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美波
挨拶をしても誰も返してくれない
だってそこには誰もいないから
でもずっと忘れないように
花菜の事を忘れないように
誰もいない空間へ今日も おはようと言う
それが日常だったから
柚月
美波
付けていたイヤホンを外す
花菜の創った曲が流れたイヤホンを
柚月
柚月
美波
こうやって柚月と話しながら 毎日登校する
今日は雲一つ無い透き通った快晴 私の目には少し眩しい青
空に浮けたら 気持ちいいんだろうな
そうでしょ?花菜
午前の授業が終わり、やっと 休み時間に入る
チャイムと同時に教室を出て 屋上へ歩を進めた
人に関わりたくない訳じゃない
人の少ない場所が良いと言うと 花菜は決まっていつも屋上に 連れて行ってくれた
美波
近頃寝不足で身体が重い
しかし運悪く一番前の席で 先生に怒られたり 罪悪感に苛まれたりするのが嫌な為 寝ようにも寝れない
軽い目眩とも戦いながら いつもの場所へ
すると、ふと
私を励ますような声が 聞こえた気がした
風の音に近いような 暖かくて優しい声
美波
花菜...?
きっと居るんだね
美波
美波
また声が聞こえた気がした
美波
数分空を眺め余韻のような ものに浸ってから弁当を広げた
手を合わせ心の中で いただきますと言い、口の中へ 生温いご飯を運ぶ
正面には居ない貴方を見ながら
今日の授業が終わり 柚月と帰路を辿る夕方頃
柚月
美波
軽く柚月に手を振り 背中を数秒見届け、また歩く
やっと今日が終わる
「ねえ」
花菜、今日も...
美波
いや、ずっと
美波
寂しかった
美波
美波
美波
美波
周りに人はいるだろうか いや関係ない
貴方にこの声さえ 届けば
美波
美波
いや何処で愛を嘆いても だめなのだろう
泣けば泣くほど虚しくなる
この虚しさを隠すため
貴方の"影を追いながら"
過ごす毎日だ