ハンカチも日用品も 必要なものは無事に買えた
買い物に集中していたので 見られなかった景色をもう一度見回す
特徴的な大きい建物に スクランブル交差点
チャラチャラとした 煌びやかな服を身に纏う若者に 特攻服を着てコチラを時々見つめる不良も 少なくはない
渋谷と六本木の雰囲気は なんだか違うように思えたので なんとなく、緊張が走ってしまう
外には用がなければ出ないし 遠出なんて以ての外
慣れない環境に
手を握る力が、自然と強くなった
蘭
急に、そんなことを言い始めた蘭は 承諾を取るような表情をして
竜胆は少し不安げに 目を逸らした
嫌な予感しかしない
梨
蘭
彼は半ば無理やり手を引く
三人で向かったのは
梨
とても用があるとは思えないけれど…
蘭
竜胆
灰谷蘭の強引さ 竜胆兄の優しさには 随時頭を悩ませられる
混乱しそうだ
まぁ、急ぎという訳でもないし 大してそこまで大きな事ではないだろうと 渋々頭を縦に振る
梨
挟まれるようにして足を入れると あまりにも多すぎる人だかり
渋谷の緊張とは比にならない緊張が 途端に胸を締め付けた
なんだ、これは
喧嘩賭博にしては大袈裟すぎるし 抗争にしてはあまりにも静かすぎる チームもてんでばらばら
これから何が行われるのだろう
二人からはなんの説明もないまま 俺を高台にひょいと抱え 再び挟まるようにして座った
梨
蘭
梨
不安がる私を嘲笑うように どうだろうね、とニヤニヤ笑う蘭兄 竜胆兄はさりげなく上着を脱いで 俺の頭に被せた
六本木のカリスマ兄弟は竜胆兄と蘭兄の二人だけ 俺の噂は幸せなことに、たっていないので 誰おま状態であり
注目を浴びるのは自然な事だ
竜胆
観戦? 抗争の?
もし、本当にそうだとしたら
梨
竜胆
当たり前かのように話す彼だが
生憎私は不良じゃない
コメント
1件