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死神の婚約者

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死神の婚約者

4 - 第4話 生きて帰る事を意識するなんて

♥

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2024年06月02日

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今日もお天気が良いですねぇ…

早朝から窓拭き、床掃き

お庭のお花にお水

それから朝食の準備

それが僕の毎日

スヴェア

ん…

スヴェア

おはよう、ヨル

スヴェア

相変わらず早いな

ヨル

スヴェア様!

ヨル

おはようございます!

こちらは僕が仕えているスヴェア様

3年前にあの地獄から僕を救ってくれた僕の神様です

ヨル

あ!それ…

スヴェア

…ああ、これか…

スヴェア様は左手の薬指に着いている指輪を撫でて少し微笑んだ

ヨル

買ってきたやつですね

ヨル

凄く素敵です

スヴェア

ありがとう

スヴェア

ロザンナ様…

スヴェア

…ゴホンッ

スヴェア

ロザンナが選んでくれたんだ

ヨル

!!

ヨル

それは凄く良い事ですねぇ〜!

スヴェア

……ああ

恥ずかしそうに顔を背けるスヴェア様

あの方がこの屋敷いらっしゃってからスヴェア様は表情が豊かになりました

とても喜ばしい事です

ヨル

いつまでお仕事はおやすみなんですか?

スヴェア

とりあえず明日1度様子を見に行こうと思ってる

ヨル

そうですか

ヨル

では朝食を早めに作っておきますね

スヴェア

ああ、ありがとう

スヴェア

……

ご主人は本を読むのが大好きです

なので屋敷の中の図書室はこんなにも広い

ヨル

紅茶のおかわり置いておきますね

スヴェア

ああ

朝はこうしてゆっくり読書しながらお紅茶を飲むのが好きです

ロザンナ

…あのー…

ヨル

!ロザンナ様!

奥様がいらしたようです

今日もお美しい

ヨル

どうされましたか?

ロザンナ

スヴェアは…

ロザンナ

あ、読書中でしたか

ヨル

ええ、朝の読書の時間です

ヨル

ロザンナ様もご一緒されては…?

ロザンナ

いいのかしら…?

ヨル

大丈夫だと思いますよ

ロザンナ

じゃあ…

ロザンナ

少し離れた所で私も読書しようかしら

ヨル

かしこまりました

このまま平和な日常に…

スヴェア

……

スヴェア

突然スヴェアは立ち上がり本を机に置いた

ああ、これで察してしまう僕…

ヨル

お呼び出しですか?

スヴェア

…ああ

スヴェア

今すぐ出なければならない

ロザンナ

お仕事…ですか…?

スヴェア

…はい

スヴェア

ヨル

ヨル

はい、すぐに支度をして参ります

ロザンナ

スヴェア

スヴェア

…?はい

ロザンナ

お気をつけて行ってらっしゃいませ

スヴェア

……はい

スヴェア

早く帰れるよう努力します

ヨル

…ほう

いつ死んでもいい

そんな事おっしゃっていた方が

早く帰ると

ヨル

……良かった

ルーク

すまないな、休めと言ったのに

スヴェア

いえ

スヴェア

帝国の平和を優先するべきですから

ルーク

うむ…

スヴェア

それで…状況は…

ルーク

…前線部隊が殲滅した

スヴェア

なっ…

帝国の前線を張っているのは第3部隊

第3部隊とはいえこの帝国での第3部隊は相当な実力のはずだ

スヴェア

何故そんなことが…!!!

ルーク

相手は魔道士だそうだ

スヴェア

魔道士…?

スヴェア

何故…

魔道士は帝国にしかいないんじゃ…

ルーク

帝国に居て、敵にはいない

ルーク

そんな都合のいい話は無い

ルーク

って事だな

スヴェア

……

ルーク

そこでスヴェア

ルーク

君にはその魔道士を

スヴェア

狩ればいいんですね

ルーク

…ああ

ルーク

…頼むぞ

スヴェア

……

スヴェア

御意

雲の間を縫って超スピードで進んでいく

スヴェア

……

魔道士、帝国以外の魔道士

どんなやつが…

ルベイル

魔力装填

スヴェア

っ?!

突然目の前に銃をかまえた男が現れた

気づかなかった、油断した…?!

ルベイル

発射!!

銃弾が飛んできて頬を掠めた

ルベイル

…ちっ

ルベイル

避けたか

ルベイル

流石の反射速度だな

ルベイル

死神

スヴェア

…貴様

スヴェア

共和国の魔道士か

ルベイル

ルベイル・ルドルフド

ルベイル

お前を殺す男の名だ

ルベイル

遊ぼうぜ、死神

ルベイル

殺し合いっていう遊びをよ!!

部屋にいることしかできない

私は、無力だから

治癒魔法が少し使えるけれど、本当に少し

ロザンナ

……

ロザンナ

雨…

ヨル

ロザンナ様

ロザンナ

…ヨル

ヨル

お身体を冷やしますよ

ヨル

紅茶を持ってきたので

ヨル

飲みませんか?

ロザンナ

…ええ…

ロザンナ

ありがとう

ポツ、ポツ

ロザンナ

ポツポツと聞こえたと思えば、すぐにザーザー降りになった

ロザンナ

雨…

ヨル

……

ロザンナ

……不気味な夜ね

スヴェア

はぁ…っ…はぁ…

ルベイル

はははっ!!

ルベイル

中々やるなぁ!!

