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震える手でゆっくりとドアノブを回した。
ギィ……
部屋のドアが開く。竜がそこに立っていた。
竜
由美
1年ぶりに至近距離で目が合う。竜の瞳が激しく揺れている。
竜
短く切り刻まれた自分の髪。泣きはらした目。腫れが引かない頬。
由美
竜が1歩だけ部屋の中に入ってくる。私から1歩遠ざかる。
竜
由美
彼が唇を強く噛み締めている。
竜
竜が俯いて震える声で呟く。
竜
由美
思い出したくない。あの日、彼が背中を向けた瞬間
由美
竜
由美
竜
竜
竜がガタガタと震えながら部屋の床に膝を着く。
竜
竜
由美
ずっと、謝って欲しかった。
でも、謝られたら許したくなっちゃう。
大嫌いなのに、やっぱりこの人がいいって、思っちゃうじゃない。
部屋の中に2人の鳴き声が鳴り響く。
1年前の別れよりも、ずっと切ない沈黙。