
青
青
赤
青
俺を傷つけないようにしているのか少し優しげに、でも少し声を張り上げて言うころちゃん
赤
そう言うところちゃんは少し目を開き、そっぽを向いて言った
青
赤
橙
橙
橙
その言葉を聞いてころちゃんの手からゆっくりと自分の手を抜いて屋上を出た
赤side
だんだん冷えていく頭に思い浮かぶ言葉
''逃げたら、もう戻れないかもしてないよ''
よくもまぁ、自分が言えたものだ
赤
小さく呟いたものは誰もいない廊下に消えていった
黄
赤
赤
黄
赤
俺の返事を聞くとるぅとくんは1度頷き俺から離れていく
小さくなっていく後ろ姿に手を振って、また1人になった俺は微かに聞こえてくる授業中の先生たちを声を聞きながらゆっくりと歩き出した
ふと窓に移る自分と目が合う
冷たい窓に触れて、向こうの自分の頬を触れる
赤
俺はその場から去り、生徒会室へと向かった