【2話】 『齋の幼馴染み』
お付き
失礼します
突然ドアがノックされた。
相馬ルナ
は、はい…!
お付き
ルナ様。安倍晴齋殿が、いらしてますよ
相馬ルナ
ハルちゃんが…!?
5分後
安倍晴齋
失礼します
相馬ルナ
ハルちゃん!久しぶり…!
私は思わず立ち上がった。
嬉しかった。
彼とこうして会うのは、 一体いつぶりだろう。
安倍晴齋
お久しぶりです。ルナ様。お変わりない様子で…。
ハルちゃんはそう言うと、 小さく微笑んだ。
相馬ルナ
そう…。アオイ様は亡くなってしまったの…
安倍晴齋
……はい。俺のせいなんです
相馬ルナ
そんなこと…!
安倍晴齋
あるんですよ。俺があのとき……──っすみません
ハルちゃんはそう言うと、押し黙った。
アオイ様は、モノノケ庵の以前の主だ。当時のハルちゃんは、そのとき仕えていた奉公人なのだそうだ。
相馬ルナ
今はハルちゃんが、主なんですよね?
安倍晴齋
ええ、まあ
相馬ルナ
奉公人とかいるの?
安倍晴齋
ええ……まあ
安倍晴齋
そんなことより、レミア様はお元気なのですか?
安倍晴齋
最近体調を崩されているとか…
相馬ルナ
お母様は相変わらずよ
相馬ルナ
この前なんて私の言うことなんて無視してまでも仕事をしようとするんですから
安倍晴齋
元気そうで何よりです
相馬ルナ
…………
安倍晴齋
どうかされましたか?
相馬ルナ
あ、いや、その…固いなあって…
安倍晴齋
…それは態度が、ですか?
相馬ルナ
う、うん…。幼馴染みなのに…。昔だってよく遊んだのに
安倍晴齋
…ご自分の立場を、そろそろ自覚すべきなのでは?
相馬ルナ
ん…
安倍晴齋
申し訳ありません。言葉が過ぎましたね
相馬ルナ
ううん。ハルちゃんは間違ってないです。ただ…
安倍晴齋
ただ?
相馬ルナ
あっ、いえいえ…!
相馬ルナ
それよりも、現世のお話が聞きたいです!
そう。 ハルちゃんは間違ってない。
ただ私がいつまでも甘えてるだけ
相馬ルナ
彼女は、安倍晴齋の幼馴染みであり、 隠世を治める、王族の娘。
【次回3話】
『波乱の幕開け』







