月夜
月夜
月夜
月夜
叶
月夜
星月夜以外)え?
加賀美
月夜
長くなるかもしれませんが
そう前置きし、口を開いた
あの頃の私たちの日常を、 知ってもらう為にーー
物心ついた時から、 隣には叶努がいた
といってもその時は名前なんてなく、 "おい"や"お前"などと呼ばれていた
殴る、蹴るといった手加減のない 攻撃は小さい頃の私にとって 恐怖として刻まれた
今でも人が近づいて来た時、 手が近くに来ると その時のことを思い出す
人が近づくことはないように 敬語と適切な距離感を覚えた
暴力を振るう時、彼女はいつも言った
女の人
女の人
どうやら彼女の相手は亡くなった ようで、亡くなったのを私のせいだと責め立てて暴力を振るわれていた
私はどうなってもいい、 この子を守らねば
その思い1つだけで、 私は叶努を守り続けた
そのようなことは長く続き、 6歳ぐらいになった時
家賃の滞納で 大家さんと警察がやって来た
彼女は居留守を使ったが、 鍵を開け入って来た
私たちは保護され、彼女は捕まった
女の人
女の人
彼女は最後に私にそう言いながら 連れて行かれた
月夜
ひと通り話し終えたのか言葉を切るが 誰も何も喋らない
月夜
たくさんある
叶
月夜
そう言って右目に かかっている髪をよけた
叶
月夜
月夜
月夜
月夜
月夜
黛
星夜
月夜
2人はいつも隣同士にいる
座る時も、移動の時も
いつも左側に月夜、右側に星夜でいる
星夜が、月夜の目になっている
叶
違う人と歩く時、 月夜は相手の右側にいる
それは、見えないから
月夜だけに敬語を使わないのもそう
それほどまでに相手を信用し、 信頼しているから
一緒に育ってきたから
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