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あなたは知らないというかもしれない。
でもそれは知られてないだけでそこにある。
地図になんてない。情なんてない。安全なんてない。
そこに踏み入れたら死ぬか、地獄に落ちるか。
でも行く人もいる。
命をかけて、この感情から少しでも逃れるために。
𝑭𝑹𝑬𝑬𝑫𝑶𝑴
〜アラジン〜
午前6時30分。 ピピピッ、ピピピッ――。
湊音海音
布団から出ると、ひんやりとした朝の空気が肌をなでた。
緩やかに意識がはっきりしていく。
ピリリリ、ピリリリ。(電話の通知音)
湊音海音
窓を開けると、そよそよと入り込んだ風がデスクに置かれた本のページを気まぐれに捲った。
鏡を見つめながらブラシを動かすが、頑固な寝癖は直らない。
湊音海音
暗い色のシャツのボタンを、下から上へと一つずつ丁寧にはめていく。
パタン、と静かに扉を閉める。
私、湊音海音(みなとね かいと)はコツ、コツと軽やかな足音を響かせながら、階段を降りていった。
生徒
生徒
教室では、たわいもない会話が弾んでいる。
裏野ひなた
……不意に、一人の少女と目が合った。
その瞳に映る黒は、底知れない夜の暗闇をかかえている。
私達はただの学生だ。
――少なくとも、朝の間だけは。
夜
私は、人通りの途絶えた狭い路地裏を抜け、旧校舎へと向かう。
そこに人の気配はない。いや、あるはずがないのだ。
だって、ここは――。
裏野ひなた
湊音海音
湊音海音
裏野ひなた
湊音海音
裏野ひなた
湊音海音
裏野ひなた
色花彩花
湊音海音
色花彩花
裏野ひなた
中本大夢
裏野ひなた
色花彩花
色花彩花
片山三千花
博士
片山三千花
joker.piero
片山三千花
色花彩花
色花彩花
博士
joker.piero
片山三千花
バタバタと騒がしい中、美雨が茶菓子を運び、希告音がそれを物欲しげに見つめている。
希告音
美雨
アドルフ
裏野ひなた
アドルフ
湊音海音
中本大夢
湊音海音
色花彩花
湊音海音
片山三千花
湊音海音
アドルフ
湊音海音
アドルフ
色花彩花
湊音海音
片山三千花
美雨
片山三千花
美雨
美雨が指差した先には、黒塗りの車と、数人の男たちがたむろしていた。
片山三千花
三千花がニヤリと笑い、手に光をともす。
ここに来ては行けない理由のひとつに、こんなのがある。 「そこにいる奴らは『人間』じゃない」 能力者が動き回る夜。街でも危険な場所は多い。
美雨
片山三千花
三千花が腰のホルスターから引き抜いたのは、無機質な黒い拳銃。
美雨
美雨
家具は整然としているのに、床から壁にかけて、拭いきれなかった赤黒い飛沫がこびりついている。
色花彩花
joker.piero
joker.piero
中本大夢
中本大夢
希告音
色花彩花
希告音
希告音の瞳がわずかに光を帯びる。
joker.piero
希告音
そう言い終わるか終わらないかのうち、壁の血痕が意志を持ったアメーバのように集まり、鋭い針のような形を形成する。
中本大夢
大夢がほうきを手に取ると、それは重力により形が変えられ、みるみるうちに歪な短剣になる。
色花彩花
色花彩花
joker.piero
ジョーカーが指をパチンと鳴らすと、彼の手のひらにトランプが出てくる。
色花彩花
色花彩花
彩花が能力を解放すると、周りにはツルや植物が生を持つかのように動き始めた。
希告音
中本大夢
色花彩花
彩花が床に手をかざすと、フローリングの隙間から太い蔦が爆発的に伸び出し、のたうち回る血の塊をがんじがらめに縛り上げる。
joker.piero
ジョーカーが手札から『キング』のカードを鋭く投げた。カードは空中で静止し、怪しく発光する。
joker.piero
joker.piero
joker.piero
大夢が地面を蹴り、重力操作で自らの体重を一時的に「零」にした彼は、重力を無視して壁を垂直に駆け上がる。
中本大夢
色花彩花
彩花の合図で、血の塊を縛り付けていた蔦が弾けるように解け、大夢の通り道を作る。
希告音
希告音が力強く真言を唱えると、大夢の拳に黄金色の光が宿った。仏の加護を得た拳は、不浄な存在を打ち砕く「金剛石」のような硬度を得る。
中本大夢
大夢が空中で身を翻し、重力を一点に集中させた回し蹴りを叩き込む。
ドォォォォンッ!!
