医師
余命は恐らく2~3年かと思われます。
ゆうと(彼氏)
え、嘘だろ…!
医師
嘘ではありません、本当です。
ゆうと(彼氏)
余命が…2~3年…?
ゆうと(彼氏)
っなんとか…出来ないんですか…?
医師
…
医師
はっきり言ってもう手遅れです。
ゆうと(彼氏)
…!!嘘だ…
医師
残りの日を大切にしてください。
ゆうと(彼氏)
(余命、2~3年…)
ゆうと(彼氏)
(嘘だろ…こんなことさつきに言えねぇよ…)
さつき(彼女)
あ、おかえり!
ゆうと(彼氏)
(さつき…ごめん、)
ゆうと(彼氏)
った、ただいま
さつき(彼女)
医師からなんか言われた?
ゆうと(彼氏)
い、いやなんにも言われてない!これからも気をつけてってだけ
ゆうと(彼氏)
(ごめん、さつきほんとにごめんな…)
さつき(彼女)
…そっか!
さつき(彼女)
じゃあ安心だね!
ゆうと(彼氏)
お、おう
ゆうと(彼氏)
…さつき、いつもありがとな!
さつき(彼女)
え?急に改まっちゃって…どうしたの笑
ゆうと(彼氏)
え、あ、なんでもない
さつき(彼女)
そっか!
さつき(彼女)
(ゆうと、なにか隠してる…?)
さつき(彼女)
(ほんと、分かりやすいんだから)
さつき(彼女)
ん?誰かな
かける(友達)
俺だよ、遊びに来たぜ!
さつき(彼女)
かける!あがってあがって〜
ゆうと(彼氏)
お、かけるじゃん!
ゆうと(彼氏)
どうした?
かける(友達)
ゆうとに実は話があってな笑
ゆうと(彼氏)
なに?
かける(友達)
ちょっとここじゃああれだし…((チラ
ゆうと(彼氏)
あ、じゃあ外行こうぜ
かける(友達)
おう!
かける(友達)
さつき、ちょっとゆうと借りるぞ!
さつき(彼女)
あ、はーい!
ゆうと(彼氏)
どうした?
かける(友達)
お前今日病院行っただろ?
かける(友達)
なんか言われた?
ゆうと(彼氏)
…かけるには言うか
かける(友達)
なんだ?
ゆうと(彼氏)
実はな、俺の余命2~3年しかないらしい…
かける(友達)
…は?え、嘘だろ?
ゆうと(彼氏)
俺も焦って医師にもう一度聞いたら、「残り少ない日を大切にしてください。」って言われちまって…
ゆうと(彼氏)
本当なんだなって…
かける(友達)
そのことは、さつきには言ったのか?
ゆうと(彼氏)
っそ…言えなくて…言ったらさつきが悲しむから…
かける(友達)
なんでだよ!さつきはお前の彼女だろ?
ゆうと(彼氏)
…彼女だからこそ言えにくいこともあるだろ…!
ゆうと(彼氏)
さつきが悲しむ姿見たくねぇんだよ…
かける(友達)
…ゆうと、何も知らずにお前がいなくなったらさつきはどうするんだよ!
ゆうと(彼氏)
俺だって…!悲しむ姿見たくねぇし、どうすればいいか分かんないんだよ!
ゆうと(彼氏)
ちくしょうっ…なんで俺なんだよ…どうして最後までさつきと居れねぇんだよ!!
かける(友達)
っ…とにかくさつきには言えよ…
かける(友達)
このことは、俺の口からさつきには言えないからな…ごめん
ゆうと(彼氏)
わ、分かったよ…
ゆうと(彼氏)
…!(もし、かけるが俺に協力してくれるなら…)
ゆうと(彼氏)
な、なぁ…協力して欲しいことがあるんだけど、いいか…?
かける(友達)
俺に出来ることか…?
ゆうと(彼氏)
あぁ…お前にしか出来ないことだ…
かける(友達)
わ、分かった!
ゆうと(彼氏)
俺が居なくなった時………
それからどんどん日が過ぎていって医師に宣告された2年のとき
ゆうと(彼氏)
(あれ、今日って…
かける(友達)
おーい!ゆうと
かける(友達)
お前今日で2年じゃんか!奇跡だ、生きてるぞ!!
ゆうと(彼氏)
そ、そうだよな!
ゆうと(彼氏)
俺、まだ生きてる!なぁ、かける!俺生きてるよな!
かける(友達)
おう、生きてる!ちゃんと目の前にいるよ!
ゆうと(彼氏)
よっしゃ!めっちゃ嬉しい!
さつき(彼女)
ゆうと!
さつき(彼女)
実は今日、行きたいところがあるんだ!一緒に行ってくれる?
ゆうと(彼氏)
お、さつき!
ゆうと(彼氏)
良いよ、行こう!
かける(友達)
ん、じゃあ俺は帰るね!またね
ゆうと(彼氏)
どこに行きたいの?
さつき(彼女)
それはね、着いてからのお楽しみ!
ゆうと(彼氏)
ええー、気になる!
さつき(彼女)
さ、着いたよ!ここ!
ゆうと(彼氏)
……
ゆうと(彼氏)
え、ここって俺らの思い出の場所だ!
さつき(彼女)
そうだよ!
さつき(彼女)
私ね、ゆうとの彼女になれてとっても幸せだよ!これからもずっとそばにいてください。こんな彼女だけど、私も出来ることはするよ!
ゆうと(彼氏)
さつき…俺もさつきと居れて幸せだよ!ありがとう、ほんとに感謝してる。さつきは最高の彼女だよ!
