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玲 凪

記憶のカケラ

苦手なかたは🔙

夕焼けに差し掛かる 時刻だった。

明日は高校最後の修学旅行

君も俺も楽しみにしてた

俺は君に言った

玲王

凪!

玲王

また明日ここで会おうな

玲王

遅れんなよッ

、、、

すると君は俺の手を 物惜しそうに引っ張った。

ねぇ玲王

「ーーーー」

玲王

、、、パチッ

あれ?

ここはどこ?

玲王、おはよう

玲王

、、、?

さっきまで俺 夕焼けの下で凪と、、、

玲王

誰、、、ですか?

凪だよ、、、

凪は少し寂しそうに言った。

玲王

凪ッ!?

確かに凪だ

体がひと回り大きくなった

玲王

なんか変わったね、

、、、もう25歳だからね

玲王

え?

玲王

何言ってるの

玲王

俺たちは18歳でしょ?

玲王、俺たちは25歳なんだよ

玲王

え?

玲王

だってさっきまで!修学旅行の前日で

違うよ玲王

この家は俺と玲王の家でしょ?

玲王

俺と凪の?

なんで?

なんでなんでなんで???

玲王

タイムスリップ、?

、、、玲王おかしいよ

まぁとりあえず着替えたら?

玲王

、、、!

なんで全裸なんだ!?

玲王

、、、バサッ///

玲王

凪、着替えちょーだい//

うん

まぁ座って

玲王

うん、、、

ここが、、、俺と凪の家?

てかなんで一緒に住んでるんだ?

玲王

凪、、、!あのさ

なに玲王?

凪は真っ直ぐ俺を見つめた

玲王

、、、いや、、、なんでもないフイッ

聞いてはいけない 気がした

玲王

、、、

はいココア入れたから落ち着いて

玲王

ありがとう

、、、

玲王

なんで俺、、、

玲王

タイム、、、スリップ?

、、、そーなの?

玲王

逆にそれしかない

玲王

ほんとにさっきまで昔の凪と、、、

俺と何話してたの?

玲王

、、、凪と

玲王

また明日ここで会おうねって

玲王

それで最後に凪が、、、

「ーーーー」

玲王

なんだっけ、、、

ほんとにあるんだねそんな話

玲王

信じてくれるのか!?

、、、うんニコ

玲王のこと疑いたくないから。

だから玲王も俺を信じてね

玲王

あぁ!

あの時凪はなんて言ったんだっけ

俺はなんて返したんだっけ

玲王

、、、

思い出せない

ごめん、少し席を外すね

玲王

あぁ

プルルルル (電話)

???

はい?

もしもし

???

久しぶり、凪さん

???

玲王、最近どう?

変わりありませんよ

???

それはよかった

また近々訪ねますね

???

玲王のこと、よろしくね

???

凪さんがいて安心だわ

いえ、こちらこそ

それでは失礼しますポチッ

、、、はぁ

ピーンポーン

、、、?

玲王

凪ぃ〜?

玲王

誰かきたの〜?

あ、俺が出るから玲王は座ってて

玲王

はぁーい

はぁーい?

潔でーす

潔?急になに?

そんな言い方はないだろー?

たまたま近く通っただけ

ふーん

家入る?

いいの!?✨

別に、、、あ玲王いるよ

あー、、、

大丈夫なのか?

うん、変わりないよ、玲王は、、、

違う、お前だよ

え?

凪が大丈夫かって

、、、大丈夫だよ

早く入んないと追い出すよ?

あー悪かったって

おじゃましまーす

玲王

、、、凪、誰?

玲王

って潔!?

、、、何言ってるの玲王

覚えてるでしょ?

玲王

あぁ!修学旅行同じ班だったよな!

玲王

俺すげー楽しみにしててさ!

玲王

凪も楽しみって言ってただろ?

、、、懐かしいな

玲王

そうだ!

玲王

タイムスリップしたなら修学旅行の写真あるんじゃね!?

玲王

なぁ凪!卒アルねぇの!?

玲王は修学旅行に行ってないよ

玲王

、、、え?

卒アルにも写ってない

潔、この話はやめよう

玲王は修学旅行の前日、、、!!

潔ッッ!!!!

なんでだよ

そろそろ言った方がいい!

凪だって辛いだろ!?

辛いよ?

でも言ったらもっと辛い

修学旅行に行ってないって どういうことだ??

潔はなにを 言ってるんだ?

俺は修学旅行 の前日に 何があったんだ?

