テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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アンダーダンガンロンパ【創作論破】

第14話 - 【第４章】ウェディングブーケは誰の手に　(非)日常編〔前編〕

2025年01月01日

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Salvia

人は、まるで水のようだ。

熱湯になれば、何かを茹でたり、温度によっては湯船になったり、様々な使い方ができる。

ただし、熱湯が冷めたらどうだろう。ただのぬるま湯になる。飲むことはできるが、それっきり。手を洗ったりもできるが、それはお湯にもできること。

悲しいね、とても悲しい。だからこそ、世界は見出すべきなんだ。

形を変え、温度を変え、音を出し。だから僕は、名前も知らない誰かに頼むんだ。

『僕を冷水にしてくれ』───ってね。意味が分からない？今はそれでいい。 …それじゃあ、おやすみなさい。

布山佑真

……、ん……。

布山佑真

……もう朝か。…放送は聞こえなかったけど…。

布山佑真

……今は……１３時！？
ま、まずい、だいぶ寝ちゃってた…。

布山佑真

…とりあえず食堂に行かなきゃ…。

布山佑真

……流石に、誰も居ないな…。

布山佑真

…(心の声「もう、天周さんは居ない。ご飯は自分で作らなきゃだな…。」)

布山佑真

…(心の声「薇々薔さんが居ないと、静かだな…。」)

布山佑真

…(心の声「恋坂くんと松前くんの仲良しな光景は、もう見れないんだな…。」)

