白立田寛平
多忙の中呼び出してすまないね
飯沢乱丸
命令だから気にしてねーよ。てか珍しいな、お前の部屋で話すのは
白立田寛平
気分だよ
二人は座布団の上で胡座をかいていた
白立田寛平
浅野組の一部を殺戮したらしいね。詳細を聞きたい
飯沢乱丸
大したことないぜ。ちっと生意気な足の速い奴が居たが、光崎史が加勢してくれたからなんとかなった。仕留める事は出来なかったが
白立田寛平
彼らも結構力付けたみたいだね。噂だと女性の剣士を取り入れたらしい。浅野組はやる事がいつも斬新で面白い
飯沢乱丸
あーあの弱そうな女か?人を斬る事を恐れた腰抜けだから戦力になんねーよ
白立田寛平
どうかな?わざわざ弱い者を剣士にする必要性は無いし、意外と強いかもよ
飯沢乱丸
そういやお前はいつ加勢すんだよ。俺らばかり命をかけるのは腑に落ちんわ
白立田寛平
ごめんね。リーダーは統制、つまり事務仕事が多いんだ。それに君らだけでも浅野組を制圧出来るかなと思って
飯沢乱丸
嘘つけ。どーせ顔が傷つくー服が汚れるーの理由だろ
白立田寛平
一理あるけど...俺が居なくても構わない程強くないと困るんだよね。まず何の為に君達が選ばれたのか。それは最強と呼ばれたから。最強が三人も居て負けるのはカッコ悪いよね
飯沢乱丸
そう言って〜腹の中では馬鹿にしてるくせに
白立田寛平
まっさかー
白立田は笑いながら湯呑みのお茶を飲む
飯沢乱丸
...お前はいつも苦労知らず顔してんな
白立田寛平
苦労してるよ
飯沢乱丸
清潔感とか...何処ぞの貴族様みたいでさ
白立田寛平
産まれは下級の、泥水を飲むのが当たり前の所だよ
飯沢乱丸
お前が泥水?似合わねー
白立田寛平
似合っていれば苦労しなかったかもね
飯沢は首を傾げる
飯沢乱丸
...お前はセックスが苦手だったよな
白立田寛平
...それが?
飯沢乱丸
したことないの?
白立田寛平
したいとも思った事がないね。とてつもなく気持ち悪いと思うから
飯沢乱丸
へー
白立田寛平
君はどうなの?馬鹿そうだけど端正な顔立ちだからモテたんじゃない?
飯沢乱丸
馬鹿っているか?...まぁモテたよ、眼帯前は。だが性格が怖いと言われすぐ離れやがった...女なんぞクソだ...
白立田寛平
じゃ童貞なんだ。みんな童貞って何という奇跡
飯沢乱丸
お前とならしてやってもいいかもなー
白立田寛平
ん?
飯沢乱丸
だって女装したら女みたいなんだろ?今も女みたいだが
白立田寛平
女みたいだからって女ではないよ
飯沢乱丸
分かってるわい!ただやってみたいとは思ってる。女はもう良いからお前でいいや
白立田寛平
人を斬りすぎてとうとう頭がイカれてしまったのかい?冗談でも嫌だなぁ
飯沢乱丸
お前知らねーの?割と剣士の男どもに狙われてるんだぜ。男社会の中で綺麗にしてるから...
白立田寛平
うん。前に襲われたよ
飯沢は目を丸くする
飯沢乱丸
...それでどうなった
白立田寛平
全ての急所をズタズタにして殺した。一応正当防衛だから刑罰は食らってないよ
飯沢乱丸
(もしかして城内の怪奇事件はこいつだったのか...?)
白立田寛平
君の好奇心が勝つなら襲えば?だけど俺を犯すのは...重罪にあたるんじゃないかな
飯沢乱丸
お前が黙ってれば良いだろ
白立田寛平
感の良い雪人がどうするだろうね
飯沢乱丸
(あー...あのチビなら俺を殺すだろうなー...)
飯沢乱丸
...マジで性的なことには興味がないのか?
白立田寛平
興味...というか必要ないんだ俺には。美しいのは外見だけで、中身は穢れてるから
飯沢乱丸
(...こいつ。童貞って言ったが実は...)
白立田寛平
いつか外見で左右されない時代になれば良いね
飯沢乱丸
...
白立田寛平
お茶を飲まないのかい?美味しいよ
飯沢乱丸
冷めたやつには興味がない
白立田寛平
同感。常にあたたかくおりたいね
白立田は微笑んだ
白立田寛平
ところでさっきの発言は淫行未遂罪にしてもいいかな?
飯沢乱丸
すいませんでした〜