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あの頃の私はごく普通の一般家庭で 生まれ育った女の子でした
毎日始めたばかりの部活動に 朝から夕方まで励んでいる
ある日の事です、私は部活動で 試合がありまして、家にいませんでした
家に帰ったのは、 7時を過ぎていたと記憶しています
家に入ろうとしたとき、 鍵がかかっておらず、 不用心だと思いながら足を進めました
部屋に入るとそこにはーー
血まみれの部屋と、 動かぬ家族の姿がありました
息はしていないのか、確認しようと 一歩踏み出した時、パシャという音と 共に足元が濡れました
血と混ざっていますが その独特のにおいから察するに、 ガソリンだと推測しました
何故、動かないのか 何故、ガソリンが撒いてあるのか
私の家族は、死んでしまったのだろうか
父の体には、 複数刺された箇所があります
母は卵を庇うような形なので、 自殺いうわけではなさそうでした。
他殺でしょうか。それなら、何故?
父も母も優しく、 人に恨まれることはないです
人間関係で困っていることを 聞いたことはありません
それなら誰がーー
そこまで考えていた時、 黒い煙がやってきました
火事特有の、黒い煙が
誰かが火を放ったのです
私は他殺だと確信を得ました
玄関のほうから火が放たれたので、 裏口から家を出ました
玄関のほうを見ると、 家の近くに車が止まっています
バレないように返づきましたが、 車に乗り、走り去っていきました
車のナンバーを頭に記憶し、 警察に言おうと決めて
犯人の手掛かりになってくれるのを 期待して
気を張っていたのでしょうか、 私はその場に倒れ、 意識がのいていきました
その後、事情聴取で警察にこの目で見た 全てを話し、犯人は捕まりました
『幸せそうな家族だった』
「幸せそうな家族だった」
「それを見ていらついた」
「だから○した」
そんな理由で私から家族を奪った
それは、許される事なのですか?
ひとりきりになってしまった
そんな私を慰め、側にいてくれたのは 従兄弟である"優"でした
優
優
心
優は、いつだって私を守ってくれました
雨が降った日も、 野犬を目の前にした時も
家族がいなくなった日も、 私に手を差し伸べてくれました
そんな緩んだ安心から
優
心
私達は犯人の息子から刺されました
「お前らがいなければ俺の親父は 捕まらなかったんだ!!」
意味が、分かりませんでした
何故、私達が、優が、こんな目に?
優
優
どうして、優が謝るのでしょう
心
私と一緒にいなければ
私が貴方を守れるぐらい強ければ
失うことはなかった
心
心
心
心
心