カイ潔オメガバース

ｺﾞﾝｯﾄﾞｯ

俺の母親は人気ハリウッド女優だ。 父親は小さな舞台の演出家そこの主演女優が俺の母親だ 俺もよく知らないがあの人は俺が産まれて、すぐに出ていった。その後人気女優として認知されてく母親に別れを告げられた父親は全てが壊れた。 安い酒とギャンブルに溺れ暴力を振るうあいつのもとで俺は育てられた。 しかし出て行くにも金も力もない幼少期の俺は居場所がそこしかなかった

父親の言う「働け」は何か盗んでこいという命令だった。言われると俺は街へ行き、食べ物や日用品を盗む生活を繰り返していた 失敗してしまうとまたあいつに怒られるからすぐに盗みは上達した。 それでも理不尽な暴言と暴力が日常であいつはいつでも母親を憎んでたクセにかつて母親からもらった1輪のバラを大切に飾ってあるのが俺には理解出来なかった。 そして俺は自分自身からミヒャエルと名乗ったことがなかったもちろん父親から呼んでもらったことなどない

「いつかここを出て行こう」

俺は望まれて生まれた生命じゃない

成長するにつれその気持ちは強くなった 俺は盗んだ物の中から高価なモノを父親に黙って売り捌いて自分の金にした

12の誕生日に「この金で何かを買おう」 それがきっと俺の人生の始まりな気がした 「食い物？いや…なくならないモノがいい」 なんでもよかったクソ物と罵られる俺に生きてく実感をくれるならなんでも 球は投げれば飛んでく壁に当てれば戻って来る。イラついて殴っても思いっきり蹴飛ばしても怒らないし泣かないしどんな時でも何も言わずにそばにいてくれる。 俺と同じクソ物だった…

俺はいつかの旅立ちの夢を見ていた

だがある日街の宝石店が襲撃された 逃亡中に捕まった犯人グループの一人が共犯として俺の名前をあげた 確かにその犯人とは悪友だったがその事件に関しては俺は無実だった 完全に濡れ衣だった

ｺﾞﾝｯ

その時に今まで貯めてた金が出された

またはじめから…

その瞬間俺の中で何かが壊れた

いや壊れたというより…

生まれたというほうが正しいだろう

ｷﾞｭｳ…

ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ…

番になってくれてありがとう。