布山佑真

………。その４人だけじゃない…。みんな、死んでしまって…。
…寂しいな………。

天誠光

…ふわぁ〜あ…。あー、よく寝た。

布山佑真

…天誠くん？

天誠光

…あぁ、布山君。おはよ〜……。眠…。

布山佑真

…もしかしてだけど、天誠くんもずっと寝てたの？

天誠光

うん。単純に凄く眠くてさぁ…。
炉樹に起こされてやっと起きたよ…。全く、起こしてくれなくていいのにね？

布山佑真

炉樹さんに……。
ふふ、確かに天誠くんがこんな時間まで寝てたら、炉樹さんなら痺れを切らして起こしに行きそうだね。

炉樹赤葉

本当だよ、全く…天誠、疲れてたの？

天誠光

サボってばっかなんだから疲れてる訳無いでしょ？

炉樹赤葉

自覚があるならちゃんとしてよ！もう…

天誠光

はいはい、いつかね。

布山佑真

……２人のこと見てると、元気が出てくるよ。

炉樹赤葉

元気？なんで？

布山佑真

うーん、なんだろう…微笑ましい？コントにもちょっと似てるけど、夫婦漫才みたいな…。

炉樹赤葉

ふっ、夫婦…！？！？！？
誰と誰が夫婦なの！？ボク全然天誠のこと大嫌いだし！！！

天誠光

フウフダッテ〜。スゴイネ、炉樹〜。

炉樹赤葉

適当なことばっかり言って……
ご飯食べたらさっさと行くよ、天誠も布山くんも！

布山佑真

行くって…どこに？

天誠光

次の階、でしょ？

布山佑真

あっ、そうか…！また、開くんだよね。

炉樹赤葉

そうだよ。
それじゃボクが作ってあげるし、早く食べて早く行こ！

炉樹赤葉

ボクは２人が食べてる間にみんなに呼びかけてくるから！食べたら３階に来てね！

布山佑真

うん、分かった。ありがとう、炉樹さん

天誠光

ありがとう。

布山佑真

……みんな、居るよね？

瀬戸川新ノ介

おう、俺は居るぜ？

破彗霊輪

私も居る。

花湯木乃

私も居るよ。
…ふふ、点呼みたいで懐かしいね

前川來

はーい！私も居まー───

モノウサ

ボクも居るよ？

瀬戸川新ノ介

うわキモっ…！？
にゅって出てきたぞ、今…。

モノウサ

心外だなぁ…。ま、いいや。
今から次の階に行くんだよね？

閃山秋吉

…はい、そうですが。何か？

モノウサ

いや、実は階段を開けるのを忘れちゃっててさ〜…
てへぺろてへぺろ、それじゃ開けるね〜。

布山佑真

……。

モノウサ

あ、ちょっと！デリケートな部分なんだから後ろ向いててよね！

布山佑真

え、えぇ…？

言われるがまま後ろを向くと、ピコンッ！と機械音がし…

モノウサ

はい、開いたよー！

炉樹赤葉

…え、あ、開いたの…？

閃山秋吉

…開いた、っぽいですね。階段も現れてます…。

瀬戸川新ノ介

んーーー…よく分かんねぇや。グダグダ考えてても仕方ねぇし、とりあえず行くか？

花湯木乃

そうだね、そうしよっか。

前川來

次はどんな風になってるのかな？

破彗霊輪

今までの傾向からマトモに考えると、また一風変わった雰囲気の部屋に出そうだけど…。

瀬戸川新ノ介

マトモって本当にマトモか〜？
あっはは！w

破彗霊輪

は？

天誠光

…懲りないね

閃山秋吉

懲りませんねぇ…。

瀬戸川新ノ介

ん？なんだお前ら、急に静かになって。
そもそも超高校級のマトモってマジでなんだよお前〜ww

破彗霊輪

ゥるさィな黙ッてョ私はマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモマトモ……。

布山佑真

も、もうやめよう瀬戸川くん…！！

花湯木乃

ふ、ふたりとも落ち着いて…！！
破彗さんはマトモだよ…！！だから落ち着いて…！瀬戸川くんも…！

破彗霊輪

……分かった。マトモに考えたらこんなところで怒るなんてマトモじゃない。ごめん。

瀬戸川新ノ介

ん、ん…？なんでこんな空気になってんだ…？？
す、すまん？でいいのか…？？

破彗霊輪

ャッぱり反省してなィョね反省してたらすぐに謝罪が出てくるョね許さなィからィつか絶対…

前川來

ほんとに落ち着いてよ〜〜！！！

海井埼直

「大変だね」

天誠光

そうだね、賑やかで楽しそう。

炉樹赤葉

天誠にはあれが楽しそうに見えるの…？

花湯木乃

ほ、ほら！もう少しで着きそうだね…！
ね、布山くん…！

布山佑真

えっ！？う、うん…！すごく着きそう…！！

瀬戸川新ノ介

ちょっ！？
ちょっと待てよ破彗まだ俺は生きたっうわああああああああああああああっ！！！！！！

布山佑真

ここ…ショッピングモール？

炉樹赤葉

そ、それに人がたくさん…！

モノウサ

あぁ、残念だけどその人達はホログラムってやつだよ。ＡＩで偽物だから、居はするけど話しかけてもなーんの反応も無いよ。

炉樹赤葉

そ、そうなんだ…。

破彗霊輪

とりあえず、いつも通りマトモに散策しようか。

前川來

うん、そうしよっか！

布山佑真

(心の声「僕も行こう…」)

布山佑真

ここは……雑貨屋、かな？

前川來

あっ、佑真くん！

海井埼直

「布山くんもここを見に来たんだね」

布山佑真

前川さんに海井埼くん！
うん、僕もここに来たんだ。ここ、マップで見る限りは雑貨屋っぽいけど…

前川來

んー、たくさん物があるし…それで合ってそうだね！

海井埼直

「見る限り、怪しい変なものは特に無かったよ」

布山佑真

うーん、そっか…ありがとう！
じゃあ僕は別のところに行ってくるね！

前川來

またねー、佑真くん！

海井埼直

「またね」

布山佑真

わっ、クレープ……の食品サンプルだな、これは…。

炉樹赤葉

天誠天誠〜！
見てこれ、すっごいリアルじゃない！？

天誠光

そりゃあサンプルだし…
リアルじゃなきゃダメでしょ？

炉樹赤葉

もー、細かいなぁ…。
あっ、こっちのイチゴのやつ美味しそう…！食べれたりしないのかな？

布山佑真

………………

炉樹赤葉

わぁっ、布山くん！？
ごめんね、気付かなかった……

天誠光

炉樹ったら酷いね〜、さっきからそこに居たよ？

炉樹赤葉

うるさい！天誠にだけは言われたくない！
……ってまたごめん布山くん、ボク達がうるさくしちゃって。

天誠光

うるさいのは炉樹だけだよ？

炉樹赤葉

天誠も！！

布山佑真

………………
(心の声「入る隙が無いなぁ…。まぁでも、特に怪しい所もないし…大丈夫そうかな」)

