叶
はぁ〜……
深夜1時
葛葉の家からの帰り道
泊まっていけば?って 葛葉には言われたけど
歩きたい気分だからって断った
バレたら補導対象になるし
反省文書かなきゃいけないらしいけど
要はバレなきゃ良し
フードを被り、鞄を隠し
これでバレない
まぁ早く帰るに越したことはない
少し早歩きで
明るいネオン街を歩く
でも
??
スッ
叶
ーー!!
綺麗な女の子を見た
叶
あの!!
咄嗟に声をかけた
けど
??
スタスタ
見向きもされなかった
叶
〜〜あの!!
走って追いつき、 今度は腕を掴んで声をかける
流石にこちらを向いた
??
何?
改めて近くで見ると綺麗な子だった
オーバーサイズのパーカー
その服から覗く白い肌
短パンからスラリと伸びた白い足
まるでモデルのようだ
??
ねぇ、何?
叶
あっ、と……
咄嗟に声をかけたが、 何を言ったらいいのかわからない
叶
僕は叶って言います
叶
君の名前は?
名前が知りたい
それは、本心だったと思う
??
なんで?
叶
えっ
??
なんで知らない人に名乗らないといけない訳?
??
じゃ
そう一蹴され、身を翻し ネオンの街に消えていった
その場に僕をポツンと取り残して