凄まじい衝撃波が部屋を揺らし、血の塊は霧散した。 しかし、核である「黒い結晶」は、大夢の攻撃を寸前で回避し、部屋の隅へと逃げ延びる。
joker.piero
ジョーカーが手札から二枚のカードを放った。カードは空中で鋭い光の帯となり、結晶の逃げ道を完全に遮断する。
色花彩花
床から一気に巨大な花が咲き誇り、結晶をその花弁の中に包み込んだ。
希告音
希告音が数珠を掲げると、部屋全体をまばゆい光が照らした。
希告音
人間のものではない悲鳴を上げ、黒い結晶は黄金の光に飲み込まれてサラサラと浄化の灰へと変わっていった。
joker.piero
joker.piero
中本大夢
中本大夢
色花彩花
彩花が能力を戻すと、巨大な花は光の粒子となって消えていった。
希告音
湊音たちの前に座らされた「依頼主」の男は、脂汗を流しながらガタガタと震えていた。
湊音の能力は、男が隠し持っている「能力」全てを読み取っていた。
湊音海音
湊音海音
依頼主
博士
博士
博士が白衣のポケットからメスを取り出し、ヘラヘラと笑いながら男の頬をなでる。
博士
依頼主
男が立ち上がろうとした瞬間、何もない空間から突如として強烈な回し蹴りが男の肩を叩き伏せた。
アドルフ
男は床に叩きつけられ、絶望に顔を歪めた。
そこへ、部屋の隅に座っていた裏野が、ゆっくりと顔を上げた。 その瞳は、光を一切反射しない黒眼。
裏野ひなた
裏野が自分の指先を持っていた刃物で少し切る。
ポタリ、と床に落ちた鮮血が、靄のようにうねりながら男の首筋へと這い上がった。
裏野ひなた
依頼主
湊音海音
湊音の瞳孔が、暗闇で赤く光る。
依頼主
依頼主
依頼主
博士
博士
博士
博士が歓喜に震えながら、男の喉元にメスを押し当てる。
裏野ひなた
裏野は博士の袖を引き、自分の椅子の横に座らせる。
裏野ひなた
依頼主
湊音海音
アドルフ
アドルフの言葉に、湊音の表情がわずかに険しくなる。
湊音海音
湊音海音
裏野ほ、うーんと首をかしげてから、静かに言った。
裏野ひなた
joker.piero
joker.piero
ジョーカーが手袋を脱ぎ捨てながら、不満げに肩をすくめる。
色花彩花
joker.piero
色花彩花
中本大夢
色花彩花
色花彩花
彩花が隣を歩くジョーカーを振り返る。ジョーカーの紫色の髪が揺れ、ニヤニヤしながら彩花を見る。
joker.piero
希告音
中本大夢
中本大夢
色花彩花
色花彩花
中本大夢
中本大夢
joker.piero
joker.piero
ジョーカーがひらひらと手を振り、湊音たちが待つ部屋の重い扉に手をかけた。
希告音
希告音
色花彩花
バタン、と扉が開く。
色花彩花
色花彩花
湊音は戻ってきた4人に軽く頷くと、再び床に這いつくばる男へと冷ややかな視線を戻しました。
湊音海音
湊音海音
中本大夢
中本がため息を着くと、裏野の背後に回り込み依頼主の顔を上から見る。
湊音海音
湊音海音
依頼主
依頼主
湊音海音
湊音海音
部屋の端に座っていたひなたが、静かに立ち上がる。
依頼主
裏野ひなた
男が恐る恐る顔をあげると、男は酷く驚いた顔をした。恐怖の対象だった少女は、今まで見たこともないほどに、美しく、目を奪われてしまった。
裏野ひなた
裏野ひなた
湊音海音
湊音海音
依頼主
裏野ひなた
裏野ひなた
裏野はそっと男の頬に手を伸ばし、男はそれに頬を擦り付けようとした。
その時だった。男は突然意識を失い、その場で倒れ込んだ。
湊音海音
湊音海音
裏野ひなた
中本大夢
博士
博士
色花彩花
裏野ひなた
湊音は、最後に静かに机の上の紅茶を一口飲み、満足げに微笑む。
湊音海音
片山三千花
三千花は手にした拳銃をホルスターに収めると、背負っていた槍を引き抜いた。
美雨
片山三千花
逃げ遅れた一人が、物陰から指先から鋭い氷の粒を放った。三千花はそれをあえて避けず、左手に浴びる。
片山三千花
片山三千花
三千花の左手から、氷の波動が溢れ出した。彼女はそれを槍の穂先にあわせ、間合いを詰める。
美雨
美雨が指笛を吹くと、彼女の影から地響きと共に巨大な白蛇が姿を現した。その目は血のように赤く、鋭い牙からは毒液が滴っている。
美雨
美雨自身も驚異的な運動神経で木々の間を跳ね、蛇の死角から逃げようとする獲物を確実に追い込んでいく。
片山三千花
コピーした氷の力を槍に乗せ、三千花が最後の一人をつららの檻に閉じ込めた。
片山三千花
片山三千花
美雨
美雨
片山三千花
美雨
片山三千花
片山三千花
美雨
joker.piero
joker.piero
ジョーカーがひらひらと手を振る。
色花彩花
色花彩花
湊音は窓の外を仰ぎ見た。 遠くの空がわずかに白み始め、夜の支配が解けようとしている。
湊音海音
湊音海音
裏野ひなた
中本大夢
中本大夢
希告音
午前6時30分。
ピピピッ、ピピピッ -。
湊音海音
昨夜の硝煙も、裏野が放った血の匂いも、今はもうどこにもない。
洗面所で冷たい水で顔を洗い、ブラシで寝癖を整えるが、やはり一本だけ跳ねたまま。
湊音海音
パタンと扉を閉め、湊音は軽やかな足取りで階段を降りていく
ほんの数時間前、人の命が目の前で消えていたことなど、微塵も感じさせないほどに。 僕らはただの学生。 朝、だけはね。
湊音海音
湊音海音
湊音海音
湊音海音 19歳 1/31生まれ 181cm 能力:能力看破 爆発 説明 年齢は19だが、高校一年生と年齢詐称をしている。 これは、裏野や中本の行動を見張るためでもある。 本人は気にしている。 家族構成は不詳。 頭脳派。