さつき(彼女)
(ねぇ、ゆうと…ずっとずっと好きでいるよ。)
ゆうと(彼氏)
うっ…な、にこれ痛い…
さつき(彼女)
ちょっと、ゆうと!?
さつき(彼女)
大丈夫?しっかりして!!
ゆうと(彼氏)
う…ゴホッゴホッ…!
ゆうと(彼氏)
(…!血だ…)
さつき(彼女)
いやーー!!
さつき(彼女)
ゆうと、しっかりして!!
ゆうと(彼氏)
……
さつき(彼女)
ゆうと、グスッ…
かける(友達)
さつき!!ゆうとが倒れたって!?
さつき(彼女)
かける、グスッ…
さつき(彼女)
ゆうと今手術室に居るの!
さつき(彼女)
ねえ、ゆうとに何があったの…?
かける(友達)
え、あー…
かける(友達)
(あいつ、さつきに言わなかったのか…)
かける(友達)
さつき、落ち着いて聞いてくれ。
かける(友達)
ゆうとは、実は余命が2~3年しかないらしいんだ。だから…
医師
あなた方はゆうとさんのお友達ですか?
さつき(彼女)
あっ!先生!ゆうとは…ゆうとは!!
医師
実は彼は心臓病なんです…。
さつき(彼女)
え、嘘…でしょ…
かける(友達)
…さつき、本当だよ。俺、ゆうとに「さつきには言え」って伝えたんだけど、ゆうとは「彼女だから言えないこともあるだろ!」って…
さつき(彼女)
…ゆ、うと…!!どうして!!!
医師
非常に残念です…。
さつき(彼女)
せ、先生!!どうにかならないんですか??
医師
臓器を移植する手段もありますが、彼はもう手遅れなので…成功する確率ははっきり言って低いです。
医師
仮に成功したとしても、寿命は長く持たないでしょう…。
さつき(彼女)
う、グスッなんで…なんでゆうとなのよ!!
かける(友達)
さつき…
医師
どうしますか?
さつき(彼女)
…グスッ
かける(友達)
…俺は、本当は臓器移植して欲しいけど…これ以上ゆうとが苦しむ姿も見たくない…
さつき(彼女)
わ、私は…グスッ
さつき(彼女)
ゆうとに出来ることはするって言ったから…ゆうとが助かるなら私の臓器を…
かける(友達)
…!何言ってんだ、さつき!移植しても必ず成功するとは限らないんだぞ?
さつき(彼女)
でもっ…私だってもうどうすればいいか分かんないよ…!!
医師
…きっと、彼は臓器移植を希望していないと思います。
医師
僕と二人で話した時、彼は「俺はもう一度生き返ろうとは思わない。だけど、さつきはきっと怒るだろうなぁ…」と仰っていました。
さつき(彼女)
っ!!なんで、こんな時まで…私の事を…!
かける(友達)
ゆうとは、さつきに幸せになって欲しいんだよきっと…
医師
僕もそう思います。それが彼の考えだと思います。
さつき(彼女)
ゆうと、ごめんね…私がもっと早く気づいてあげれば、こんなことにならなかったのかな…!!
かける(友達)
さつき…実は俺、ゆうとに頼まれたことがあったんだ。。
さつき(彼女)
…え、頼まれたこと…?
かける(友達)
そう、ゆうとの家行って部屋見ておいで。
さつき(彼女)
…分かった…
さつき(彼女)
…え、これ…
さつき(彼女)
手紙…?
今、この手紙を読んでるってことは俺はもう居なくなっちゃったのか…
俺、さつきと出会えて嬉しかった!最高の彼女だったよ!ずっとずっと、傍で支えてくれてありがとう。それと、こんな俺でごめんね
俺はさつきに一つだけ嘘をつきました。これ以上さつきを苦しませたくないと思って…
さつきは、誰よりも魅力的で優しくて…でも3つだけ俺からお願いがあるんだ。
こんな時までわがままでごめんな…でも、俺の代わりにさつきを想ってくれてる人がそばに居るんだ。
俺らが出会った場所…覚えてるか?そこにある人が待ってるんだ。今度こそ、幸せになれるようにずっと祈ってるよ。
さつき(彼女)
あ…ゆ、うとグスッ
さつき(彼女)
ありがとう、今まで本当にありがとう!
さつき(彼女)
短い間だったけど一緒に過ごせて楽しかった。ゆうと、大好きでした!
かける(友達)
あ、さつき…
さつき(彼女)
かける…ゆうとの手紙に書いてあったのって…
かける(友達)
俺、ずっとさっきのこと好きだった。けど、隠してた。
かける(友達)
ゆうとが、さつきと付き合ってたからな…。
さつき(彼女)
え、そうだったんだ…
さつき(彼女)
私、まだゆうとのこと忘れられない。でも、それでもいいなら…
かける(友達)
…ゆうとのことはすぐに忘れなくてもいい。だけど、そんなさつきが好きなんだ。
さつき(彼女)
分かった…じゃあこれからよろしくお願いします。
かける(友達)
おう!
かける(友達)
ゆうとは、一生友達だ…いや、親友だ!なぁ、さつき!
さつき(彼女)
うん!ゆうと、今まで本当にありがとう。
ゆうと(彼氏)
(お前ら…おめでとう!)
ゆうと(彼氏)
(絶対に幸せになれよ!)
ゆうと(彼氏)
とても長くなってしまいました。最後まで読んでくれた方ありがとうございます!