"愛"を知らない俺達は。season１【完結】

小さい頃、俺は…

愛されてみたいと思っていた。

でも、心の奥では

"愛"って何だろうって。

お父さんは、女を部屋に連れ込む。

俺が居ると、邪魔だって。

いつも外に出すんだ。

毛布とかも渡さず、そのままで。

寒かった。

ううん、寒い。

冷たい風が体に当たる。

風呂上がりで髪を拭いている途中に外に出されたから、髪も寒い。

寒い。寒い。寒い。

ほとんどは雨。

雨と冷たい風と冷たいからだ。

冷たいパラダイスだ。

あ"ー…

"愛"ってなんだろう？

"幸せ"が愛なのかな？

"愛情"が愛なのかな？

そんなの分かるわけねぇじゃん…。

感情が分からないんだから。

どんな気持ちがどんな感情なのか分からないんだから。

恋人が出来たら、"愛"が知れるのかな？

なわけないか…

そんなたった１つの事で

人生変わるわけないし。

"愛"なんて知れるわけないか。

まぁ、今更"愛"を知っても

意味無い

俺は居場所は学校にあった。

家にはお父さんがいる。

何されるか分からなくて怖い。

そんな居場所の学校も最近は行きたくなくなった。

"大人"がいるからだ。

何も考えてないガキ共がいるからだ。

ほのぼのと平凡に幸せに生きてる奴がいるからだ。

そんな奴を見ると、自分が醜く見えて嫌になる。

全てが嫌になる。

自分が嫌いになる。

ある日、先生はある事を言った。

先生が問う。

"愛"…？

そんなの知らねぇよ。

"愛されたこと"ないんだから。

"愛"は何なのか知らないんだから。

先生は攻める。

知らないんだよ…

皆、俺を見る。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

話したくない。

何でお前ごときに相談などしないといけない。

そう言うと先生は顔を真っ赤にして教室を出ていった。