スヴェア

……く…

何者なんだこいつは

防御魔法を張っても貫通してくる

そんな魔法が存在するなんて…

ルベイル

雨も似合うねぇ

ルベイル

水も滴る…ってやつか

ルベイル

アンタ

ルベイル

すっげぇ良い顔してるじゃねぇか

スヴェア

無駄口が多いな

スヴェア

喋ってると舌噛むぞ

ルベイル

だーいじょうぶだ

ルベイル

滑舌には自信がある

スヴェア

そうゆう問題じゃ…

こいつは馬鹿なのか…?

ルベイル

まだまだ夜は長いぜ?

ルベイル

もっと遊ぼうよ死神!!

スヴェア

…バカバカしい…

スヴェア

私は早く…

早く…帰らないと

スヴェア

…帰った

ヨル

スヴェア様!!

玄関の前で傘を刺していると空ではなく

馬車で帰ってきた

ルーク

ヨル

ヨル

ルーク様…

ヨル

スヴェア様は…

包帯だらけ、傷だらけのご主人を見るのは中々無い

ルーク

すまない

ルーク

無理をさせてしまった

スヴェア

スヴェア

大丈夫…です

スヴェア様は自力で歩き始め、その上に傘を置いた

だけど

ヨル

ふらついてるじゃないですか…!

ルーク

肋にヒビが入ってるんだ

ヨル

なっ…

ヨル

自力で歩かないでくださいよ?!!

スヴェア

怪我など…してない!!

ヨル

馬鹿なんですか?!!

ルーク

俺も何回も言ったんだ

ルーク

やめろと

ルーク

だけど、さっきからこの調子だ

スヴェア

平気です…っ…

ヨル

もう…!!

ヨル

本当にこの人は!!

スヴェア

っ…

スヴェア

ロザンナは…

ヨル

お休みになられてますが…

スヴェア

そうか…

スヴェア

……

スヴェア

暫く私の部屋に近づけるな

ヨル

えっ…

スヴェア

分かったな

ヨル

…かしこまりました

ルーク

はぁ…

ルーク

あとは頼んだよ

ルーク

ヨル

ヨル

はい!

ヨル

ルーク様もここまでありがとうございました

ルーク

ああ

ルーク

じゃあまた様子を見に来る

スヴェア

はい…

ふらふらと中に入っていくご主人を追って中に入った

しくじった

自分は強いとそう思っていたんだ

それが油断となったんだ

…殺せなかった

逃げられた

クソ…

スヴェア

クソ…っ…

スヴェア

…ぅ…

力むと肋がメキメキっと鳴った

スヴェア

っつーー…

ヨル

動かさないでください

ヨル

もう…

ヨル

無理はしないでくださいよ

スヴェア

無理などしてない…

ヨル

してます

ヨル

ほら、治療をしますよ

ヨル

メイ

メイ

はいっ

扉からにゅっと現れたこの少女は

去年拾ってきた…いや野良猫みたいな扱いをしてしまったが…

ヨルと同じような感じだ

ヨル

スヴェア様の傷を見てくれるかい?

メイ

了解です!

メイ

スヴェア様っ!

スヴェア

………

スヴェア

はぁ…

スヴェア

頼む

この子はまだ小さいが魔力がある

そして、医学に精通しているんだ

スラム街で色んな人の治療をしていたらしい

スヴェア

…勉強はどうだ

メイ

とても楽しいですっ

この子はあまり屋敷に居ない

何故なら学校に通わせているからだ

医療の学校に

学びたい心に年齢など関係ない

スヴェア

そうか

メイ

うーん…

メイの目が光って私の身体を照らした

これはスキャン

目に魔力を移す事で体内の状況を把握する事が出来る

いわゆるレントゲンだ

メイ

肋1本ヒビ

メイ

もう1本は折れてますね

メイ

内蔵に傷が無いのが奇跡です

スヴェア

そうか…

メイ

スヴェア様の自然治癒力ならすぐに治ると思いますけど

メイ

暫くは安静にしててください!

メイ

いっぱい寝ていっぱい食べるんですよ!

スヴェア

…私は子供か…

スヴェア

分かった…

ヨル

先程の駄々のコネ方は子供でしたよ

スヴェア

……一応歳上なんだが

ヨル

1個だけですよ

ヨル

全く…

ヨル

身体が回復するものを作っておきます

ヨル

今はゆっくりお休みください

スヴェア

ああ

スヴェア

ありがとう

スヴェア

ヨル、メイ

メイ

はいっ

ヨル

はい

ベッドに横になり

ゆっくりと目を閉じた

ルベイル

俺は何度でもお前を殺しにくる

ルベイル

何度でもだ

ルベイル

親父のかたきをとるまではな!!

スヴェア

っ…待て!!

ルベイル

また会おうぜ…

ルベイル

死神

目を閉じればあの光景が蘇ってくる

今回ばかりは死ぬかと思ったんだ

もう、会えないかと思ったんだ

この感情に名前をつけるならなんて言うんだろう

今はまだ、分からない

ただ1つ思えるのは

帰って来れて良かった

ルベイル

ルベイル・ルドルフド
性別 男
20歳
175cm
父親をスヴェアに殺された
その反動で魔力に目覚めた
防御壁を貫通する魔法が使える

メイ

メイ
性別 女
14歳
154cm
スラム街育ちの孤児
スヴェアの名前で医療の学校に通わせてもらってる
治癒魔法が使える貴重な魔道士

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