布山佑真

ここ、さっきまでとは全く違う雰囲気だな…。
えーと、マップだと…保健室？

モノウサ

じゃっじゃーん！どうも、モノウサです！

布山佑真

…こっちの造花には…何も隠れてないな…。

モノウサ

ちょっと、あからさまにスルーしないでよ！こっちにも心はあるんだよ！？

布山佑真

知るかよ、そんなもの…。

布山佑真

…で、要件は？

モノウサ

無いよ！まったね〜！！

布山佑真

………。
なんだったんだ、あいつ…。

布山佑真

さて、それじゃあまた探───

花湯木乃

…わぁっ…！！

布山佑真

うわああああああぁああぁああッ！？！？

破彗霊輪

…驚き過ぎ。

花湯木乃

ご、ごめんね、そんなにびっくりするとは思ってなかった…。

破彗霊輪

私達がびっくりしちゃった。

布山佑真

あ、あはは…。びっっくりしたぁぁあ…。

破彗霊輪

面白かった、ありがとう。

布山佑真

ど、どういたしまして…？？

布山佑真

あ、そ、そうだ２人共、何か見つかった？

破彗霊輪

…花湯さんが見つけた物なんだけどね。
花湯さん、お願い。

花湯木乃

うん、分かった。

花湯木乃

あのね……これ。

布山佑真

こ、これは……。

花湯木乃

ベッドの枕に敷かれていたの。
…制作メモ、って書いてあるね。

破彗霊輪

マトモに考えれば、怪しいどころじゃ過ぎないものだと思うよ。

布山佑真

『世界の創造は進んでいる。このまま行けば、２ヶ月も経たずきっと始めることができる。』
……『復興の時間だ』。

布山佑真

世界の創造…？復興の時間…？

花湯木乃

…とりあえず、みんなの所に持っていってみようか。

破彗霊輪

うん、それがいいと思う。

布山佑真

う、うん…。

瀬戸川新ノ介

お前ら〜！
何か見つかったか？

前川來

うーん、こっちは何も…

炉樹赤葉

ボク達の方も〜…。

瀬戸川新ノ介

俺達の方もだな、うーん…

花湯木乃

…あ、あの！

閃山秋吉

どうかしましたか？

花湯木乃

私、これを見つけて…！

閃山秋吉

…！……これ……。

前川來

せ、制作メモ…？

瀬戸川新ノ介

ん？なんだこれ、厨二病か？

炉樹赤葉

いやいや、明らかにそんなもんじゃないでしょ！？

破彗霊輪

マトモに考えると、もしかして…いや、もしかしなくても、確実に黒幕特定の手掛かりになるかもね。

天誠光

そうだね…。
もしかしたら、脱出に直接関係してるかもしれないし……

天誠光

……文面から見て、もしかしたらだけど…何か、もっと深い…真髄のようなものに関わってくるかもしれない。

布山佑真

……そうだね

破彗霊輪

…お手柄だね、花湯さん。

花湯木乃

え、えへへ…。
破彗ちゃんがロッカー側を探してくれてたおかげだよ、ありがとう…。

破彗霊輪

ううん、そんなことない。こちらこそありがとう、花湯さん。

モノウサ

はいはーい、モノウサだよー！

炉樹赤葉

あっ、モノウサ！

モノウサ

ねね、さっき随分と盛り上がってたけど…何があったの？
ボク別のことしてて見てなくてさ！

海井埼直

「なにもない」

モノウサ

えー、ホント〜？

花湯木乃

…本当だよ、何も無い。

モノウサ

へぇ〜…。
まぁそれはいいとして、盛り上がるのもいいけど…もうすぐ夜時間だから、シャワーとかご飯とかも済ましておきなよ〜。

閃山秋吉

不必要な忠告をありがとうございます。
それじゃあ皆さん、行きましょう。…また明日、ですね

炉樹赤葉

うん…そうだね、また明日、食堂で…かな

布山佑真

うん。
…おやすみ、みんな。

ピーンポーンパーンポーン…

モノウサ

はーい、夜時間だよー。おやすー。

ピーンポーンパーンポーン…

布山佑真

適当だな…。
…それじゃあ、明日に備えて早く寝よう。

布山佑真

…明日、食堂で…あのメモについて、だよね。

布山佑真

……おやすみ。

───

？？？

き…………く…………。

？？？

……き…………ふ…………く…………。

？？？

起きて、布山くん…。

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