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りん
雨音
りん
りんはいたずらっぽく笑った。
桜夢
りん
りん
りんは友達の声を聞くなり、私から離れていった。 さっきの声の主の、りんの友達の桜夢ちゃんは、私がりんとクラスが離れた時にできた友達だ。きっと。 でも、今は、桜夢ちゃんはうちのクラスに居ないし、中学になって離れたんだろうな。私も、6年の頃は、りんと離れちゃったし。その時に、桜夢ちゃんと友達になったのだろう。 桜夢ちゃんも、りんと同様、私と違って目立っている。桜夢ちゃんだって、りんと同じような立場にいるものだ。
今回は、私に何も言わずに行ってしまった。 ⋯⋯りんにも私以外の友達なんてたくさんいるし⋯⋯しょうがない、よね。
⋯⋯りんの表情。楽しそう。 ── ⋯⋯きっと、私と話しているよりも。
りん
⋯⋯たぶん、桜夢ちゃんに何か言ってから、りんが私のところへ駆けてきた。
りん
りん
雨音
りんの言葉を遮って言ってしまった。
もしかしたら、やきもちを焼いてしまっていたかもしれない。自分が知らないうちに。自分の弱さをにぎってしまった時だった。
雨音
りん
りん
りん
りんは驚きを隠すように苦笑いしながら言った。その口調は、明らかに普段と違っていた。
それと同時に、次第に空気が重くなり、話しづらくなってしまった。なんだか気まずくなった。それも、親友との間で。 こんなことは今までで初めてかもしれないし、そうでもないかもしれない。
りん
先に口を開いたのはりんだった。
りん
ちら、と桜夢ちゃんのほうに視線を向けた。桜夢ちゃんは、なんだか少し、心配そうに見ているようにみえる。
りん
りん
最後まで無理をして笑顔をつくろうとしていたのかもしれない。いつもの本物の笑顔とは違うように見えた。私には、見えた。── 私、だから。
りんの、慌てながら去っていく様子を、あてもなく見ていた。なんだか、自分が過ちを犯してしまったようだった。 特にここに突っ立っていても誰かに声をかけられたりすることはないので、私はりんをおいて靴箱まで歩いていった。
雨音
知らずしらずのうちに、そんな不安が生まれていた。りんとの間に、低い壁ができてしまったようだった。
── しかし、私の不安は、それだけでは終わらなかった。
私が教室に入る。もちろん、今の教室にはりんはいないのだから、声をかけてくれる友達なんていない。でも、そんなことで悲しんだり悔しんだりしている暇なんてない。いつものことに悔やんでいる暇なんてないのだから。
でも、今日は、ひとりぼっちに感じてしまうのだ。
── もし、りんがいなかったら。
そんなことは、考えたことがなかった。私がりんと積極的に話そうとしなくても、りんが来てくれるのだ。 ── だけど、いまは。
雨音
思わず、親友の名前を呟いてしまった。
自分が、自分を苦しめている。自爆したのだ。 りんも辛くしてしまった。きっとそうだ。そう思うと、自分がどれだけの過ちをしたのか、わかってくる。なぜいま。もっと前に気づいていれば。りんの気持ちを考えていれば。こんなことには、ならなかったのに。
教科書やノートを取り出す手が止まっていた。無意識に。私は、今朝のことがまだ頭のなかにずっと残っている。モヤモヤが止まらなかった。
雨音
口から、深いため息が漏れた。いままでで一番、こんな深いため息をついた。
するとその時。音がした。 ── ガラガラガラ
りん
りんとした顔をした、りん、だった。
雨音
さっきの、気まずい雰囲気のなか、少し強く言い過ぎてしまった事を、伝えたかった。私は椅子から立ち上がった。 ── すると。
夏凪
先に声を掛けたのは、私 ── ではなかった。
雨音
⋯⋯声を掛けたのは、夏凪ちゃん。夏凪ちゃんは、きっと、去年同じクラスで、今年も同じクラスだったんだろう。はじめから、りんと仲が良かったから。このクラスになって。
でも、夏凪ちゃんにも友達がたくさんいる。だから、りんとも仲がいいんだろうな。私と違って。
りん
りんが、ちら、と私を悲しいような顔をしてみたような気がする。勘違いかもしれないけど。
りん
夏凪
りん
夏凪
いつもと様子が違うりん。その理由は、私だけが知っていた。
りんは、私を気にしているのだろうか。なんか、どことなく自然な対応ではない。
りん
夏凪
夏凪
りん
りんは本当に夏凪と話すのを楽しんでいるだろうか。まだ、ランドセルも背負ったままだ。いつになったら下ろすのだろうか。 私は、目を合わせず、耳だけ傾けていた。
自分の友達に、なにも言えず、言わせられるだけの会話。 りんにも、こんな一面があったなんて。 ── 私に、あんな弱さをみせることなんて、ないのにな。