何度消えたって

約束、忘れてないよね？ そう考え始めたのは、数ヶ月前のことだった。 すちside みことちゃんが消えてから、数ヶ月が経とうとしている。 俺らは毎日みことちゃんを探しているし、みことちゃんを求めている。 俺にとって、みことちゃんは光だったから。 闇は、光に照らされていたい。

どうして消えちゃったの？ どうして？ シクフォニじゃ物足りなくなっちゃったの？ 俺じゃダメだった？ 誘拐された？ 事故にあった？ 色んな不安が過ぎって、俺はすぐに頭を振る。

本当に、ないって言い切れる？ みことちゃんじゃないのに、俺が。

どうすればいいんだろう、俺は。 いるまちゃんは、みことちゃんが置いていったスマホの中身を毎日パソコンで確認している。 もしかしたら関係するものがあるかもしれないから。 らんらんは、事務所に話に行ってから、みことちゃんの行きそうな所に行ったりして、探してる。 会えるかもしれないから。 こさめちゃんは、みことちゃんの友達に、知ってることはないかを一人一人丁寧に聞いてくれてる。 もしかしたら知ってる人がいるかもしれないから。 ひまちゃんは、みことちゃんの家族に聞きに行ってる。 家族が知ってるかもしれないから。 でも、俺は？ 俺は、何をしている？ 何もしてない。 ただ、みことちゃんが消えたショックで1人部屋にこもっているだけ。 らんらんたちは、そんな俺も暖かく受け入れてくれたけど。

こんな情けない俺に、優しくしないでよ。 もっと傷ついちゃうから。

いない、いない。 こんな所にも、ここにも。 みことが行きそうなとこも、 みことが好きだって言ってたカフェにも。 どうして？どうして消えたの。 俺が悪かったの？ リーダーなのに、頼りなくてみことの悩みをひとつも聞いてあげられなかったから…？ でもさ、消える時くらい言ってくれよ。 それすら、わがままって言われちゃうのかな（笑） ねえ、みこと。 少しとがったシクフォニにとって、みことは光だったんだよ？ 俺、みことがいるからもっと頑張れたんだよ、もちろんいるまたちもいなかったら多分死んでたけど。 帰ってきてよ。 どこにいるの？ いっぱい、話したいことがあるんだよ。