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Nakamu
その後、俺たちは城に向かった。
Nakamu
全てはシャケに会うために。
Nakamu
そして…また、あの頃みたいにみんなで遊ぶために。
Nakamu
だが、あそこでの生活は決して良いものとはいえなかった。
Nakamu
それでも、俺やきんとき、スマイルときりやんはまだマシな方だったと思う。
Nakamu
…1番酷かったのはBroooockだ。
Nakamu
何故かと言うと、Broooockが1番総統に気に入られていたからだ。
Nakamu
あいつ…総統は、Broooockを精神的にいじめ抜いたり、1人だけ理不尽な暴力を振るったりしていた。
Nakamu
…それでも、Broooockは弱音を吐かなかった。
Nakamu
…何処かで会えると思っていたんだろうな。
Nakamu
実際、シャケと1番仲が良かったのはBroooockだったからだ。
Nakamu
…そんな願いは、ある日突然叶った。
兵士
おら、とっとと入れ。
Broooock
…
兵士
じゃあな。
Nakamu
Broooock!!大丈夫か!?
スマイル
また…あいつにやられたのか?
Broooock
…心配しないで!!僕は大丈、夫だか、ら…
きんとき
おいBroooock!?
きりやん
…すごい熱だ…
Nakamu
Broooock!?大丈夫!?
Broooock
ハァ、ハァ…
きんとき
早く医務室に___
???
その必要は無い。
きりやん
!?
スマイル
お前…
きんとき
まさか…!!
???
医務室なんか行った所で、そいつの熱は下がらない。
こっちによこせ。確認したいことがある。
こっちによこせ。確認したいことがある。
Nakamu
"シャケ"!!
Nakamu
俺だよ!nakamuだよ!!
シャケ
…早く、その赤髪を寄越せ。
Nakamu
…なぁ!!なんで返事しないんだよ!!
Nakamu
俺らは!!お前をここから助け出すためにここに来たんだよ!!
シャケ
…何を言っているのかが分からない。
Nakamu
は…?
シャケ
お前…何故お前が俺の名前を知っている?
シャケ
初対面の筈だろう?
きりやん
何を言って__
シャケ
それよりも、こんな話をしていて良いのか?
きんとき
…どういう意味だ。
シャケ
そこの赤髪、どんどん弱っていってるぞ。
スマイル
Broooock!!
余程無理をしていたのか、Broooockは今にも死にそうだった。
Nakamu
…
このままいけば、Broooockは間違いなく死んでしまうと、俺の本能が告げていた。
そして俺は…
Nakamu
…Broooockを…
助けて…
助けて…
シャケ
…分かった。なら寄越せ。
Nakamu
スッ…
(Broooockを渡す)
(Broooockを渡す)
シャケ
…やはり…
シャケ
…こいつは、あいつ…総統に気に入られていたか?
Nakamu
うん、1人だけ…
シャケ
…今から話す事はお前らにとっては衝撃かもしれないな。
Nakamu
…?どういうこと__
シャケ
こいつは…Broooockは、俺と同じ___
吸血鬼になりかけている
Nakamu
・・・は?
Nakamu
俺は、シャケの言ってる意味が分からなかった。
Nakamu
Broooockは間違いなく人間だ。
Nakamu
だって何年も一緒に居たんだから。
Nakamu
…正直、そこから先はあまり覚えていない
Nakamu
僅かに覚えていることは、俺らも吸血鬼になって総統を殺したことと、その後すぐにシャケが消えたことだ。
Nakamu
…ただ、Broooockだけがその記憶を忘れてしまっている。
Nakamu
俺らとの思い出は覚えているらしいが、自分が稀血だと告げられたこと、吸血鬼になったこと(自分は元々吸血鬼だったらしい)、それとあとひとつ…
Nakamu
Broooockは、シャケを…
存在ごと自分の中で消してしまっているのだ。
Nakamu
11歳の時に遊んでいた記憶も、何もかも覚えていないそうだ。
Nakamu
一体何故Broooockだけがシャケを忘れてしまっていたのか、何百年という月日が経ったというのに、あの「シャークん」というシャケによく似た少年は何物なのか。
Nakamu
そんなことを考えていると、ふと、俺の中に1つの仮説が浮かんだ。
Nakamu
…もしかしたら、あのシャークんという少年は、
シャケの生まれ変わりでは無いだろうか。
Nakamu
だが、これはあくまで仮説であって、これを裏付ける証拠などは何も無かった。
Nakamu
しかしその証拠が揃ってしまった今、俺はどうしようか悩んでる。
Nakamu
このままBroooockを除いた3人に話すべきか、それともこのまま一人で抱え込むか…
Nakamu
そして俺は、とある人物に相談しに行くことにした。