もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
剣持刀也
剣持刀也
僕はよく肥えた体の 男の首元を 右手で掴み、 軽々と持ち上げる
相方の おそらく見てはいけない姿を 見てしまった。
ギリギリと 綺麗に整えられた爪が 首に食い込み、
耐えきれなかった男は うう、と情けない声を出し、 だらしなくよだれを垂らした。
ガッくんが理由もなく 他人に暴力を振るうとは 思えない。
クラスメイトの男子
クラスメイトの 心配そうな声で ハッと我に返る。
とにかく、暴力は良くない。 止めなければ。
剣持刀也
間に体をねじ込み、 必死に止める。 だが一向に 手が緩む気配はない。
剣持刀也
首を絞める右手に飛びつく。
剣持刀也
伏見ガク
やっと少し手が緩み、 男は悲鳴を上げながら 出ていった。
剣持刀也
僕は なんとなく つまらなさそうな顔の ガッくんにそう言った。
伏見ガク
剣持刀也
伏見ガク
剣持刀也
ガッくんの目は僕を見ない。
淡々と話し続ける僕らに クラスメイトの慌てぶりが 凄いことになってきた。
ガッくんは 息の根を止めたりはしないと わかっているし 実際逃してくれた
がしかし。
コイツはお狐様だからなぁ。
剣持刀也
伏見ガク
剣持刀也
ガッくんの目が ギラリと光を放った…… ような気がした。
伏見ガク
剣持刀也
と言いつつ僕は 内心コイツが 嘘を吐いてるんだろうと 信じて疑わなかった。
殺すことはなくても 何か ヤバいことには なっていただろう。
剣持刀也
伏見ガク
さっきまで キレ散らかしていたのが 嘘のように おちゃらけてみせるガッくん。
そんなごまかしをしたって 怖かったもんは 怖かったもんだ。
クラスメイトは 僕の服の袖にしがみついたまま おずおずと訊く。
クラスメイトの男子
剣持刀也
伏見ガク
剣持刀也
伏見ガク
クラスメイトの握る力が 自然と強くなる。
ぐいと引き寄せられ 耳元でヒソヒソと
クラスメイトの男子
と 真剣な顔で訊いてくるので、 笑って違うよ、と返す。
じゃあ何でと言いたげな口に 持ってきていた 焼き立てのクッキーを 放り込む。
クラスメイトの男子
剣持刀也
クラスメイトの男子
剣持刀也
クラスメイトの男子
バーカバーカ カースカースと 今どき小学生でもしないような くだらない 言い合いをしていると 生暖かい視線を感じた。
剣持刀也
伏見ガク
剣持刀也
伏見ガク
そりゃあ悪くもなるだろう 何も聞かされて いないのだから。
先刻は動揺していて よく見れなかったが、
ガッくんはなかなか 気合の入った服を 着て来ているようだ。
黒のバケットハットに
紺よりの黒のコーディガン
インナーは 煉瓦色のタートルニット
黒のパンツから ちらりと見える 濃紺のソックス
極めつけは 某シューズメーカーの ハイカットレザースニーカー。
高校の学祭に来る服 というより デート服のような感じだ。
伏見ガク
もじもじと下を見、 ガッくんが言う。
剣持刀也
ガッくんの小ボケを 完全に無視し 訊く。
伏見ガク
まぁ、そんな顔をするな伏見。
もくもくの
剣持刀也
伏見ガク
もくもくの
剣持刀也
もくもくの
伏見ガク
伏見ガク
もくもくの
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