テラーノベル
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ゴンザレス
251
零 乃
8
それはそれは小さな女の子 花から生まれ胡桃をベットに花びらの布団で寝るほど小さな女の子 「僕のお嫁さんになってよ」 動物たちから愛された女の子は…
コンコンコン
馨
眠い目を擦り四季は眠気まなこで返事をする
馨
四季
馨
ガチャガチャとドアノブが回される
馨
四季
布団を這いずる いつもならすぐにベットから出れるのに…なんだかやけに広い… いや広すぎる!? 脳が覚醒していく
四季
目の前に広がるのは果てしないシーツの海 枕らしき山脈にバカでかいスマホ
四季
スマホが振動しけたたましい音楽が流れる
四季
地面のシーツから地震のような揺れが伝わり立っていられず思わず膝を折る
四季
四季
叫んでも声は届かない
馨
四季
馨
ドアからピッキングの音が聞こえる 四季はシーツの上を全力で走ってどうにかスマホまでたどり着き電源ボタンの出っ張りを両手で押し込む 画面が明るくなりロック画面が開かれた スマホによじ登り暗証番号を小さな手で入力する
四季
画面を歩き電話のアプリを開く 最新の着信履歴一覧から「練馬 馨さん」を探す
ガチャリ…
馨
馨は掛け布団をぱさりと捲る 四季には突風が吹いたような感覚だ 身を屈める
四季はどうにか通話ボタンを押す
ぷr…
馨
ワンコール聞かずに即出だ…すごい…
感心している場合じゃない 次はスマホの端まで行ってマイクがある場所で大きな声で喋る
四季
馨
四季
馨
キョロキョロと馨は顔を動かす
四季
馨
四季
馨の目線がベットにうつる 枕退けてようやく目線が会う
馨
四季
馨
四季
コンコンコン
真澄
馨
真澄
ガチャリ
真澄
馨
馨は部屋に入り真澄の使う机に親指サイズの四季を乗せる
四季
ぶんぶん手を振るちいさきいのちに目を丸くする
真澄
馨
馨
真澄
馨
真澄
真澄のスマホと馨のスマホを通話状態にし真澄のスマホをスピーカーにする 馨のスマホにはマイク付きイヤホンを取り付け四季のそばに置いた
四季
真澄
四季
真澄
四季
上目遣いで真澄の顔を見上げるちいさきいのち 思わず眉間を抑える
バァァァァン!!!
ドアを開ける衝撃で四季の体が浮き上がる こてんと尻もちをついた その姿を見てキュートアグレッションを起こしそうになる真澄はその矛先をドアを乱暴に開けた馬鹿な同期に向ける
真澄
花魁坂
真澄
四季
花魁坂
四季
花魁坂は真澄の机に近づく 真澄はさっと両手で四季を囲うように隠す
花魁坂
真澄
花魁坂
真澄
真澄は花魁坂の脛を片足で蹴り近づかせないようにする 花魁坂はすこしぶーたれて部屋から出ていくと少しして今日の食堂で配給された朝飯をおぼん事持ってきた その後から無陀野とお茶を片手に持ってきた馨が入ってくる
馨に言われようやく両手を解放する 隊長の机と中央に置かれた長机では距離があると無陀野に指摘され真澄は渋々四季を手のひらに乗せ移動する
四季
四季
花魁坂
無陀野
四季
四季はお盆を指さす
真澄
四季
四季はうんしょうんしょとお盆を登り始める しかしつるると滑ってころんと転がる
四季
お願いと上目遣いで見上げてくる 馨は鼻を抑え 無陀野は天を仰ぎ 花魁坂は胸を抑えながら悶えている 真澄は目をつぶって口元を手で隠す 悶える4人を見て四季は1番安全そうな人を指名した
四季
自分を指名してくれた嬉しさ半分このちいさきいのちに悶えそうになる気持ち半分… 可愛いんだよ… クソ可愛い… 可愛すぎて堪らないんだ 可愛すぎてぎゅっとしてぷちっとしたくなるくらい可愛い… あの拷問耐え抜き隊長にまで上り詰めた俺だったから我慢できたけど副隊長だったら我慢できなかった
真澄
四季
