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玲奈
玲奈の父
玲奈
玲奈の父
私、草刈玲奈は母親の顔を見たことがなかった。
私が物心つく前、不慮の事故で亡くなってしまったらしい。
玲奈
玲奈の父
父はリビングのソファから立ち上がり、無言でご飯を食べ始める。
玲奈
玲奈の父
玲奈
父はもともと、優秀なエンジニアだった。
お母さんが亡くなってから、幼い私を1人で頑張って育ててくれた。
最初はそれで良かったんだけど...。
...でも最近、父は仕事を辞めさせられた。
理由は聞いても話してくれない。
玲奈
玲奈の父
玲奈
玲奈
玲奈の父
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈の父
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈の父
玲奈
玲奈
玲奈の父
玲奈の父
玲奈
父は仕事をクビになってから、無口になった。
家ではずっとソファに座っていて、最低限のことだけ喋り、たまに家事をしてくれる。
私は幼い頃の父を知っている。
だから何も責めず、これで良いと思っていた。
しょうがないことだと言い聞かせていた。
でも最近、私の不安を加速させることが起こっている。
最近、優奈のようすがおかしい。
優奈は、私に何かあるたび心配して気にかけてくれた。
そんな優奈が少し、
私にとって母親のような存在になっていた。
でも、あれは9月の中旬あたりからだったか。
ずっとどこか上の空な様子なのだ。
前ほど私を気にかけてくれなくなった。
なんだかそんな様子を見ていると...
...突然、私のそばからいなくなってしまうような気がして、
胸が締め付けられる。
違和感を本人に問いただしてみると、
「おもしろい人と最近友達になった。」と言っていた。
そして私は思った。
「ああ、こいつが私と優奈が一緒に過ごす時間を奪うやつなんだな。」と。
「絶対にそんなこと許さない。」と。
そして私はとうとう見つけたのだ。
イレギュラーマン
優奈
玲奈
優奈
イレギュラーマン
イレギュラーマン
玲奈
優奈
玲奈
玲奈
全く知らない人だったけど、ここの制服を着ていた。
おそらく最近この学校に転入してきたのだろう。
でも、距離感の近さがあまりにも不自然だ。
まるで前から交流があったかのような。
そこで私は確信した。
玲奈
優奈は誰にも渡さない。
そっちが奪おうとするなら、こっちだって...。
男性教員
玲奈
男性教員
玲奈
校内放送
校内放送
ええっなっなにそれ。
こんなに大きい音量で校内放送流れてたの!?
全然気づかなかった...。
玲奈
そこで私は先ほど謎の人に連れ去られた優奈を思い出した。
玲奈
私は気付いたら走り出していた。
男性教員
屋上
玲奈
何となく屋上に来てしまった。
先ほどから嫌な予感が脳を突き刺してくる。
もし、優奈を連れ去ったあいつが、「変なやつ」で、もう優奈が手にかけられていたら...。
玲奈
優奈は生きている!絶対生きてる...!
そうだ、ここから見下ろせば、もしかしたら優奈を見つけれるかも...!
玲奈
私はグラウンドを見下ろす。
玲奈
グラウンドには大きな犬のようなバケモノがいた。
玲奈
驚いていると、バケモノがいきなりこちらの方へ登ってくる。
玲奈
ばけもの
玲奈
バケモノは私を見つけた途端、まるで狩りをする肉食動物のようにこちらへ駆けてきた。
ばけもの
私は捕まってしまった。
玲奈
ばけもの
バケモノが大きな口を開ける。
世界のどんな刃物よりも鋭そうな歯が私の前で露わになる。
玲奈
あれ?もしかして私、死ぬの?
ここで?こんな形で?
こんな終わり方なの?
や、やだ
まだっ
玲奈
イレギュラーマン
ばけもの
玲奈
突如、バケモノが大きく吹き飛び、フェンスに打ち付けられる。
イレギュラーマン
真紅のマント、熱く燃えるが如き髪色、全てを飲み込む漆黒色の体。
玲奈
イレギュラーマン
玲奈
玲奈
イレギュラーマン
イレギュラーマン
玲奈
もしかしてこの人...このバケモノが来ることを予想して優奈ちゃんを...?
ばけもの
イレギュラーマン
玲奈
謎の人は私をお姫様抱っこして、駆け出す。
イレギュラーマン
あったかい...。
こんなに安心した気持ちになったの、久しぶりかも。
廊下
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
イレギュラーマン
玲奈
恥ずかしい...!
イレギュラーマン
玲奈
結局降ろしてもらった。
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
屋上
ばけもの
イレギュラーマン
玲奈
私は物陰に隠れながら応援する。
ばけもの
玲奈
イレギュラーマン
ばけもの
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
玲奈
ばけもの
バケモノは綺麗な放物線を描きながらグラウンドへ吹き飛んでいった。
イレギュラーマン
玲奈
玲奈
先ほどの緊迫感が嘘のように、今この屋上には柔らかな風が吹いていた。
玲奈
人とは思えないほどの怪力だったし、もう何が何だかよく分からないけど...。
玲奈
体育館
ばけもの
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
ばけもの
イレギュラーマン
ばけもの
イレギュラーマン
うっ!
イレギュラーマン
二酸化炭素大量に充満させればそりゃ自分にもダメージいくか。
イレギュラーマン
ばけもの
ゴオオオオオオ
イレギュラーマン
やべえ!イレギュラーの体が再生してる!
イレギュラーマン
イレギュラーマン
ばけもの
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
ばけもの
イレギュラーマン
なんか溶けたイレギュラーの体から変な丸っこいのが!!
なんかこれ叩き潰したら殺せる気がする!!
イレギュラーマン
ばけもの
イレギュラーマン
!
イレギュラーマン
足が急に動かなくなった!!
イレギュラーマン
こんな時に...!
ばけもの
イレギュラーマン
こいつ逃げようとしてる!
イレギュラーマン
ばけもの
あぁっくそっ。
ここまで来て振り出しに戻るのかよ!
玲奈
プシュウウウウウウ
ばけもの
イレギュラーマン
イレギュラーの丸っこいのが目の前に垂れ下がってる!
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
ばけもの
イレギュラーマン
玲奈
私は安堵してぺたんと座り込む。
玲奈
玲奈
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
私が持ってきた二酸化炭素が入っているボンベを指差す。
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
イレギュラーマン
玲奈
ほっほめられた。
嬉しい...。
玲奈
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
玲奈
玲奈
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマンさんがおもむろに立ち上がった。
玲奈
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
イレギュラーマン
玲奈
イレギュラーマン
イレギュラーマン
イレギュラーマン
玲奈
それって。
玲奈
イレギュラーマンさんがいなくなった後、私は避難所に戻った。
バケモノもいなくなり、生徒たちが帰り始めている中、優奈はすみっこに1人でうずくまっていた。
優奈は私を見つけた途端、ぶわっと泣き出して私に抱きついてきた。
避難所に私がいなくてとても心配していたらしい。
私も優奈が生きていることが嬉しくて、
2人で一緒にずっと泣いてた。
そして私は気付いた。
優奈は最近も変わらず私のことを気にかけてくれていたということに。
私はバカだ。
そのことに気付けず自分で勝手に暴走し、
結果、私の大切な人にこんなに心配をかけさせてしまった。
もう心配させない。させないから。
だからどうか
玲奈
優奈
一方その頃
?
?
?
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