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『転生しているのかもしれない』 そんな考えをともに。
日を重ねるにつれ、 現状が少しずつ分かっていった。
まず、私の身体のことだ。
以前のようにずっと病院に閉じこもるばかりでは無く、外に出ることができる。 昔と同じ持病があることには軽く絶望したものの、今現在はステージ3で、ぎりぎり毎朝の通院で許されているらしい。
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
次に、この世界線のことだ。
転生前にみていたアニメで登場する、 「みまつや」「入江小学校」「巴川」 など…
どうやら、国民的アニメ 『ちびまる子ちゃん』 の世界に転生したようなのだ。
相浦琴葉 (あいうらことは)
朝はお母さんと病院の為、学校に着いた時には9時を回っていた。
1時間目も終わりに近づく頃合い、教室では戸川先生が受話器を戻していた。
戸川先生
戸川先生
ガチャリ、と受話器をもとに戻す。
たまちゃん
丸尾くん
まる子
電話が終わり、その内容について話をする声が教室に響き渡る。
戸川先生
クラス全体が、静まり返る。
戸川先生
クラス一同 えぇ〜〜〜っ?!
たまちゃん
まる子
丸尾くん
関口
長沢
藤木
長沢
戸川先生
皆の視線が前の扉に集中する。
ガラガラッ
サラサラとした艶のある髪に、 綺麗にそろったEライン。 絹のような白い肌。少し垂れ目気味の二重瞼は愛らしさを強調している。
クラスの人たち
クラスの人たち
クラスの人たち
転校生が、前に立つ。
戸川先生
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
そんなことを思っているとは事知らず、 クラスの人は、私に様々な眼差しを向けていた。
戸川先生
先生から指定された席に歩いていく。
隣の席の人は誰だろう。 私はちらりと横を見る。
前田さん
前田さんだ。
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
『前田ひろみ』 知ってはいるものの、 今の自分は転校生。 いわば、はじめましてなのだ。 なるべく自然に、私は名前を聞いた。
まる子
長沢
藤木
そんなクラスメイトをよそに、 前田は答える。
前田さん
前田が答えると、 琴葉は嬉しそうに声を上げた。
相浦琴葉 (あいうらことは)
授業を終えるチャイムとともに、 皆が一斉に転校生の元へと集まる。
どうやら、廊下にも 人集りができているようだった。 転校生ともなれば、 皆興味が湧くのだろう。
クラスの人たち
クラスの人たち
クラスの人たち
クラスの人たち
様々な質問で、 その場が埋め尽くされる。
相浦琴葉 (あいうらことは)
私は、それら一つ一つに、 丁寧に答えていった。
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
我に返った琴葉は、 ちらりとクラスメートの顔を覗くと同時に、皆暗い顔をしていることに気がついた。
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
実をいうと、相浦琴葉は、今までの闘病生活により周りとの感覚が他と違った。
普通は、少なくともここでは、 病気には皆関わりが無いに等しいのだ。
再び持病を持とうとも、外に出ることができる。皆と元気に遊べる。 そんな事実に 一喜一憂する自分とは違い、 持病というレッテルに暗くなる一同。
自身でその『違い』を見つけることは、 相浦について難しいことだった。
相浦琴葉 (あいうらことは)
丸尾くん
「お前、よく聞けたな。」 「どうなんだろう…。」「誰だよ、ズルって言ったの。」
そんな声が、ひそひそと聞こえてくる。
対して、琴葉はさも当然かのように丸尾に答えた。
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
琴葉一人をおいて、 クラスの人たちは唖然とした。
自分たちと違い、 非現実的な生活を送っている転校生。
こうも違うものなのか。
こうも違わなければならないのか。
どうしてだろう。 丸尾くんらを含めたクラス一同は、その衝撃をもとに考えた。
第3話終わり!!! 次もお楽しみに〜!!!