玲王

凪、、、?

、、、ッ

玲王

俺、、、ッ

ごめん、玲王ギュッ

俺、ちょっとお菓子買ってくる

凪ッ、、、!

頼むから余計なことしないでね?潔

ガチャン

玲王

、、、凪

、、、ッックソッ

これでいい、、、これでブツブツ

玲王を壊してしまったのは 俺だろ?

”凪が辛い?”

自業自得だよ

もし玲王に 言ってしまったら

きっと玲王が傷つく

それは嫌だ

あの時、、、

引き止めてればなぁ、、、

修学旅行の前日

玲王

凪ッ!

玲王

また明日ここで会おうなッ!

玲王

遅れんなよッ

夕日に照らされる君が 輝いて見える

、、、グイッ

無意識に玲王の手を 引っ張っていた

ねぇ玲王

「好きだよ」

、、、

この時そう口に出さなければ 未来は変わったかもしれない

玲王

ほんとか、、、凪、?

、、、うん

玲王

俺も、、、好きだよ?

、、、ッ

嬉しかった

好きな人に好きと言われるのが どんなに幸せなのかようやく理解した

玲王

なぁ凪!今からうちに来なよ!

え、、、?

玲王

いいだろッ?グイッ

、、、うんニコ

この時、大人しく家に帰っていたら あんなことにはならなかった

玲王

それでさ〜潔がね

うん

横断歩道に差し掛かる頃だった

玲王より一歩前に出ていた俺は

玲王

凪ッッあぶないッッ!!!

信号無視したトラックが つっこんできた

キキーーーーーッッ

玲王

凪ッッッグイッ

えっ

ドンッッ

玲王!?

轢かれそうになった俺を庇った 玲王は大怪我を負った

玲王ッ玲王ッ

血まみれになった玲王を 見て体の血が凍ったようになったのを 今でも鮮明に覚えている

玲王は何時間にもわたる 大きな手術を受けた

医者

一命は取り留めましたが

医者

記憶障害が残ります

医者

玲王様の場合だと、記憶する力が低下しています

医者

なので一日も経たないうちに記憶が消えてしまいます

医者

しかし、時を重ねるにつれ記憶できる時間も増えていきます

俺が、玲王を元通りにします。

医者

とても心強いです

医者

玲王様の記憶は18歳で止まっています

医者

凪さんなら、その先を見せてあげられると思います

、、、ありがとうございます

玲王

、、、パチッ

玲王

、、、

玲王ッ!ガタッ

玲王

、、、どうしたんだよ笑

玲王

そんな慌てて

れッ玲王ッ、、、俺のことわかる?

玲王

あぁ?笑凪だろ?

玲王

あれ、なんで俺病院にいんだ?

玲王

なんでベットの上に、、、?

玲王

俺さっきまで夕焼けの下で凪と、、、

、、、

何言ってるの玲王、、、寝ぼけてるの?笑

玲王は数日前からこの病院に入院してるんだよ?

玲王

チラッ、、、そう、、、だったっけ

ごめんね、玲王

俺の口からは言えない。

ねぇ玲王、少し散歩しようよ

玲王

、、、あぁ

俺は玲王の手を握った

とても冷たく硬かった

、、、?

玲王

よいしょフラッうわ

玲王ッガバッ

玲王

あ、ありがとう//

危ないから、気をつけて

玲王、こんなに痩せてたっけ

まぁ当たり前か。

何日もご飯も食べずに 寝てたんだから

玲王、売店でメロンパン買おっか

玲王

買う!

よし、行こう

玲王

あぁ!

次の日

玲王〜お見舞いきたよ

玲王

ん、凪!?

玲王

聞いてくれ!凪!

玲王

俺さっきまで凪と夕焼けの下にいたんだ

玲王

なのに、気がついたらここに、!

、、、ッッ

嘘だ、、、?

もうここには 昨日までの玲王はいない

れッお、、、ポロポロ

玲王

凪!?

昨日までは正直 玲王の違いに気づかなかった

あぁいつもの玲王は 消えたんだ

実感が湧く

その後も来る日も来る日も 玲王の記憶はリセットされていた

玲王

凪!俺さっきまで夕焼けの下で

、、、

やめてよ、、、ッ玲王

もういいから

うんざりだ。

玲王

え?凪?

もう疲れたよ俺

戻ってきてよ!玲王ッッ、、、!ガシッ

ねぇ!!!ポロポロ

看護師

どうされました!?

