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いくみ
いくみ
いくみ
いくみ
※名前、年齢操作有り
拓斗
千颯
※平仮名は彼らの幼少期です
今日は夕方から会議がある
千颯
今日は6月10日。 そう、梅雨真っ只中なのだ
俺、一ノ瀬千颯(いちのせちはや)は 29歳、IT系の会社で社畜をしている
千颯
会議中
千颯
みんなは、恥をかいたことはあるか?
俺はある。 確か、中学の頃だったかな
たくと
毎回この言葉から始まる、 不思議なやつと不思議な会話
此奴は同じクラスの堺拓斗(さかいたくと)
特別仲がいいわけでもないが、 このロボットの話をたまにする
俺はこの時間が何だか心地よくて好きだった
とある日の横断歩道
ちはや
ちはや
向こうに向かって手を振った
すると、その人はとても怪訝そうな顔をしていた
ちはや
上級生と間違えたようだ。 とてつもなく恥ずかしくなった
ちはや
言い訳をする間もなく ただ髪を触って信号が切り替わるのを待っていた
たくと
ちはや
たくと
たくと
ちはや
そう思っていたのに 拓斗は普通に話しかけてきてこう言った
たくと
ちはや
今まで話してきたからわかる
俺のことを遠回しにバカにしている訳では無い。 先程の現場を見て、ふと気になったのだろう
ちはや
ちはや
たくと
たくと
あまり共感の出来るものではなかったが 分からなくもなかった
ちはや
たくと
たくと
たくと
ちはや
とある日、美術の授業中
たくと
拓斗が転んだ
それも盛大に。
お陰で彼の持っていた絵の具は 水ごと全て零れた
それで、この授業の間は 掃除をすることになった
たくと
舌打ちをする者もいれば わざと聞こえるように悪口を言う者もいた
ちはや
拓斗に憧れのような気持ちを抱いていた僕は 少し不思議な感情にみ見舞われた
片付けが終わりそうになった頃 拓斗が僕に話しかけてきた
たくと
ちはや
ちはや
たくと
たくと
ちはや
人に迷惑を掛けておいて、何を言っているんだ こいつは。と
その時は怒りに近いものが湧いてきた
ちはや
自分が思っているよりも遥かに ドスの効いた冷たい声が出た
たくと
たくと
ちはや
ちはや
怒りも相まり、 酷く冷たい態度をとった
たくと
ちはや
呆れるように無視をした
たくと
たくと
たくと
そう言い残して、 教室を出ていった
そこから拓斗の姿を 1度たりとも見ていない
絵の具事件の翌日、 転校したことが伝えられた
拓斗の希望で言わないようにしていたのだと。
ちはや
日付を確認した
千颯
千颯
そう。この回想によって 思い出したのだ
拓斗との約束を
会議が終わり雨も降っていたが 速攻、駅前へ走って行った
駅前に行くと、公園ではなく ドーム型の会場があった
千颯
ロボット展覧会は本当に今でもあった。
千颯
そう思い、 少し覗いていくことにした
中に入ると、ロボットと人間がキャッチボールをしていた
どうやら、開発者が何か説明をしている
千颯
千颯
でもやはり、どこを見ても彼の姿は 見当たらなかった
千颯
帰ろうとしたその時
ロボットが転んだ
ザワザワ
千颯
開発者
開発者
この言葉を聞いた瞬間ハッとした
と同時にスクリーンに開発者の顔が映し出された
開発者
開発者
千颯
千颯
開発者
そう、開発者とは 小学時代いざこざもあったあの拓斗だった
拓斗
大型犬の様に俺に尋ねた
拓斗が操作しているのか、 本人の気持ちを表しているのか、 ロボットまで俺に手を振っている
全員が俺に注目していた
千颯
彼らは恥ずかしいとも思っていないのだろうか。 俺の気も知らないで。
千颯
いくみ
いくみ
いくみ
いくみ
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