恐怖心を愛情に

私の都合に日程を合わせてもらって、

婚約相手の方と初めてお話をする日が来た

外で会うのも良かったが、最低限男の人との関わりを減らしたいために家に来てもらう事になった

暖かい手で頭を撫でてくれるお母さん 、少し心が落ち着く

呼吸を整えて席に座る

と同時にチャイムがなる

数分待てば お母さんの後ろを背の高い男の人が歩いてる

呼吸が早くなって心臓の音がうるさい

怖い怖い怖い 、お願い止まって

呼吸を整えるのに精一杯でお母さんの声が聞こえない

心臓の音がｯ 、、うるさくて＿＿

その人の声を聞いた途端、心臓の音が聞こえなくなってその瞬間だけ呼吸を忘れた

優しい声と、私に向けてくれた暖かい笑顔

優しい人だと脳でわかっても恐怖心は消えない。身体が言うことを聞いてくれない

口は開くのに声が出ない

それでも優しく私を見てくれてる、

待たせちゃってる、呆れられてるかも

嗚呼、この人はどれだけ心が広くて優しい人なんだろう

素敵な人だからお母さんは惹かれたんだ 、

言えたｯ 、 自己紹介できた

ガクガクと震える足と、強く服を掴む手

これ以上喋ることが出来なくて頷くだけだけど、その人は優しく微笑んでくれて ...

気づけば私は 自室のベットで横になっていた

ベットの横に座っていてくれたお母さん

あの人、、は？

あの人は何処まで優しい人なんだろうか

あの人と話して恐怖心が克服された訳ではない

でも、久しぶりに男の人と話して優しくしてもらって男の人の見方が少し変わった気がする

ほんの少しだけ、、ね？

これだけは伝えたかった 、 今のお母さんが一番欲しかった言葉だろうな、

泣きながら私に抱きつくお母さんを宥める、暖かくて心地がいい

息子が5人ってことは少なくとも1人は私と年齢が近いってこと、同い年の子が1番無理

あの人の息子なら素敵な人なんだろうけど、怖い怖いなぁ

これ以上頑張れない癖に

年齢が近い男の子と話したらどうしてもあの人のことを思い出しちゃって、、

でも、お母さんの幸せのため、そして私の幸せのために