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ヒマワリ(作者)
ヒマワリ(作者)
ヒマワリ(作者)
ヒマワリ(作者)
ヒマワリ(作者)
ヒマワリ(作者)
ヒマワリ(作者)
それは、何も変わらない、いつもの日々だった。
朝に起きて、ご飯を食べて、怪獣を倒して、またご飯を食べて、お風呂に入って、布団で眠る。
別に何の不自由もないし、あったとしても慣れてしまったから何も感じない。そこにあるのは、生活の延長線だ。
それでもふと、なぜだか眠れない夜に考えてしまうことがある。
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
隠そうとはしているのだろう。いくら異物感が拭えなくても、見た目をみればどんな凡人でも理解できるほどには高級そうな見た目の監視カメラだ。
そもそも防衛隊が怪獣8号という、現時点で最も最強な生き物を監視する道具に金をかけないわけがないのだが
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
それもそのはず、ここのところ日比野カフカは、親しい人間にまともに会えたことがない。会うのは心体検査にくる研究員か、本部のおえらいさんのみ。
日比野カフカ
怪獣9号と有明の怪獣を防衛隊の手によって倒したはいいものを、その被害はあまりにも大きくなってしまった。
一般市民をシェルターに入れ守り抜いたため、死体がゴロゴロと転がっているわけではない。それでも、人々の目の前に広がるのはどこまでも続く瓦礫の山だ。
かつて家族と共に食卓を囲み、眠ったはずの家はどこにもない。気分が落ち込んだ友達を慰めるために行ったお気に入りのお店は、看板だけが残っている。初めてできた恋人が、顔を真っ赤にしながらプロポーズしてくれた水族館は、泥にまみれて見る影もない。
希望があったからこそ生き残ったと言うのに、国民に広がったのは絶望感のみだった。その負の感情は、収まることがなく、いつまでも不安としてとどまり続けてしまう。そしてその不安の矛先は、防衛隊へと向いてしまった。
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
怪獣8号が9号と有明の怪獣を倒し、日本に、いや世界に平和をもたらしたのは、多くの国民は知らない。というより、知れないのだ。
その存在が知れ渡ってしまった場合、防衛隊が今後どうなるのか分かったものではない。少なくともろくな事にはならないだろう。最悪の場合、カフカが海外へと引き渡され、兵器として利用されてしまう恐れすらある。
それを何としてでも避けたい防衛隊の本部や政府は、徹底的に怪獣8号の存在を隠蔽した。だからこれが政府の陰謀だといわれれば、ある意味そうなのかもしれない。
故に、カフカ自身としての功績を認め、褒めてくれる人なんて少なくとも市民にはどこにもいない。認めてくれた仲間は、今どこにいるかも分からない。バラバラになってしまったのだ。
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
その時だった。日比野カフカの通信機器に、今までの考えを吹っ飛ばすような大きな音がなった。
日比野カフカ
慌てて通信機器を手に取り、音の正体を確かめる。そこには、本部からの明らかに重要そうな連絡が届いていた。
それは、要約するとこのような連絡が入っていた。
夜分遅くに申し訳ない。怪獣8号であると同時に、日比野カフカという人間性を持っている君に、頼み事があり連絡をさせてもらった。
単刀直入に言うと、君に預かって欲しい怪獣がいる。その怪獣はある程度の知能を持っており、意思疎通と会話が可能だ。しかし、性格に少し難があり、君と話さないと嫌だと言って聞かないのだ。
私たちもなんとか交渉を試みたが、すべからく断わられ、会いたいと一点張りでな。どこで君の存在を知ったのかも分からないが、これ以上は調査ができそうになかったので、断念してしまった。
そこで、是非君の力を貸してほしい。怪獣と人間、2つの側面を併せ持つ君ならば結果が残せると期待している。
明日の朝、本部の会議室に来てくれ。さらなる細かい情報と説明をする。よい返事を待っている。
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
なんだか煮え切らない脳内のまま、日比野カフカは無理やり深い眠りへと落ちていった。自らの生活が脅かされないように祈りながら、何処かで少し期待をして。
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