ピンポーン…
康一
はァ…昨日みんなに言われて…結局僕が行くことになっちゃった…
康一
緊張する…
ガチャリ…
ドアの隙間から色白の肌が見えた。特徴的なバンダナをし、白いダボッとしたズボン。紫のシャツの上から黄緑のノースリーブの裾が長い上着のようなものを着た岸辺露伴が現れた。
露伴
康一くんじゃあないか、どうした?
康一
ろ、露伴先生ッ!お仕事中すみません、!
康一
少しお話と言うか…協力をお願いって言うか…
露伴先生は眉間に皺を寄せ数秒僕を少し睨んだあと顎に手を当てた。
露伴
お願い??とりあえず…ここで話していると僕のファンが集まってきて面倒なことになってしまうかもしれない…
露伴
中に入るといい。
いつも通りで少し安心した。
露伴
先に僕の作業室に言っててくれないかい?お茶を用意して行くから。
康一
ありがとうございます、お邪魔します。
作業室は原稿用紙や、ペン・インクの瓶・様々なポーズの本、画集などでいかにも【漫画家の部屋】という感じだった。
康一
【ピンクダークの少年】の数名限定のサイン入り生原画ポストカード、!?
康一
当たらなかったんだよな〜、泣…こうして見るとやっぱり…感動するぅ〜!!
露伴
今月号も買ってくれたのか?
康一
当たり前じゃあないですか!!応募もしましたよ!!まぁ…当たらなかったんですけど…。(小声)
露伴
そうか…なら、複製画ではなくこの原画を君にプレゼントしよう。
康一
えーーーー?!!
康一
も、貰っちゃっていいんですか、!?
露伴
特別にな。
康一
ありがとうございますッ!!一生の宝物にします泣!!
露伴
それじゃあ改めて…
露伴
お願いとはなんだ?
康一
実は…仗助くんの妹、徐亜奈さんの事なんですが…
露伴
ほほう…あの子がどうかしたのか?
康一
ほんとにざっくり説明すると…詳しいことは後ほど話しますので、!
康一
徐亜奈さんが誘拐されて…誘拐したやつはスタンド使いで…そいつの手によって吸血鬼になってしまって、
康一
かつ、徐亜奈さんに数十年前承太郎さんが倒したこの世の邪悪DIOと言う吸血鬼が宿ったんじゃあないかって…
康一
吸血鬼を戻すには胸の扉を開けて中を覗かないといけなくて…
康一
露伴先生がこないだお話してくださった【くしゃがら】の時みたいに少し変わったケースもあるって…もしかしたら露伴先生ならできるんじゃあないかって!!
康一
僕たちのスタンドでは…難しくて、
康一
徐亜奈さんを人間に戻し…DIOを倒すのに協力して欲しくて、!!
康一
どうかお願いしますッ!
康一
す、すみません、!つい感情的になってしまって…
露伴
なるほど…話の内容はよくわかった。
露伴
最初は少し躊躇ったが…
露伴
康一くん、君が誰よりも仲間思いであり恐怖心を押し潰してまでそのDIOと言うやつに立ち向かう精神。僕はすごく尊敬したよ。
露伴
協力するよ。
康一
露伴先生…!!
康一
ありがとうございますッ泣!!
露伴
僕はどうすればいいんだ?連載の休みならいつでも取れるが、
康一
承太郎さんに聞いてみます。詳しいことは後に僕がまた伝えに行きます!
露伴
わかった。
康一
本日はお忙しい中ありがとうございました、失礼します!
携帯の時刻を確認すると訪問してから 1時間程度経過していた。
電話のマークを選択し、五十音順に並んだ連絡先から『空条承太郎』を探す。
僕は発信マークを押し電話をかける。 承太郎さんの電話番号は少し変わっていて、見る度に「どういう意味なんだろう」と考えてしまう。
そんな事を頭であれか?これか?と考えているうちに、電話の向こうから聞き覚えのある低くて少し優しめな声が聞こえた。
康一
もしもし、承太郎さん。
康一
無事露伴先生からOK貰えました!
承太郎)本当か?良かった。…そうだな、後は差し向けられたスタンド使いを倒し情報を聴き込む…ってところだな。
康一
いよいよもう少しですね…いち早く徐亜奈さんを救わなければ、