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朱

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23 - 朱

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2021年03月28日

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はっきり言って、俺は過去なんざ思い出したくなかった。

思い出させてほしくなかった。

確かに俺は蝶舞の子孫とはわかっていた。

だけど話したくなかった。

鬼になった理由も、本名も、全て知っている。

氷銀にも、会ったことがある。

唯一信頼…信じることができる人だった。

人を喰わないのは嘘だった。

どうしてもアリス達に逃してほしかった。

あの一週間、何度逃げたいと思ったか。

でも一週間経つと案外慣れるもんだった。

鬼になってから屋敷へ向かった。

やはりあの馬鹿共は俺のことを探している。

本当は一ミリも俺のこと息子なんて思ってもいないくせに。

千年に一度の逸材だ?俺には才能がある?

そんなの関係なかった。

こっちは和食じゃない物も食べたりしてみたかったが

そんなの100%無理だとはわかっていた。

だって俺は蝶舞の子孫だから。

なんでこんな理由で好きにしていいのかはわからない。

でもあいつらが考えることだから

和を大切にしてほしいだ俺は特別だからとかだろう。

本当はみんなと同じようにしたかった。

普通に友達と遊んだりゲームしたりしたかった。

だけどそんなの叶うはずがなかった。

これは、アリス達に話したほうがいいのかな。

掘り返したくはないけど。

ジャック

…なあアリス

アリス

ジャック

話あるんだけど

アリス

良いけど、何

ジャック

いや、思い出したから

アリス

………

アリス

…やっぱりそういう事だったのか…

ジャック

本当は何もかも忘れてはいなかった

ジャック

ただ思い出したくなかったからな

アリス

で、本名は何だったの

ジャック

…………

アリス

そっちは忘れているか

アリス

まあ思い出した分良かったよ

アリス

またいつでも話は聞くから

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