テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

崩壊ヒーロー

第1話 - 崩壊ヒーロー

2022年04月29日

#ヒロアカ

#二次創作

#妄想物語

みっちー

この話は志村転狐が死柄木弔にならなかった世界線の話。

志村転狐が助けを求めた時、救いの手を差し伸べたのがオールフォーワンじゃなかった世界線のお話。

志村転狐

いってきます。

転狐は仏壇に手を合わせ、そう言うと、玄関をでた。

イレイザーヘッド

えー、きょうはこの学校のOBに特別講師として来てもらってる。心して聞くように。

1年A組のみんな

おおー！

緑谷出久

この学校のOBってことは現役ヒーローってことだよね！一体誰だろ？あ、もしかして最近話題になってるあの人かな。いやでも、あの人も雄英出身だし…。もしかしたら僕が知らないヒーローってことも…。

峰田実

緑谷、お前が知らないヒーローとかいんのかよ…。
それよりOBかよ。OG連れてこいよ！OG！

爆豪勝己

てめぇら、うるせぇーんだよ！！タイプの違ううるささで余計に腹立つわ！！

A組の面々が騒ぐ中、ドアが空いた。皆静かになり、ドアに注目する。

志村転狐

失礼します

ドアを開けて入ってきたのは志村転狐だった。ヒーローコスチュームを来ている。

緑谷出久

はぁーー！やっぱりそうだ！！

峰田実

緑谷知ってんのか？

緑谷出久

もちろんだよ！最近話題になってる若手ヒーロー、崩壊ヒーロー『コラプス』だよ！！
災害などの救援で大活躍のヒーローだよ！

志村転狐

あははっ、そんなに褒められると照れるな

志村転狐

えっと、まず自己紹介を。僕はコラプス。さっき彼が言ってくれた通り、主に災害などでの救助を主体に活躍しています。

イレイザーヘッド

彼は2年前にここを卒業した生徒だ。俺の初めての教え子でもある。

飯田天哉

なんと！！それは先生としても思い入れがあるでしょう！

志村転狐

それで今日は恩人の相澤先生の頼みでここに来ました。皆に僕のヒーローのあり方を知ってもらえたらいいなと思ってます。

飯田天哉

コラプス先生！ひとつ質問をよろしいでしょうか！

志村転狐

先生はよしてくれ。質問には答えるよ。

飯田天哉

ではコラプス。あなたは何故ヒーローを目指したのでしょうか？

志村転狐

多分同じ人、多いと思うんだけど『助けてもらった』からかな。
じゃあまず、僕の過去から話そうかな。

志村転狐

僕の家にはルールがあった。父の決めたたった一つののルール。それは『ヒーローの話をしてはいけない』というルール。

志村転狐

それでも僕も周りのみんなと同じくヒーローに憧れて友達とヒーローごっこしたりしては父親にひどく怒鳴りつけられた。

志村転狐(5歳)

ねぇ、何でお父さんはヒーローダメって言うの？！僕のこと嫌いだから？！個性が出たらいいって言うの？！

転狐の母

嫌いなんじゃないよお父さんは…ただ…知ってるの

転狐の母

ヒーローは大変だってこと

志村転狐

幼い僕にとって家は自分を否定してくる場所だった。

志村転狐

でも華ちゃん、姉だけは僕の夢を否定しなかった。『2人でヒーローになろう』、そう言ってくれた。それに華ちゃんに連れられて入った父の書斎でみた写真で自分の祖母がヒーローだったということも知って、辛くても頑張れる。そう思った。

志村転狐

でも、ある日、そんな思いも全部消え去った。

転狐の父

転狐！！書斎に入ったな！？

転狐の父

見たな…！？

華ちゃん

だって転狐が見たいって言ったんだもん！！

志村転狐

このとき、華ちゃんに裏切られたことを子供ながらに理解した。

志村転狐

僕は父に思いっきりぶたれた。

志村転狐

ぶたれた所が痛んで、裏切られたことが悲しくて泣き続けた。

志村転狐

そこで僕に異変が起こったんだ。

志村転狐

僕に個性が発現した。その個性は強大で自分でも制御ができなかった。

志村転狐

僕の個性は全てを壊した。

志村転狐

僕は家族を殺した。逃げるように家を出たが5歳の僕にはどうしたらいいのかもわからなかった。

志村転狐

どうしたらいい、誰でもいいから教えてくれ、助けてくれ、罪悪感が喉に張り付いて声が出なかった。

志村転狐

中にはボロボロの僕を見て声をかけてくれる人もいたが、ヒーローが、誰か来るからと手を差し伸べてはくれなかった。

志村転狐

僕は度々5本の指で触れては物を壊してしまった。

志村転狐

そのうち疲れ果てて地べたに座り込んでいた。通る人は皆、見て見ぬふりをした。でもそんな時、ある人が僕の前に現れたんだ。

イレイザーヘッド

大丈夫、じゃないよな。

志村転狐

そこに現れたのは相澤先生だった。

志村転狐(5歳)

あ、あ、あ

イレイザーヘッド

ん。ゆっくり話すといい。ちゃんと聞くから。

志村転狐

相澤先生は震える僕の体を抱きしめてくれた。自分の制服が汚れることなんかに目もくれず。

志村転狐(5歳)

う、うわぁぁぁん！！

志村転狐

僕は相澤先生に抱きつくと相澤先生の胸で泣きじゃくった。

志村転狐(5歳)

あ、あ！！

志村転狐

僕の個性は5本の指で触れた物を壊す個性。それは人も例外じゃない。

志村転狐

僕は5本の指で触れてしまったのだ。

志村転狐

でも、相澤先生は壊れなかった。

イレイザーヘッド

大丈夫、『見てる』から

志村転狐

相澤先生は物を壊しているボロボロの子供がいると知り、僕の元へと駆けつけてくれたらしい。

志村転狐

僕は救われた。イレイザーヘッドになる前の相澤消太という人に。

志村転狐

そして憧れた。ボロボロで気の悪い子供をそっと抱きしめてくれたヒーローに。

志村転狐

まぁ、そんな感じで僕はヒーローを目指すことになったんだ。

志村転狐

相澤先生に助けられて僕は施設に入ったんだけど、それからも相澤先生は毎日のように会いに来てくれたんだ。

志村転狐

個性の使い方も一緒に考えてくれたりもして。

志村転狐

それから中学を出て雄英高校に入ったんだ。相澤先生が教師をしてるって聞いてね。

志村転狐

雄英でヒーローとは何かを学んで、今実際に現場に出て色んなヒーローと出会ったけど僕の憧れるヒーローはたった1人。

志村転狐

相澤先生なんだ。

相澤先生は転狐を見て微笑む。

志村転狐

だから僕の理想のヒーロー像はどんな人にも救いの手を差し伸べられるヒーロー。でもそれは難しい。手に届く範囲しか救えない。

志村転狐

だからせめて手の届く範囲にいる人は必ず助ける。決して見て見ぬふりをしない。それを常に心がけています。

転狐の話が終わると A組の皆は大きな拍手をした。

志村転狐

あ、そうだ！

志村転狐

みんなも相澤先生と結構過ごしてきて感じたとおもうんだけど

志村転狐

本っ当かっこいいよな！イレイザーヘッド！

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

みっちー

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

崩壊ヒーロー

第1話 - 崩壊ヒーロー

#ヒロアカの新着小説
一覧

作者の他の作品すべて見る

関連するタグ

崩壊ヒーロー

第1話 - 崩壊ヒーロー

#ヒロアカの新着小説一覧

作者の他の作品すべて見る

関連するタグ

#ヒロアカの新着小説
一覧