次の日
悠斗
上司
人間界へ行こうとすると、上司に声を掛けられる
悠斗
急に話しかけられたことに戸惑いながら悠斗は返事をする
上司
上司
悠斗
全くもってその通りで、返す言葉が見当たらなかった
上司
上司
上司
悠斗
悠斗
悠斗は絞り出すように答えた
上司
上司は離れていった
悠斗
悠斗
心臓が、また、ドクンと高鳴る──
そして、悠斗はいつものようにゆいの病室へ行く
すると、そこにはいつもはいない人達がいた
悠斗
看護師
母親
狂月 ゆい
すると、ちらっと窓を見たゆいと目が合う
狂月 ゆい
ゆいは悠斗の名前を呼びかけて口を押えた
悠斗
母親
母親
狂月 ゆい
狂月 ゆい
悠斗
悠斗
母親
母親
狂月 ゆい
狂月 ゆい
看護師
看護師
母親
看護師
話し終えると、看護師と母親は病室から出て行った
すると、ゆいが窓に近寄ってきて悠斗に言った
狂月 ゆい
悠斗
悠斗は窓から病室に入る
悠斗
狂月 ゆい
狂月 ゆい
狂月 ゆい
悠斗
悠斗
狂月 ゆい
狂月 ゆい
悠斗
悠斗の口は、ゆいの唇によって押さえられた
悠斗
ゆいが唇を離した瞬間、悠斗は驚きのあまり声が出てしまう
狂月 ゆい
狂月 ゆい
悠斗
狂月 ゆい
ゆいは悠斗に上目遣いでねだる
悠斗
まだ状況を飲み込めていない悠斗は流されてしまう
狂月 ゆい
狂月 ゆい
悠斗
嬉しそうに笑顔で目を輝かせるゆいを見て、悠斗は思わず笑みがこぼれる
悠斗
悠斗はゆいの頭を撫でた
狂月 ゆい
狂月 ゆい
悠斗
悠斗
狂月 ゆい
狂月 ゆい
悠斗
悠斗は空へ飛び立っていった
ゆいの言う“また”は当たり前に来ると
このとき2人は思っていた──
次の日
いつも通りに仕事をしようと人間界に来ていた悠斗
悠斗
悠斗は交通事故で入院した男性から魂を──
取れなかった
悠斗
悠斗
悠斗は試しに魂袋の魂を触ろうと袋に手を突っ込む
悠斗
だが、入っているはずの魂に触れることができなかった
悠斗
悠斗
悠斗は急いで死神界へ帰った
上司
上司
悠斗
上司は突然の相談に口を開けたまま固まった
悠斗
上司
悠斗
上司
悠斗
上司
上司
上司
上司
悠斗
反論しようとしたが、悠斗は思い当たってしまった
悠斗
興味本位で寿命をのばし、同情で病気を治した
話していくうちに色んな面の彼女を見て、その度に初めての感覚を抱く
そしてしまいには、唇同士が触れ合った
そんなゆいへの気持ちが恋でなければなんなのだと
思い当たってしまったのだ
悠斗
悠斗は膝から崩れ落ちた
上司
上司
上司
上司
上司は、落胆する悠斗を置いて去ってしまった
その日悠斗はフラフラと自分の部屋へ帰り、これからに不安を抱きながら眠りについた
翌朝
悠斗は寒さで目が覚めた
悠斗
辺りを見渡すとそこは、人間界の裏路地だった
悠斗
悠斗
路地から出て、飛ぼうとしてみるが飛ぶことも出来ず、仕方がなく街を歩いてみることにした
その途中、お店のガラスに反射して映った自分の姿が、なんだか違って見えた
悠斗
悠斗は、本当に人間になってしまったのかと、落ち込みながら歩き進めた
すると、悠斗はとある人物に声を掛けられる──
それから数ヶ月後
悠斗
悠斗はコンビニで働いていた
悠斗
悠斗
悠斗は人間界に追放されて彷徨い歩いていた所をとある男性に呼び止められた
その男性は、自身も昔死神界を追放された男で、他の元死神達の人間としての生活をサポートする仕事をしていた
その男性によって悠斗は人間としての戸籍や住所、働き口などを与えてもらい、このコンビニもそういった経緯で働いていたのだ
そしてだいぶ慣れてきた仕事をしていると、見覚えのある人物が入店してくる
狂月 ゆい
ゆいの方も悠斗に気付いたようだった
悠斗
狂月 ゆい
友達
ゆいは友達に外で待ってるよう伝え、悠斗に近付いてきた
狂月 ゆい
悠斗
狂月 ゆい
狂月 ゆい
狂月 ゆい
ゆいは悠斗の顔をまじまじと見る
そんなゆいの顔をちらりと見て悠斗は言った
悠斗
狂月 ゆい
ゆいはにっこりと笑う
悠斗
その笑顔にドキドキしながら悠斗は素っ気なく返事した
狂月 ゆい
ゆいは首を傾げる
悠斗
狂月 ゆい
狂月 ゆい
ゆいは少し考えてから「あっ」と声を上げる
狂月 ゆい
狂月 ゆい
悠斗
そしてコンビニから出る時、悠斗には届かない声で呟いた
狂月 ゆい
それから、悠斗の働くコンビニに度々ゆいが通い、その度に会話を重ねていた
そしてそのうち、コンビニの外でも会って話すようになり、遊びに行くことも出てきた
そんなとある日
休日に遊んだ帰り、悠斗は誘いを受ける
狂月 ゆい
悠斗
狂月 ゆい
悠斗
悠斗はバイト先の先輩から「一人暮らしだからって無闇に女の子家にあげんなよ〜」と冗談半分で言われていた
悠斗
悠斗がどう断ろうか迷っていると…
狂月 ゆい
狂月 ゆい
ゆいは涙目+上目遣いで悠斗に尋ねる
悠斗
悠斗
悠斗は「はぁ…」とため息をついて言う
悠斗
狂月 ゆい
狂月 ゆい
ゆいは輝くような笑顔で言った
悠斗
悠斗
そんな笑顔にドキドキしながら悠斗は答える
悠斗
そして、上司の言葉を思い出す
『人間に恋をした死神は力を失うのだ』
悠斗
悠斗
悠斗は、ようやく自分の気持ちに気付いてしまった
同時に、ほんとに自分は人間になったのだと、改めて自覚した
そしてゆいの部屋に上がる
悠斗
悠斗とゆいはベッドに並んで座って話している
ゆいは少し下を向いて何も発さない
悠斗
悠斗はゆいの顔を横から覗く
狂月 ゆい
悠斗
悠斗が顔を覗いた瞬間、ゆいに肩を掴まれ、そのまま押し倒された
悠斗
この状況に戸惑いつつ下からゆいの顔を眺めていると、ゆいは悠斗に口付けをした
悠斗
狂月 ゆい
悠斗
突然の告白に悠斗は驚き固まる
狂月 ゆい
狂月 ゆい
ゆいは声を震わせながら言う
悠斗
そんなゆいを見て悠斗は少し考える
自分が人間になったのは、ゆいと出会って、ゆいの病気を治したいと興味を抱き、それが恋心となってしまったから
だったら、人間になったこれからの人生、ゆいに捧げても後悔はないんじゃなかろうか、と
悠斗
悠斗が尋ねると、ゆいはこくっと頷いた
悠斗
悠斗はゆいを優しく抱き締める
狂月 ゆい
悠斗
狂月 ゆい
狂月 ゆい
2人は、そっと唇を合わせた──
──fin.
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完結!!