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踵を返そうとした瞬間、 聞き覚えのある声がした。

春夏/Haruka

やっ…!離してください!!

紀黑 創/Kiguro Sou

…はぁ…仕方ない

路地裏に向かい、声の主の方へ歩いて行く。

ナンパ男

えーやだよー笑

ナンパ男

きみ、1人でしょ?危ないよー?

紀黑 創/Kiguro Sou

ちっ…

後ろから、あの女をナンパしていた男を蹴り飛ばした。

ナンパ男

ぐはっ…ぁ…!

紀黑 創/Kiguro Sou

モテねぇおっさんがなに女子高生の腕を掴んで強制させてんの

紀黑 創/Kiguro Sou

だっさ

春夏/Haruka

…!紀黑くん!!

ナンパ男

なんだよ、お前ら…知り合いか?

まだ余裕そうに口元をニヤケさせていた。

紀黑 創/Kiguro Sou

知り合い…か

春夏/Haruka

…そう、そうで──

紀黑 創/Kiguro Sou

何言ってんの?俺ら恋人だろ?

そう言って、この女の肩に腕を回して見せつける。

春夏/Haruka

…へ、、

ナンパ男

っち、男いたのかよ、、

そう言いながら去って行く。

紀黑 創/Kiguro Sou

はあ…君さ、危機感とかないの?

春夏/Haruka

え、危機感ですか…?

紀黑 創/Kiguro Sou

さっきみたいに男に言い寄られて、護身術習ってねぇの?

春夏/Haruka

…はい、今まで私にナンパしてきた人はいなかったので…

紀黑 創/Kiguro Sou

…だから危機感足りねぇんだな

紀黑 創/Kiguro Sou

じゃあ今日は手繋いでデートしようか

仕方なく手を繋いで歩き出す。

春夏/Haruka

あのっ…!私の服…どうですか?

突然そんなことを言われピタッと止まったが

紀黑 創/Kiguro Sou

……似合ってるよ。いいと思う

春夏/Haruka

…ほんと!?やった!!嬉しい大好き!!

お礼を言って俺に引っ付く…苦手なタイプだ。

桜兎にこんなところ見られたら、また誤解されるけど、今は男としてこいつを守ろうと頑張っている

紀黑 創/Kiguro Sou

(でもやっぱり、桜兎には見られてませんように…)

そうして、彼女の行きたい場所へ行っていると、すぐに日が暮れていく。

ここ最近、日が沈むのが早いと思うんだよな…

紀黑 創/Kiguro Sou

じゃあ、そろそろ帰ろうか

春夏/Haruka

待ってください…!

春夏/Haruka

あの、今日は…その、楽しかったですか?

紀黑 創/Kiguro Sou

…ああ、まあ…

春夏/Haruka

本当ですかぁ!?嬉しいです!!

紀黑 創/Kiguro Sou

また男に絡まれないようにね

春夏/Haruka

紀黑くんが私の彼氏になってくれれば…──

紀黑 創/Kiguro Sou

ごめんな。お前の気持ちには答えられない

春夏/Haruka

っ、!

春夏/Haruka

……そうですか

紀黑 創/Kiguro Sou

ああ、だから…

続きを言おうとした瞬間、俺の唇に柔らかいものが当たった気がした。

紀黑 創/Kiguro Sou

…は

春夏/Haruka

…愛してるよ♡

その時、何をされたか悟った。

紀黑 創/Kiguro Sou

……は、おまっ…

気恥しさからではなく、単に怒りが募ってきたからあまり言葉が続かなかった。

もし、もしこの場面を桜兎に見られでもしたら…俺は生きていけない

紀黑 創/Kiguro Sou

……

春夏/Haruka

何キョロキョロしてるの?私の彼氏くん♡

紀黑 創/Kiguro Sou

っ…!お前なんなんだよ

こいつの腕を振り払った。

春夏/Haruka

え…だって、好きな人の恋人になれないと意味ないじゃない?

紀黑 創/Kiguro Sou

そんなの、俺だって一緒だよ!

紀黑 創/Kiguro Sou

だからって、キス…

春夏/Haruka

あのとき、されるかなって一瞬期待してたんですよ?

春夏/Haruka

なのにしてくれなかった…悲しかったんです!

紀黑 創/Kiguro Sou

……ちっ、きめぇ

やっぱり、女は女なんだ

こいつは違うかとか思った俺が馬鹿だった。

違っても桜兎の気持ちは変わらないけど

春夏/Haruka

…あ、

紀黑 創/Kiguro Sou

え?

こいつの目線の先には、呆然と立ち尽くしていた桜兎が居た。

……は?居た?

紀黑 創/Kiguro Sou

うそだろ…

紀黑 創/Kiguro Sou

桜兎!!!!

虎珀 桜兎/kohaku Oto

っ…!

俺の声にハッとしたのか、桜兎は逃げてしまう。だが、あの時みたいに逃げさせる訳にはいかない

誤解だけは解いてしまわないと…

紀黑 創/Kiguro Sou

桜兎っ…はぁ…桜兎!!

