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サトジク
サトジク。四方が白い壁で囲まれた部屋に入る
サトジク
叩いても衝撃が吸収され、大声を出しても自分の声すら届かない
サトジク
言葉とは裏腹に落ち着いているサトジク
サトジク
その部屋にはベッドもあり、食事もあった
サトジク
この部屋がいつからあり、なぜここにあるのか分からない。
実際疲れた者がこの部屋にたどり着いた事は過去にもあった
しかしこの部屋から出る事ができた者はいなかった
サトジク
どんな原理かは分からないが食材が補充されていた
サトジク
食材だけでなく新しい本やゲーム機が次々と部屋に入り込んだ 。そしてそれは毎日続いた
サトジク
サトジク
読書も執筆も捗った。最初のうちは。しかし無限の時間と何からにも追われない生活は虚無感しか生まなかった
サトジク
サトジク
全てが用意され欲求が満たされる部屋は
孤独だ
最初はここから出たいと思っていたサトジクだったがそのうち「出ても自分の居場所がないのではないか」と思う様になり、出たいとすら思えなくなった
その想いが、壁を強固にした
攻め込まれるスープ公国
メト
笑いもち
ぽっぴー
ミリィ
赤服オアフ
どこも戦況は厳しかった。相手が多いと言う事もあるが戦闘員が戦闘に集中しきれていない
みんなスープ公国を守りたいと思いつつも力を出し切れずにいた
メト
スープ
サブレが配られる。各隊雄叫びを上げた。士気が上がり劣勢は解消された
しかし長くは続かなかった。どの隊もすぐに攻め込まれた
スープ
スープ女王と金星事務総長の右腕の娘である冬はマブダチ。そのためスープ公国のピンチには駆けつけてくれる
が、電波が悪く応援要請は届かなかった
スープ
メト
メト
栄治
ザー神
楓神
栄治
司令官メトはみんなの士気を上げる可能性がある男、「サトジク」の捜索願いを出した。
メト
三人は2分でサトジクの居場所を突き止めた
ザー神
楓神
サトジクは四方を白い壁で覆われた空間にいた。空間は4畳半程度で中は見えない。それでもみんなサトジクがそこにいるのが分かった
が、そこには入口がない。どうやって入り込んだのか、中でどう過ごしているのか分からない。分かるのはここにサトジクがいると言う事だけである
栄治
ザー神
ザー神はどこから取り出したのか身体の倍ほどもするデスサイズ(死神の大鎌)を取り出し壁に向かって振り下ろした
華奢な体からは想像つかないくらいのえげつない速度で壁に突き刺さる。が、突き刺さるだけで壁はびくともしない
楓神
楓神は息を大きく吐き、壁を睨み身体を大きく旋回させ後ろ回し蹴りを浴びせた
凹みはするが壁は衝撃を吸収し元の形へと戻っていった
二人は何度も壁を攻撃した。ザー神は手から、楓神は足から血が流れていた
ザー神
楓神
ザー神がデスサイズを振り下ろし、壁に刃先をめり込ませた。楓神はめり込ませた刃の逆側を勢いよく蹴った
今までびくともしなかった壁からかけらが落ち、中と外を結ぶ微かな穴が生じた
ザー神
楓神
栄治
栄治は穴に向かってゆっくり話し始めた。長いようであり、短い様でもあった。
しばらくたち、壁が
崩壊した
サトジクの姿を見たザー神と楓神は緊張の糸が切れ、深い眠りへと着地した
栄治
それはスープ公国中に響かせることの出来る拡張機だった
サトジク
メト
笑いもち
ぽっぴー
ミリィ
赤服オアフ
スープ
サトジクの声を聞いた国民は
士気を上げ盛り返した。魔の手からスープ公国を守り抜いた
後日談
栄治に「サトジクと何を話したのか?」と問いかけても「忘れた」としか帰ってこない
細かく聞くのは無粋なのかもしれない。いや、もしかしたら口にするのも恥ずかしいくらいのどうしようもない話をしていたのかもしれない
いずれにせよサトジクには「自分の居場所は確実にある」と言うのが伝わったのだろう
そしてサトジクの声を聞いたことでみんな同じ思いを抱いたのかもしれない
スープ