震える手でスプーンを握りシチューを乗せる この大きさだとゴロゴロと入ってる肉や野菜は口に入らない…米を少量すくう 四季の目の前に差し出す
スプーンんの縁を両手で掴み 白いルーに口をつける 米粒を手に取り何回かに分けて口へ運ぶ 本当にスプーン1杯分 それも完食出来ずに四季は身体を離す
四季
無陀野は四季の口の周りや手にべっとりとシチューが着いてるのに気が付きハンカチを出す すると四季はハンカチへ駆け寄ってもふりと顔を押し付ける
四季
無陀野
無陀野はぽつりとこぼす
真澄は四季が食べたシチューが残るスプーンを自分の口に運びお盆に返す
真澄
四季
花魁坂
無陀野
馨
真澄
四季
真澄は親指をテーブルに立て四季はそれに寄り添うように立つ
真澄
四季
無陀野
馨
花魁坂
四季
四季は真澄の親指に背を預け胡座をかいた
真澄
四季
真澄は舌打ちをし手の形を変える 手を開き手のひらをテーブルにつける
真澄
四季
四季は真澄の親指と人差し指の間背もたれのようにして座る 小さいが確かにそこに居て温もりを感じる
花魁坂
四季
花魁坂
四季
無陀野
四季
無陀野
真澄
クッ…と負けた…と2人は顔を背ける
真澄
大人3人は同じことを考えていた 「今日の真澄は機嫌がいい」 「今日のまっすー機嫌いいじゃん?」 「今日機嫌いいですね真澄隊長」
一通り話終わると四季はふむふむと話まとめる
四季
真澄
ふんと真澄は鼻を鳴らす 驚いたのは無陀野だった 覚えの悪いあの馬鹿(言い方が悪い)にちゃんと話を理解させている… もしかしたら教師の俺よりも教えるのが上手いのでは?…と
馨
カラカラカラ…と移動式のホワイトボードを出す
馨
花魁坂
真澄
花魁坂
花魁坂少し髪を整え渾身のイケメンスマイルで四季に手を差し伸べる
花魁坂
四季
真澄
馨
花魁坂
花魁坂
無陀野
四季
無陀野
真澄
馨
無陀野
四季
無陀野
花魁坂
無陀野の肩をバシバシと叩きながら大笑いをする花魁坂ととてつもなくショックを受けている無陀野
無陀野は実の所四季を他の生徒よりも気にかけ大事に大事に囲っていたのだ 鬼神の子だからという訳ではない 最初の動悸はそうだったかもしれないが今は違う 庇護欲から生まれた…愛だった 恋人にしたいとか恋愛したいとかそういうものではないそれをも超えた先だ 無陀野にとって四季は「愛し子」 変な虫がつかないように守り 健全に生きて欲しいと願う まぁ少しの下心としてどうしても結婚ができないだとかパートナーがほしいとか言い出して無陀野が認めるような人物を連れて来れなかった場合は責任を取って最後まで面倒見る計画だ つまりは「最終的には俺を選べばいい」という事だ
無陀野
四季
真澄
四季
真澄
四季
真澄は空いてる方の指で四季の顔をむにむにと触り遊ぶ
真澄
四季
真澄
馨
四季
馨
真澄
四季
四季は2人の顔を何度も何度も見比べ 口に出そうとするが喉奥で言葉が詰まり上手く出ない 2人とも四季がどっちを選んでも後悔はない それは互いに四季をどう想っているか解っているからだ そして今後も四季に胸の内の恋心を明かすつもりもない それに四季が自分以外を選んだとして自分が持つ四季への愛情は変わらないからだ だがもし自分を選んでくれたら…好きだと…愛してると自分だけに示してくれたら… 淡い期待はあれど、四季の意思を尊重したい どんな結果であれそんな四季を全て愛してるからだ
真澄
真澄は自分のスマホを回収しポケットに入れる
真澄
四季は不安そうに頷く 真澄は無陀野と花魁坂を追い出しながら部屋から出る 馨もその後に続く
四季
四季
さっきまで背中にあった暖かい温もりが残る机を撫でる
