最近、例のお方をお見掛けしない。書店へ来ると、どうしても彼のことを気にかけてしまう。
名前をお尋ねする前に去っていってしまうんだもの…。まるで、小説が山場で終わってしまったような気持ち。続きが気になって仕方がない。
「……あッ!?」
少し遠くから声が聞こえ、振り向く。
私
何冊か本を抱えた例のお方が、眼を大きく見開き静止してる。
私
草薙理解
少し駆け寄ると、彼の白い肌が赤く染まった。
私
草薙理解
私
私
草薙理解
私
草薙理解
私
草薙理解
私
草薙理解
私
もどかしくも心地よい空気が流れる。 これまでの人生で、こんなにも綺麗な言葉を使う男性に出会ったことはなかった。
私
草薙理解
私
草薙理解
私
草薙理解
大声を出す彼。誘うには早すぎたかな…?
私
私
草薙理解
引かれなくて良かった。女性が苦手な方に、突然距離を縮めすぎてしまった……反省。
草薙理解
ビシッと掌を上げ、ガチガチとした挙動で彼は去って行った。
私
連絡先を聞きたかったけど、あの様子だともう少しお話してからの方が良いだろうな……。
それよりも、お茶の約束に心が踊る。次何時会えるのかは分からないけれど、運命任せというのもロマンティックで素敵。