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ある大雨の日 僕は傘を持っていなくてびしょ濡れだった やっとたどり着いた東屋には 先客がいた 「あ、もしかしてあなたもですか!?」 嬉しそうにそういって 彼はとても可憐に笑った 「僕、ジミナっていいます!」 「ちなみに高2!」 聞いてないのに、自己紹介をしてきた さっきと同じ様に可憐に笑いながら。 僕が名前と歳を教えると 「へぇ〜!テヒョナっていうんだ!しかも同い年じゃん!」 「やった〜!」 高2とは思えないはしゃぎぶりだな なんだか、とても愛くるしく感じるな その後も雨は止まず、しばらくジミナと話し続けた ー…僕はジミナの愛らしさに惹かれていっていた 僕が笑うと ジミナは嬉しそうに、くすぐったそうに笑った 少し照れ臭そうに、 少し嬉しそうに、 少し寂しそうに、 少し切なそうに、 ジミナはまだ雨が降り続けている外を眺めた 「…雨がやみませんね」 ’愛してる’ ’あなたとまだ一緒に居たい’ 僕は驚いてジミナの方に顔を向けたが ジミナはまだ外を見ていた だから僕ももう一度外を見た 「このまま雨がやまないといいですね」 ’私も愛してる’ ’私もあなたとまだ一緒に居たい’ 僕はただ自分の気持ちを伝えた そしたら、驚いたのかジミナがこっちを見てきた 嬉しそうというより 驚いたのだろう 僕が優しく微笑んで見せると ジミナはようやく僕のいったことを実感したようだった 今度は嬉しそうに笑ってくれた
すると、いきなり 「あ、もしかしたら折り畳み傘あるかも!」 と、自分の鞄を探し始めた 少して 「あ、あった!」 という声が東屋に響いた 「じゃあテヒョナ、家まで送るよ!」 「、わかった」 「ちょっと待って、」 そう言ってジミナは鞄からメモ1枚とシャープペンを 取り出した 手元を隠しながら何か書いている なんだろう、と気になりはしたが 僕は聞かなかった
ジミナとの帰り道 他愛もない話をしながら歩いていた もう僕の家はすぐそこ 「あそこが僕の家だから、」 ありがとうを言おうと、そして連絡先をきこうとして 僕は鞄からスマホを取り出し 「あのさー…」 言いかけた、だけど 「、、テヒョナ」 僕の名前を呼ぶジミナの声にかき消された 少しの間沈黙が続いたが ジミナが微笑んだ 愛おしそうに 寂しそうに 切なそうに 虚しそうに ー…苦しそうに ジミナが口を開いた 「ー…雨音が、響いていますね、」 ’愛していました’ ’あなたとはもう一緒に居られません’ 苦しそうにそう言った後 僕にさっき書いていた1枚の紙を渡して 愛おしそうに笑って 走っていなくなってしまった 僕は驚いて追いかけることを忘れていた 手の中に1枚の紙があることを思い出し 僕はその紙を開いた
テヒョナへ あのね、僕、癌なんだ 治らないんだって 余命は後3週間しかないんだって だから、僕と居ない方がテヒョナのためになると思うんだ 自分か ら告白したのに 勝手なこといってるよね ごめんね 僕がいきなり話しかけたのにお話してくれてありがとう 僕の告白を聞いて、理解して、答えてくれてありがとう 好きになってくれてありがとう 愛していました 世界で一番テヒョナを愛したジミナより
僕は下を向いた さっきまで降っていた雨は 綺麗にやんでいる 僕の足元にある水たまりが 綺麗に晴れた 青い青い空を映している 僕は何気なく顔を上げた
顔を上げてみれば 嫌になるほど 綺麗な青空 さっきまでの雨はきれいさっぱり消えてしまった ー…きれいさっぱり消えてしまった 僕はしばらく空を見上げていた 涙がひとつ 足元の水たまりの水面が揺れた 僕の手の中にある手紙には まだ少し ジミナの香りと温もりがのこっていた -𝒻𝒾𝓃-