看護師

凪様!?離してください

ハッ

玲王

ビクッ

あ、、、

、、、ごめんなさい、、、

少し頭冷やしてきます

ガチャン

看護師

玲王さん、大丈夫でしたか?

玲王

ん、あぁはい

俺はおかしくなってしまった。

だからこんないけないことを しょっちゅうしてしまった

玲王は何も悪くないのに

俺が全部悪いのに

今ではそんな生活は もう慣れた

毎日、新しい玲王と 会って話して。

最近では何も感じない。

潔が言うように、玲王に 真実を伝えてみたらいいのか?

でもそんなことしたら、、、

玲王、傷つくよな、、、

明日にはなったら また忘れちゃうか?

でも玲王の記憶も 一週間は持つようになってきた

はぁ

玲王

凪ッッ〜!

玲王!?

なんで!?ガバッ

玲王

うわッなんだよ凪

、、、危ないでしょ勝手に家から出てきたら

玲王

大丈夫だよ、赤ちゃんじゃないんだから

、、、大丈夫じゃない。

てか潔は?

玲王

、、、

どーせ潔に凪追いかけてこいよとか言われたんでしょ?

玲王

いや、それは違う

玲王

潔は、今ソファに座ってずっと固まってる

玲王

凪と喧嘩したからじゃないのか?

、、、

玲王

なぁ謝ってやれよ

そんなこと言いに来たの?

玲王

、、、!

玲王

そんな言い方ないだろ?

玲王

別に外に出ようと俺の勝手じゃん

、、、ッ

勝手じゃない。

家にいてって言ったでしょ?

玲王

俺は凪の所有物じゃねぇんだよ!

玲王

アルバム、、、見つけたんだ

玲王

全部家の中で撮った写真だった

玲王

昨日までの俺を家に閉じ込めてたんじゃないの?

玲王

俺は、凪の言いなりにはなりたくない。

、、、ッッッ

なんでそんなに 責めるんだよ

ねぇ玲王

俺、玲王のために 色々我慢して頑張ってきたんだよ?

何も知らないくせに。

俺の苦労も苦痛も悲しみも何にも知らないくせに、、、ッッ

勝手なこと言わないでよ、、、ッ

俺がどれだけ玲王を、、、ッッ

玲王

何も知らないくせにってさ、

玲王

凪が何も教えてくれないんじゃん!

、、、

もう聞きたくない

やめてくれ、、、

もうこれ以上この話はしたくない。

玲王

逃げるの?

もう、、、やめてよ、、、ポロポロ

これ以上思い出したくない、、、ポロポロ

いっそあの時、玲王が 死んでくれてれば 俺も自殺できて楽だったのに

玲王、今まで窮屈だった?

ごめんね

でも家から出してまた 玲王を失ったら、、、

俺はもう、、、ポロポロ

玲王

凪、、、?

ごめん、玲王、、、俺、、、

先帰るからさ、

街で遊んできていいよ

車には気をつけてお願いだから

玲王

え、、、ッ

はい、お金渡しとくね

じゃあ、、、

玲王

、、、

、、、ただいま〜

凪、、、おかえり

俺、さっき言いすぎたわ

ほんとに、凪が心配でさ。

うん、、、

ねぇ潔

ん?

玲王になんか言った?

いや、、、?

あ、、、ごめん引き止めなくて

多分凪のこと追いかけたんだなって思って

うん、来たよ、玲王

、、、なんて?

いままで俺を閉じ込めてただろって、、、

それで、、、言い合いになって

俺は凪の所有物じゃないってはっきり言われた

初めて本人からあんなこと言われたからちょっとショックだったな

俺は玲王に全部を尽くしてきたのに、、、

こんなの、勝手にしてるだけなんだけどね。

偉いよ凪は。

俺は凪が頑張ってること1番よく知ってる。

玲王は何も知らないからそう言ったんだろ?

、、、

言うのが怖い。

、、、なぁ

やっぱ俺が、、、

それは嫌だ。

わかった言うよ潔

自分のタイミングでしっかり話すよ

うん、、、ニコ

頑張って。応援してるから。

今日、言おう。

玲王は記憶喪失 なんだって。

玲王は俺を庇ってこうなったんだって。

俺、しっかり玲王と話すよ

玲王が帰ってきてくれた時はね。

玲王のこと探しに行かないのか?

、、、いかない

だってもう見放されてるよ

それに無理やりなんて嫌だし

、、、そうだな

じゃあ、今日はもう

あぁ帰るよ、時間だし

頑張れよ、凪!

