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どれだけ頑張ったって報われないことがある
そんなこととうの昔に知っている
俺にとっての最後の大会
俺のバレー人生は幕を閉じた
ピピーッ
体育館に試合終了の笛が鳴り響く
夏目
立とうとしても足に力が入らない
チームメイトに支えてもらい俺はコートに深く礼をした
俺は体育館を後にした
着替えるために更衣室に向かう
夏目
更衣室からチームメイトの声がする
夏目
俺は扉に耳をあて会話を聞いた
バレー部
バレー部
バレー部
バレー部
バレー部
夏目
俺は強く拳を握った
悔しくて悲しくて
これはその場を離れた
夏目
ただひたすらに走っていた
チームメイトの顔なんか見たくなくて
できるだけ遠くに走った
夏目
俺は誰もいない更衣室に入った
夏目
夏目
夏目
ガンッ
これは力いっぱいロッカーを殴った
夏目
何度も何度もロッカーを殴った
殴っても意味ないのは分かってる
けど何かに当たらないと自分が壊れそうで怖かった
夏目
殴っていた拳を見ると血が流れていた
数滴の血が真っ白な床に落ちる
数秒間その血を見つめた後タオルで拭き取った
そしてタオルを捨てて更衣室を出た
夏目
俺は確認のため自分の高校の更衣室を確認した
夏目
俺は一安心してリュックからお茶を出そうとしたその時だった
健大
夏目
知らない男の人に声をかけられた
身長とか顔からして高校生かな?
夏目
健大
健大
なんで俺同級生か年下に説教されてんの?
夏目
健大
夏目
彼は目を丸くしていた
健大
夏目
いやいやどうみても高校生だろ
健大
夏目
健大
夏目
彼はコロコロと表情を変えた
健大
夏目
健大
夏目
健大
先生は俺の右手を指差した
健大
健大
夏目
健大
健大
先生は鞄を漁り始めた
夏目
健大
夏目
健大
先生は俺の前にハンカチを差し出した
夏目
夏目
健大
夏目
俺は先生の方にハンカチを押し戻した
健大
先生はハンカチを俺の胸元に強く押し当てた
夏目
健大
夏目
俺は渋々ハンカチを受け取った
健大
俺はハンカチに鞄をしまおうとした
健大
先生は慌てていた
健大
そんな先生が面白くてずっとみていたかった
夏目
俺は鞄の蓋を閉じてハンカチで血を拭く
健大
夏目
夏目
健大
そんな話をしていると遠くから声が聞こえてきた
響
夏目
響
こいつの名前は下北響(しもきた ひびき)
小学校から中学までずっと一緒だった
夏目
響
健大
響
健大
響
健大
響
響は先生の手を取って歩き出した
健大
響
健大
響は大きく手を振った
夏目
俺も手を振りかえした
2人の姿が見えなくなったあと俺は気づいた
夏目
夏目
夏目
俺はハンカチを丁寧にたたみカバンに入れた
夏目
俺は体育館を後にした
𝐍𝐞𝐱𝐭♡50