主
主
主
主
桜
朝起きて伸びをする。
カーテンの掛かっていない剥き出しの窓から覗く朝焼けの光が眩しい。
もう...此処に居場所はないんだな...
少し涙が出てきて、布団でごしごしと強く拭った。
“未練たらたらじゃん”
自分でもそう思う。
桜
気分転換に散歩でもしようと、黒いパーカーを着た。
フードを深く被り、マスクをつける。
桜
欠伸をして伸びをする。
いつもの商店街には行けないな、と寝起きの少しぼんやりとした頭で考える。
どうしようかとスマホのマップを開くが、使い方が分からない。
桜
適当に矢印の示す方向に歩いてみる。
桜
謎の路地裏へ来てしまった。
元の道へ戻りたいが、スマホの充電が切れた。
桜
絶望した俺の前にはいつの間にか、男が二人立っていた。
えんどう
桜
えんどう
焚石
えんどう
えんどうにマスクとフードを剝ぎ取られる。
桜
焚石
じろじろと見られて嫌な気分にならない奴はいない。
桜
腰を少し下ろし、重心を下に据えて思い切り拳を振るう。
パシッという音を立てて拳を止められる。
焚石
桜
焚石
えんどう
桜
焚石
頬を片手で抑えられ、無理矢理焚石の方向に向かされる。
桜
こちらをじっと見つめてくる焚石の瞳は美しかった。
桜
思わずそう言ってしまうほど。
深い深い赤に飲み込まれそうだ。
綺麗だ。本当に、綺麗だ。
えんどう
思考を無粋な声に遮られていらいらしながら言った。
桜
えんどう
桜
えんどう
どうせ「お前がやったんだろ?」とか言うんだろ?
そんなんだったら黙ってろよ...
そう思っていた瞬間。
えんどう
焚石
桜
桜
えんどう
瞳から、ぽろぽろと涙が溢れてきたのが分かった。
えんどう
焚石
えんどう
桜
桜
信じられるのはこんなに嬉しいものらしい。
焚石
桜
焚石
桜
コメント
2件
続決まってます!