休み時間の教室

うちもみんなみたいに小学校一年生までは髪も長くて縛っていた

でもうちは日本生まれじゃないから、父親が外国の人でそっちの方にいて

小学校四年生まではコロナが流行ってなかったから毎年一月に会いに行っていた

でも父親がいるところは一年中暑くて、日本が冬でも向こうは一年中夏だから

‘‘今年は髪の毛を切っていこう’’

って言われてその時に髪をバッサリ切ったの

その時は「髪長かったからちょっと寂しいな」とか「髪短くしたらどうなるんだろう⁉✨」って楽しみにしてたりとか色々な気持ちがあった

その時はそこまで髪の事とかは気にしてなかったけど…

気にするようになったのは小学校二年生位だった

家族で出かけたとき……

お店だと思って

‘‘男の子なのにスカートを履いてる’’

その子はうちの背後でそう言った

その一言でうちの心はバキバキに割れてしまった

そして、今まで気にしていなかった外の周りからの視線を気にすようになり

一気に外が怖くなってしまった

周りからの視線の恐怖・スカートを履くことへのトラウマが

あの一言でうちの中にできてしまった

小二まではスカートを履くのが好きな歳だったからお出かけの時とかはしょっちゅう履いてたけど

急に履くのが怖くなってしまった

髪を前のみたいに伸ばせばそう思われないと思い

母親に言ったら「ダメ」と言われ、なぜかと聞くと

「お前は髪の毛が癖っ毛だし、厚いからダメ」

と言われてしまった

小三・四年の時にはあまりスカートを履かなくなった

履くとすれば参観日などの特別な日に履くようにした

そして、小五・六年の頃には一回もスカートを履かなかった

それに‘‘髪の毛を伸ばしたい’’っていう気持ちも

どこかにいってしまった

中一の二学期後半頃

その時うちは小学校の頃からクラスも一緒だったことがある男子にこう言われた

それを聞いたとき「またそう思われたんだ‥‥」

と思った

でも口に出すと面倒くさくなりそうだから、うちは笑って誤魔化した

だけど内心では…

そう言い聞かせてた

もううちは

‘‘男の子なのに女の子の服着てる’’

とかって思われるのが大っ嫌いになってたから

もういっそのこと

‘‘男の子が男の子の服を着てる’’

そんな当たり前のことをしようと決めた