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第1話 - 一時保存:2020/01/07 14:32

2020年01月07日

#フィッシャーズ、ヒカキン、セイキン、ここなっちゃん、はじめしゃちよー、木下ゆうか

よな

とうこ

私はトウコ

とうこ

仕事帰りに青戸駅に到着すると

とうこ

一目散で電車を駆け下りた

とうこ

急な腹痛で限界がきていたのだ、

とうこ

駅のトイレは...パス

とうこ

この時間いつも並んでいる。

とうこ

駅そばのコンビニという選択肢も考えたが

とうこ

私はすぐにそれを却下した。

とうこ

何せ一週間ぶりの便意なのだ。

とうこ

多分、すごい音が出る。

とうこ

そして、きっと臭いも酷いだろう。

とうこ

恥ずかしくてもう一生、そのコンビニは入店できなくなる。

とうこ

急ごう。

とうこ

家に帰ろう。

とうこ

わたしは全力で走った。

とうこ

こんなに真剣に走ったのは

とうこ

小学校の運動会以来だ。

とうこ

息は上がるし、胸も苦しい。

とうこ

そして、お腹ももう限界だった。

とうこ

間に合わない。！

とうこ

そう思いかけた時に

とうこ

目の前に公園が見えた。

とうこ

いつも通勤途中に通る公園だが

とうこ

確か広めの公衆トイレがあったなと

とうこ

記憶していた。

とうこ

私は、そこに駆け込んだ。

とうこ

ガチャ

とうこ

ふーう

とうこ

間に合った。

とうこ

ようやく腹痛も治った。

とうこ

わたしは帰る準備を始めた。

とうこ

すると........

知らない女

うう...うう...

とうこ

(隣の個室から、うめき声が聞こえた。)

とうこ

(あれ？さっきは誰もいなかったのにな。)

とうこ

(いつの間に来たんだろう。)

とうこ

(隣の人も私みたいに駅から走ってきたのかな。)

とうこ

(妙な連帯意識が芽生えるころ
隣の個室のうめき声がやんだ。)

とうこ

(そして、やあってから、声をかけられた。)

知らない女

あの、すみません。

とうこ

(まさか、トイレの個室同士で会話をするとは思わなかった。)

とうこ

はい。どうしましたか？

とうこ

(隣の個室の声は申し訳なさそうに、こう言った)

知らない女

すみませんが紙をいただけますか？

とうこ

(隣の個室の紙が切れていたのか。)

とうこ

(私は目の前のトイレットペーパーホルダーを見た。)

とうこ

(備えられているものが一個と予備が一個あった。)

とうこ

いいですよ。

とうこ

こっちには2つありますから。

とうこ

(そう言うと、私は予備の方のトイレットペーパーを手に取った。)

とうこ

あの、投げればいいですか？

とうこ

キャッチできますか？

知らない女

はい。

とうこ

(隣の個室の声は嬉しそうに返事した。)

とうこ

ちゃんとキャッチしてくださいね。

とうこ

(私は、そういうとトイレットペーパーを隣の個室に向かって投げた。)

とうこ

(お礼の返事はなかった。)

とうこ

まったく、もう

とうこ

お礼もしないで、失礼な人だな。

とうこ

(しばらく待っていても返事はなかったので私も帰る準備をしようとした。)

とうこ

すると.....

知らない女

あの、

知らない女

紙を下さい

とうこ

(隣の個室からまたもや「紙をくれ」の要求があった。)

とうこ

いや、こっちもあと一個しかないんですよ、

とうこ

ごめんなさいね

とうこ

(そう言ったが隣の個室の女性は受け入れない)

知らない女

紙を下さい

知らない女

お願いです。

知らない女

紙がないとでららないんです。

とうこ

(わがままな人だな。)

とうこ

(そう思ったがそれだけ必死な事情もあるのだろう。)

とうこ

(そんなふうに思って、私は言った。)

とうこ

いや、私も、まだ使ってないんですよ、

とうこ

だから終わった後でもいいですか？

とうこ

(しかし、私のセリフが終わるか終わらないのかなうちに隣の個室から、声が聞こえてきた。)

知らない女

紙をくれ、紙をくれ、紙をくれ、....

とうこ

(苦しそうというか、くやしそうというか。その声は、やけに必死だった。)

とうこ

だから...

とうこ

(私は、怒ろうとした。)

とうこ

だが、

知らない女

紙をくれ、紙をくれ、紙をくれ、...

とうこ

(声は必死すぎて怖い)

とうこ

(さっさと解決してしまおう。)

とうこ

はいはい。わかりました。

とうこ

終わったらちゃんと返してくださいね？

とうこ

(私は、ホルダーにセットされている紙を手に取って投げた。)

とうこ

あの。本当にちゃんと返してくださいよ。

とうこ

それがないと私もトイレから出られないので。

とうこ

はあ、

とうこ

(隣からの返事はなかった。)

とうこ

(私はしばらく待った。)

とうこ

(この状況では、もう、待つより他ない。)

とうこ

(紙がなければ変えられないのは私も一緒だ。)

とうこ

(また仲間意識がほんのり芽生えた。)

とうこ

(少し経つ頃に、また声をかけられた。)

知らない女

かみをくれ、かみをくれ、かみをくれ！

とうこ

(今度は最初から必死だった。)

とうこ

(私は言った。)

とうこ

まさか、それ全部使っちゃったんですか？

とうこ

(隣の声はいう）

知らない女

うるさい！

知らない女

早く！

知らない女

かみをくれ、かみをくれ、かみをくれ！

とうこ

(私は、さすがにイラッとした。)

とうこ

だかラァ。こっちにももうないんだけど！

とうこ

(仲間意識など、もうどこにもない。)

とうこ

(こちらの個室のトイレットペーパーを全部使い切って、なおも紙を欲しがる女など、すでにてけいしかなかった。)

知らない女

かみをくれ、かみをくれ、かみをくれ！

とうこ

(その声はすでに叫びに近い。)

とうこ

(夜のトイレにはんけいして、声の出どころが、どこだかわからない。)

とうこ

(私も、負けずに言い返した。)

とうこ

あんたのせいでこっちの紙も無くなって...)

知らない女

違う！

とうこ

(隣ではなく、真下から叫び声が聞こえた。)

知らない女

その紙じゃない！

知らない女

お前の髪だ！

とうこ

(次の瞬間、隣のトイレとの隙間から伸びてきた手が、私の髪の毛を掴み、そのまま私を、暗闇の中へと引きずり込んだ)

とうこ

きゃああああああああああ！

知らない女

紙がないと

知らない女

恥ずかしくて出れないもんね......

とうこ

その日からわたしはトイレから出られない。

とうこ

(そんなある日)

知らない女

あーやばい、やばい、やばい

知らない女

ふう、

とうこ

(あっ誰か来た）

とうこ

(久しぶりに人が来た)

とうこ

(わたしは自分がトイレから出るため、こう言った)

とうこ

あの
紙を下さい。

知らない女

あ、はい

とうこ

(その声とともにトイレットペーパーが投げ込まれた。)

とうこ

(これでようやく、帰る準備ができる。)

とうこ

(あとは、あの日隣の誰かに全て引き抜かれてしまった私の髪の毛を、別の誰かからもらえば、私もようやく、トイレから出られる。)

とうこ

あの、すみません。

知らない女

はい？

とうこ

髪を、下さい

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よな

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