やっと追い付いて腕を掴む。

虎珀 桜兎/kohaku Oto

っ、創くんはやっぱり女の子が良かったんだね

虎珀 桜兎/kohaku Oto

僕の気持ちは勘違いだったんだね

紀黑 創/Kiguro Sou

は、何言って…違う!!

紀黑 創/Kiguro Sou

勘違いなんかじゃない!

紀黑 創/Kiguro Sou

俺は、一時も君のことなんて忘れたことなかった!!

虎珀 桜兎/kohaku Oto

クサイ台詞だね

紀黑 創/Kiguro Sou

本当だって…ごめん、あいつに強引にキスされて…

紀黑 創/Kiguro Sou

俺が辞めさせればよかったんだよな

虎珀 桜兎/kohaku Oto

ねえ、創くん

紀黑 創/Kiguro Sou

な…なに、?

虎珀 桜兎/kohaku Oto

僕がなんで、こんなことで怒ってると思う?

紀黑 創/Kiguro Sou

……え

虎珀 桜兎/kohaku Oto

自分のこと好いてる人がいるのに、鈍いよね…

虎珀 桜兎/kohaku Oto

僕のはそういう好きじゃないけど

紀黑 創/Kiguro Sou

……なに、どういうこと?

紀黑 創/Kiguro Sou

よく分からないんだけど

虎珀 桜兎/kohaku Oto

いいよ。もう…僕のことさっさと諦めてよ

紀黑 創/Kiguro Sou

嫌!!諦めない!!

紀黑 創/Kiguro Sou

なんで俺が諦めなきゃいけないんだ?

紀黑 創/Kiguro Sou

絶対諦めないよ!!

紀黑 創/Kiguro Sou

それに、思い出さなかったらって約束だったろ?

虎珀 桜兎/kohaku Oto

…そうだったね

虎珀 桜兎/kohaku Oto

でももう創くんの気持ちは分かったよ

紀黑 創/Kiguro Sou

分かってない、全然分かってない!!

紀黑 創/Kiguro Sou

俺がどんだけ君のこと想ってるか…分かってないよ…

虎珀 桜兎/kohaku Oto

……

紀黑 創/Kiguro Sou

…!

なに、その…軽蔑するような目…。

嫌だ…嫌だよ…

桜兎と離れるのは嫌だ…

紀黑 創/Kiguro Sou

おっ…おと──

虎珀 桜兎/kohaku Oto

近寄らないで!!!

紀黑 創/Kiguro Sou

っ…

初めて、桜兎に線を引かれた

なんで俺、選択を間違えたのかな…

紀黑 創/Kiguro Sou

……はあ

冴木 花楓/Saeki Kaede

な、なに魂抜けたような顔してるの…?

紀黑 創/Kiguro Sou

あ、あ…お前か……

紀黑 創/Kiguro Sou

もう俺、ダメかもしれない

冴木 花楓/Saeki Kaede

え、もしかしてあいつと何かあったのか!?

紀黑 創/Kiguro Sou

……はあぁ…

でかい溜息をつく。

冴木 花楓/Saeki Kaede

……す、すまない

紀黑 創/Kiguro Sou

もうこの世の終わりだ

冴木 花楓/Saeki Kaede

いやいや、好きな人に避けられただけでそんな…

紀黑 創/Kiguro Sou

そりゃそうだよな…お前には分からないか…俺の気持ちが

紀黑 創/Kiguro Sou

好きな人には避けられ、軽蔑の眼差しを受ける俺の気持ちが……

冴木 花楓/Saeki Kaede

……

紀黑 創/Kiguro Sou

…面倒臭いって思っただろ

冴木 花楓/Saeki Kaede

え、いやぁ…?思ってないよ?

紀黑 創/Kiguro Sou

嘘つくの下手すぎだろ

冴木 花楓/Saeki Kaede

え、えへへ…?

紀黑 創/Kiguro Sou

褒めてねぇよあほ

冴木 花楓/Saeki Kaede

ヒドイっ、!!

紀黑 創/Kiguro Sou

本当に生きる意味なくなったな

中谷 游/Nakaya Yuh

うお、死んだ魚の目してる…

冴木 花楓/Saeki Kaede

游!!

中谷 游/Nakaya Yuh

花楓…こいつ、何があったんだ?

冴木 花楓/Saeki Kaede

それがさぁ…

中谷 游/Nakaya Yuh

わーお…まじか、お前の自業自得じゃん

紀黑 創/Kiguro Sou

そうなんだけどよぉ…、、

紀黑 創/Kiguro Sou

どうしたらいいんだ、、?

中谷 游/Nakaya Yuh

難しいこと聞くな…でもそれは紀黑たち自身の問題だろ?

中谷 游/Nakaya Yuh

頑張って解決しろよー

紀黑 創/Kiguro Sou

丸投げかよ!!

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コメント

1

ユーザー

はるか、ヤばすぎるやろ🙄創くん少し可哀想だなぁ🙃

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