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すたーと、
それは、いきなり起こったことだ。
テレビアナウンサー
テレビアナウンサー
テレビアナウンサー
初兎
そんなの予想もしてないし、想像したくもない。
でも、これが人生なんだな、と思った。
そして…最期に俺がすることは…
誰かに会うこと。 ただそれひとつ。
初兎
いつから走っているかも、分からない。
気付いたらテレビを消して、扉を開けて、そのまま家を飛び出して、
息が切れる…けど、
それよりもっと大切なものがあるはずだ。
実際、その゛彼゛が誰なのかも分からない。
けど、絶対に会いたいんだ。
何処に住んでるのかも、名前も、電話番号も、何もかも知らないあなた。
そんなあなたが愛おしい。
今すぐ抱きついて泣き喚きたい。
ピーンポーンパーンポーン……
町内放送だ。
えー…隕石が降るまで残り… 3時間です…
ピーンポーンパーンポーン…
たったの数秒で放送が切れた。
残り3分…
抱きついて泣き喚けなくても…
あなたの姿を一目見るだけでいいんだ。
if
気付いたら走っていた。
誰に会いに行くのも分からない。
今は何処なんだろう…
見たことない景色… 府外だろうか…
分かることは、かなり走ったことだけだ。けど、
それよりもっと大切なものがあるはずだ。
息が詰まる…肺が痛い…
けどそれを乗り越えても会いにゆく。
必ず。絶対に。
太陽が沈んだ。
初兎
初兎
…目の前に…求めている君がいた。
if
if
優しく包み込むような笑顔。 それを求めていたんだ。
すらっとしている身長。 ぱっちりと開いているが少し長細い目。 しゅっとしていて細い足。
俺が思っていたのはこれだ。
やっと会えた。
if
月が近い…
もう終わるのか……
???
if
if
この子だ!、
if
初兎
今すぐ消えそうな顔…。
すごく小さくて可愛らしい。 目もぱっちりできゅーと。 半ズボンを履いていて、ちょっとだけ細い。
やっと会えた。
初兎
初兎
初兎
初兎
そう言った途端、
時が止まった。
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