ハクキリ

その日は久しく晴天だった。 すごく良い事が起こりそうな、そんな天気だった。

えっちなおねえさんが俺を取り合いでもするんじゃないか。そう妄想に耽りつつキリンは軽い足取りで大学へと向かっていた。

フェニックスは涙ながらに走り去っていった。

ちんｺは足早に大学へ向かってしまった。

通りすがりに吐き捨てられた辛辣な言葉はキリンの胸に深く突き刺さった。

モヤモヤした思いを抱えながらも部室へと向かった。

突然部室の扉が開くと同時にティラが部室に飛び込んできた。

次の日

キリンのスマホが振動する。その原因はティラからのLINEだった。

ティラは、自宅で首を吊っていた。

キリンが揺さぶったことで床に落ちる。

キリンはティラの首の血が滲む傷を傍にあった布で隠した。

ハックは座り込んでいるキリンの後ろから優しく手を回した。

その後、警察と救急車に電話し、軽い事情聴取を受けてから解放された。

しばらくして突然扉が荒々しく開く。

後頭部をハンマーで突然殴られたタブーは床に倒れ込む。

床を赤く染める血は止まる気配がない。

キリンはハックの足元にあった血塗れたハンマーに手を伸ばした。

その手をハックは…

容赦なく踏みつけた。

ハックは満面に喜色を湛えながら、手のひらに収まる程度のスタンガンをキリンの目前で揺らした。

バチチ！！という大きな電撃音。大きなものが床に倒れる音。