なんかあったらすぐ連絡しろよ?

うん

ありがとう潔

俺、頑張ってみるよ

あぁ

玲王

はぁこれからどうしよう、、、

凪は、何のつもりで俺を 閉じ込めてたんだ?

なんで何も教えてくれないんだろう、、、

玲王!?

玲王

潔、、、!

こんなとこにいたのか、、、

凪が家で待ってるぞ?

玲王

、、、

玲王

探しに来ないから心配じゃないんだよ

ははッ笑

玲王らしいな

玲王

てか帰るもここがどこかわかんねぇし

どうするつもりだったんだ?

玲王

、、、公園で野宿?

ふーん

凪は探しに来ないよ。

玲王

、、、ッ

玲王

別に、、、

凪はほんとに玲王を愛してる

だから探しに来ないんだ

玲王

は?

お前、凪にひどいこと言ったろ?

凪はもう玲王に見放されたと思ってるから

それに凪は連玲王を無理やり連れ帰ることなんてしない。

あいつ、、、優しいから

玲王のことだけはボソッ

玲王

、、、

玲王が帰りたくないならいいんじゃない?

なんならうち来るか?

玲王

、、、俺

玲王

帰る

また閉じ込められるかもしれないぞ?

玲王

、、、あぁ

玲王

でもなんか、、、会いたいんだ

、、、そっか

道、わかんないんだろ?

玲王

あぁ

送ってやるよ

玲王

いいのか?

おう!

送るだけだからな

玲王

ありがとな

玲王

ふぅー

着いてしまった、、、

玲王

頑張れ、俺、ポチッ

ピンポーン

ガチャ

はい

、、、あ

玲王

ただいま

、、、うん

玲王

凪、、、あのさ

寒かったでしょ、ココア入れるね

玲王

、、、あ、あぁ

凪は怒ってはいなかった

でもどこかピリピリしていて

はい、コトッ

玲王

ありがとう

玲王

凪、まず、、、謝りたくて

いい。

謝らないで、玲王

俺が悪いから。

玲王

凪、、、違うだろ?

俺、ちゃんと玲王に話すから。

今まで怖くて言えなかったんだ

玲王

、、、

玲王には、記憶障害があるんだ。

え?

俺たちが18歳の頃、修学旅行の前日、

玲王は俺を庇ってトラックに轢かれた

玲王

、、、え?

俺のタイムスリップした頃?

一命は取り留めたけど玲王は記憶障害を負った

最初のころは1日で全てを忘れてた

だから、毎日、毎日、玲王は18歳の記憶にリセットされてたんだ。

最近では一週間はもつよ

玲王

え、、、

つまり、来週の俺は また何も知らない。

玲王

そんなのッ、、、

、、、

玲王

凪が可哀想じゃないか、、、!

え?

玲王

俺の無限ループに何度も何度も付き合わされて、、、

こんなのあんまりだ

玲王

ごめんッほんとに、、、俺、、、何も知らないのにひどいこと、、、ッ

玲王

あんな、、、ポロポロ

玲王、、、?

泣いてるの?

玲王

、、、グスッ

玲王

なぁ凪、俺、これからどうしたらいい?

え?

玲王

俺、凪といたいけど

玲王

、、、辛い思いさせたくないポロポロ

、、、玲王、グイッ

ここにいていいよ。

玲王がいない方がずっと辛い

きっともう立ち直れないし

玲王

、、、でも

お願いここにいて

玲王

、、、わかった

玲王

明日にはこのことも忘れてるかもよ?

、、、構わない。

何度だって言うよ

二度目は怖くないし

凪の優しい声は 胸に滲みた

今日はもう寝よう

玲王

、、、

怖い

朝起きたらまた 記憶がないなんて

大丈夫。

今日は色々思い出しながら寝よう?

玲王

、、、そうだなッニコ

玲王

電気消すぞ

うん、

玲王

バサッ

俺は布団に潜り込んだ

玲王

凪、もっとこっち寄って

うん

ナデナデ

俺のことだけ考えて寝てね玲王

玲王

あぁ笑

目を瞑った

今日は大丈夫な気がする

玲王

おやすみ、凪

、、、おやすみ

記憶のカケラ

この作品はいかがでしたか?

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コメント

7

ユーザー

なんと私、画面の向こうで半泣きでございます

ユーザー

めっちゃ泣きそうになった!😭

ユーザー

帰ってきたー!😭 またフォローさしていただきまふ

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