2人は互いに別々の部屋で仕事をしていた 示し合わせた訳ではない 一緒にいて相手が呼ばれた時 きっと酷い顔をしてしまうと思ったからだ 感情を無闇に表に出すな常に冷静でいろ そう言い聞かせてもショックを受ける時は崩れてしまうだろう 四季のことなら尚更だ 四季は自分を選ぶ… そんな自信はない だけどどうか自分を選んで欲しい 願いは静かな部屋の中に浮かんでは消える
ペンを走らせる音 時計の秒針の音 紙が擦れる音 やけに脳に響く 求めていたのは他の連絡と四季を区別する特別な着信音
暗かった画面が光る スマホが震え 四季が好きだと教えてくれた曲のサビが鳴り始める 画面にはこちらに顔を向け太陽のように眩しく笑う四季のアイコンと「一ノ瀬四季 2/4」の文字 ケツに付いている数字は「絶対祝ってくれよ」と言われて連絡先交換時に無理矢理付け足されたもの スマホを撫でるように通話ロックを解除し耳に当てる もう部屋から出て四季がいる隊長室へ足を向けていた 耳元から聞こえる愛おしい声に小さく相槌を打つ 通話を繋げたまま隊長室のドアを開ける
四季
にへらと笑う四季に舌打ちをする
真澄
ソファーに腰をかける
四季
真澄
四季
真澄
四季はぽぽっと顔を赤らめ顔を隠すように前髪を触る 手のひらにを四季の前に持っていくと素直に乗ってくれる ゆっくり顔の前まで近づける スピーカーはもう役割を果たせていない 四季の声は聞こえない だから一方的に話す
自分の言葉で伝えたらきっとぶっきらぼうになってしまう…素直に伝えられない気がした 真澄は童話の本にあったおやゆび姫の王子のセリフをそのまま紡ぐ
真澄
四季は茶化しもせず真剣な顔で真澄を見つめる 赤く炎のような瞳が好きだ ころころと変わる表情が好きだ 晴天の青空のような深い青の髪が好きだ 2つに並ぶ目元のホクロが愛らしくて好きだ 物怖じせずに周りから怖いと距離を置かれる俺にも突っかかってくる度胸が好きだ ボロボロになっても絶対に折れない強い心が好きだ 仲間のために涙を流し最後まで信じる意思が好きだ 全て愛してる
真澄
違う…
真澄
これは本にはない真澄の言葉だった 四季はぱくぱくと何か喋っている 声は届かない それでも何か伝えたいと思ってくれたにだろうか 真澄の親指の腹を両手でおさえキスをしてくれた
目を閉じ噛み締める 真澄が次に目を開けた時 目の前にはいつもと変わらない真澄より少し高い位置に四季の顔がある 顔を少しだけ上げてにんまりと口角を上げる
真澄
真澄
とん…と四季の胸を押し距離を開けいつもの隊長用の机へ向かい椅子に腰掛ける いつまでも動かないノロマに強めに圧をかける
四季
びくりと肩を震わせ圧から逃げるように扉から出る
四季
馨
ドアが閉まる直前馨と目が合った気がする
1人になった部屋でスマホを取り出す 連絡先の「一ノ瀬四季2/4」を「四季2/4」に変える
おやゆび姫のラスト事四季は知らない ちゃんと教えていないし 王子と姫の結婚の他に重要な要素があと2つある 1つはおやゆび姫の名前の改名 「おやゆび姫」は「マイヤ(マヤ)」という名前を貰う 2つ目はツバメの恋心 ツバメはおやゆび姫を愛していた だから結婚式のウェディング曲をおやゆび姫姫から頼まれた時引き受け悲しいけれどそれを隠し歌った 馨が部屋の前に居たってことは全部聞いてたと言うこと 擬似的なことご都合的な事だったとしてもこの瞬間は俺のもの 真澄は親指の腹に口付けをする
真澄
廊下の方からタッタッタと元気な足音が近づいてくる 真澄はドアに視線を移す 少しだけ口角が上がり口を開く準備をする
コンコンガチャリ
四季
弾けるような声と共に四季が部屋に入ってくる スゥと息を吸い 四季へいつものように眼力で圧をかける
真澄
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎⇝☂️🔫
コメント
4件

馨さん…全部聞いてたのは切ないって…泣
真澄オチかな? 内容がわかりやすくて凄い!