どれ位だろう。 只、手を繋いで走った。 灯りの有る場所に行けば、身長差は然程無い君の美しい顔が良く見えた。 真っ白な髪、真っ黒な目、 全ての虜に成ってしまいそうだった。
周りの人
周りの人
周りの人
周りの人
直には言われてないが、沢山の言葉が耳に入った。 けど、お互いを愛し合えた今、真に受ける事は無かった。 君は少し耳を塞いで、苦しそうに口で息をしていた。 ぎゅっと、握って来た君の手を、ぎゅっと握り返した。
依
大丈夫だよと、耳元で言ってあげたい。 でも、何故か勇気が出なかった。 自分の弱さが恥ずかしかった。 目の前の子に、何もしてあげられない。
憑
無言の時間は辛かった。 君がとても苦しそうで、 でも、してあげられる事なんて___。
憑
依
優しくするつもりだったが、自分もこの時間に耐えられなくなって、 思いっきり手を引いてしまった。 少し暗い路地裏。 淡くてぼやけた光の中で、戸惑った君が美しかった。
力いっぱい手を引かれ、薄暗い路地裏へ入った。 驚いて、うずくまってしまった。 憑は、見惚れているかの様に、一点を見つめていた。
依
憑
依
其れしか、言える事が無かった。 我に帰った様な顔をして、憑は隣に座った。
依
私をずっと見ている。 幸せそうな目をしている。 私は少し、恥ずかしくなった。
依
小さい声で訊いた。 憑は、少し驚いた顔をして、笑顔になった。
憑
憑
私は特別美しい訳じゃ無い。 だから理由には納得出来ないが、 私も、もう少し此の儘で居たい。
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