雪華月夜に見た光彩色の花

あなたのお友達の玉響才華

あの子はもう人間ではなくなったわよ

あの子は道具なのよ

この言葉がずっと頭に残っていた。

人間ではない…

どういうこと…？

ガラッ

やっぱりいた。

鬼姫輝夜…

鬼姫輝夜は私たちを見ると、顔を緩める。

もう嫌。

才華を傷つけるのは少しだけ、しんどいかもしれない。

この関係になってしまった以上、仕方のないことなのだろうけれど。

才華はもう、人間じゃない…

もう仲のよかったあの頃には、戻れない

吸血姫なんてものがいなければ、私たちは仲良しでいられたのかな。

こんな風に戦わずに済んだのかな。

名前を呼ばないで

涙が出て来そう

躊躇ってしまいそう

この戦いに勝たないといけない

才華を倒さないといけない

ごめんね、才華

私も一緒に逝くから

手を伸ばせば届くのに…

この言葉は届かず、ただ私の中で溶けるだけだった。