生き続ける

5月9日

..最近、きんときは眠ることが多くなった

薬の効果が強くなったからだろうか、

..きんときが寝ていると、何故か怖くなってしまう

..いつの間にか、息をしなくなっているのではないか、

もう、起きなくなってしまうのではないか、

..そんな事を考えてしまうから、

今日は、朝の10時を過ぎていた

..日が経つ度に、きんときは眠り、自分は死が近づいて、

きんときと目を合わせることさえ、少なくなっていって..

..きんとき達と話すたびに、死にたくない思いが強くなっていた、

深い眠りにつく君にそう言った

..今日も、眠りすぎてしまった、

..辺りを見ると、スマイルの姿は無かった

..何処に行ったのだろう、

そんな疑問を思っていると、

ガラガラ

..少し引きつった顔でスマイルはそう言った

..少し、言葉を濁していた、

..言いたくない理由でも、あるのだろうか、

..でも何故か、聞かなきゃいけないような気がした

..これ以上は、もう聞けなかった

数十分前

..何処に行るんだろう、

少し、震えた声でそう言った

部屋に戻ると、きんときが起きていた

..少し、聞かれていないか、不安になった

..きんときが申し訳なさそうな顔をして、聞いてきた

..これだけは言えなくて、つい言葉が詰まってしまった

..逆に、怪しまれたかもしれない、

..そう言うと、これ以上はもう聞いてこなかった、

..きんときには申し訳ないけど、これだけは言えないから、..

..嫌われたかな、

1人で、そう呟いた

5月10日

時計を見ると、まだ朝の6時だった

..流石に、起きてないか、

..今日もやることないな、

きんときも暫くは起きないだろうし、

..そういってまた、深い眠りに付いた